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魔力ゼロの無敗者  作者: マンタS
第6章 奴隷落ちとクーデター
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出会い

6章スタートです


 クーデター。それは、国を変えたいと願う者達が行う行動の事だ。



 幾ら願っても、変わらない国を正そうとする行動の事だ。



 成功すれば誰からも喜ばれ、失敗すればただの国賊。



 一か八かの大勝負。それがクーデター。成功の為には多大なる犠牲が必要となり、失敗すれば更に多くの犠牲が伴う。



 それが普通の人間であれば。



 ――――――――――――――――――――



「着いたか…」



 雪が吹き荒れる豪雪地帯。辺りには白銀の世界が広がっている。



『ドルス魔国』。厳重な結界に覆われたこの国は、()()()魔人族が住み着いている。



 その結界の前にいる人間は3人。中央には白髪の『異常者』原口コウヤ。横の2人は倒れている。右側には黒髪の日本人、雨露沙霧。左側には金髪の帝国皇女、ソフィア・アルナラ。



 2人は倒れている。と言うか気絶している。コウヤが超スピードで移動していると、その影響で失神してしまった。



「実力者に皇女、この程度で気絶するのか…」



 半端呆れ気味で呟いたコウヤ。



「…それにしても、帰還した事をどう伝えれば良いのか…」



 少し悩んだコウヤだが、直ぐに答えを出した。



「…よし…!」



 呟いた次の瞬間、国の方に手をかざした。



「『破壊の(ディストラクション・)波動(バースト)』」



 その放たれた攻撃は、数々の結界を破壊し続けて、国の中央に聳え立つ魔王城まで届いた。



 ――――――――――――――――――――



「何を考えているんだ貴様は!」



 部屋の中に怒号が響き渡る。ここは魔王城の一室。国の主な政治を決める会議室だ。



 声を上げたのは、『四天王』の1人であり、『黒炎の魔人』と呼ばれるリューク・トライエル。



「…声がデカくないか?」



 諭したのは原口コウヤ。この部屋には、この2人と他の『四天王』の面々、気絶している沙霧とソフィア。それに加え、数十分泣き続けて、さっきやっと泣き止んだシーナはずっと俯いている。



「もうその件はいいだろう。城も結界も、また直せばいい。それより問題は…」



「そうだ!その2人の女は何だ!?」



 イリアの話で思い出したのか、イリアが言い終わる前に話し始めたリューク。



「黒髪の方は雨露沙霧。俺と同じ『神のゲーム』参加者の1人だ。金髪の方は、現スレイル帝国皇女のソフィア・アルナラだ」



 リュークの大声に呆れるように、落ち着いた声色で話すコウヤ。



「そこじゃない!何故連れて来たかを聞いている!」



「沙霧は俺たちの計画に協力すると言った。そして、俺はソフィアのクーデターに協力する事を約束した。だから連れて来た」



 これには、部屋にいた全員が驚いた。



「「「「「クーデター!?」」」」」



 ――――――――――――――――――――



「成る程…そう云う事ですか…」



 呟くように納得の言葉を話すイリア。コウヤは、これからの計画の()()をイリアに話していた。



 あの後、()()()の計画をリューク達に話した後、コウヤはイリアの自室に行き、彼女の部屋で話していたのだ。



 表向きの計画はこうだ。まずソフィアを直ぐに国に戻し、コウヤについてのある程度の情報を皇帝に渡し、皇帝の警戒心を削ぐ。



 その後、こちら側の陣営の誰かが帝国に侵入し、皇帝の居る城『皇帝城』の中に居る帝国の重要人物を全て殺害し、それをソフィアの手柄にする。



 これで、民を思い、国を変えるために心を鬼にして頑張った優しい皇女の誕生となる。



「ですが、やはり問題は侵入ですね。そこをどうにかしなければ、この計画は…」



 そう。この計画で最も難易度が高いのは帝国の侵入だ。帝国はかなり厳しい入国審査が必要となる。それをどうにかするのが、今回の最大の難関だ。



「大丈夫だ。それには考えがある」



 そう言ってコウヤは、懐から()()の物体を取り出した。黄金に輝くその物体は、ただの物体じゃない事をその雰囲気が醸し出している。



「それは?」



「…クレイム法国にあった()()()魔力道具(マジックアイテム)だ」



 ――――――――――――――――――――



「ここがドルス魔国か…」



「はい、その様ですね…」



 呟いたのは、コウヤと共にこの国に来た沙霧とソフィアだ。彼女達は今、魔王城内のとある一室に居る。先程までベットで眠っていたが。



「そして、貴方が今の魔王なのですね…」



 窓の外の景色から目を後ろに向け、見つめたのは自分より少し年上の少女。黒いロングへアーの少女。



 少女の名はシーナ・ロード。このドルス魔国を支配する現魔王だ。



「うん。貴方がスレイル帝国皇女のソフィアさんでしょ?そして、こ、コウヤ君と同じ所に居たっていう沙霧さん…」



「そう、私が雨露沙霧だ」



 次の瞬間、沙霧はニヤッと笑った。



「??」



 その反応に、シーナは疑問しか持たなかったが、ソフィアは理解した様だ。



(成る程…流石コウヤ。けど、まだ気づいていないな、これは…)



「な、何ですか?」



 本当に不思議そうに聞くシーナ。



「いいや、何も」



 そう言って、沙霧は微笑み、ソフィアも微笑んだ。

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