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魔力ゼロの無敗者  作者: マンタS
第3章 再会とドルス魔国
33/298

朝比奈 裕翔

「…朝比奈(あさひな)?」



 俺の動揺はかなり大きかった様だ。自分ではそこまでとは思わなかったが、少なくともリュークには俺の動揺に気づいた様だ。



「…知っているのか?あの男を?」



「…あぁ。俺の…」



「俺の?」



()()()()()()…」



「なに…?」



 リュークと会話をしていると、話が終わらないうちに、『朝比奈』が話しかけてきた。



「コウヤ、僕の言いたい事は…分かるよね?」



「…お前の言いたい事は、()()()()()()つもりだ…」



「そう。なら、」



 すると、『朝比奈』は掌に()()()()()()を創り出した。そして、その剣をコウヤに向けた。



()()()()()()()()()



「…悪いが」



 俺も魔力(マジック)破壊(ディストラクション)で剣を創り出す。



()()()()()()()()()()()()()()()との約束の為にも…」



()()()だと…」



 俺の言葉を聞いた『朝比奈』は、明らかに声色を変え、怒りを露わにしていた。



「お前が…()()を語るなっ!」



 その咆哮は、リューク達『四天王』や、シーナに恐怖を与えるものだった。その咆哮は、今までに俺が聞いた事のないものだった。明らかに、俺が()()()()()朝比奈(あさひな) 裕翔(ゆうと)』ではなかった。



()()()()()()()()()()()()()()()()



 そのコウヤの声は、裕翔を超える恐怖をシーナ達に与えた。



「お前は俺を殺したいと、そう思っているのか?」



()()()。もう、()()()とは違う!」



 そう言うと、裕翔は自分の周りに()()()球体を創り出した。



「分かるだろう。この『魔力封印(マジックロック)』の力を!」



(あの『朝比奈』とかいう男の()()()…確かにこいつの力と似ている。…一体、どういう関係だ?)



 リュークがそんな疑問を持っているが、コウヤはそんな事を考える事は無かった。唯、



「そうか…()()だな。俺ももしお前が生きていたら、()()()()()()()()()



 瞬間、空中で2人の剣が激突した。爆音が鳴り響き、その振動が離れていたシーナ達にすら伝わる。



「なんて力のぶつかり合い…ここまで衝撃が伝わるのか」



 その力のぶつかり合いは、『四天王』のそれすら凌駕するものだった。これは、魔王様に匹敵するかもしれない。そうリュークが考えた時だった。



「そ、そんな…まさか…こんな……」



「シーナ様?どうしました?」



 そのリュークの問いに、震えた声でシーナは答えた。



「あの人、似てるの…」



「?…誰に?」




「…!」



 剣の衝突と同時に蹴り。



「…」



 その俺の蹴りを直撃された裕翔は吹き飛び、地面に激突する。



「終わりだ」



 そのまま拳銃を取り出し、『魔力(マジック)破壊(ディストラクション)』の銃弾を放つ。



「『封印(ロック)の盾(・シールド)』」



 それを裕翔は青黒い盾を創り出し、防いだ。



「…!」



「甘いよ、コウヤ。言ったはずだ。()()()()()って」



 その言葉が聞こえたと同時に、周りに青黒い球体がいくつか浮かんでいるのに気づいた。



「これは…」



「『封印(ロック)の爆散(・エクスプロージョン)』」



 その宣言と同時に全ての青黒い球体が爆発した。その威力は、コウヤの『破壊(ディストラクション)の爆散(・エクスプロージョン)』の威力を超えていた。



「『破壊(ディストラクション)の盾(・シールド)』」



 自分を覆う様に発動し、攻撃から身を守る。



破壊(ディストラクション)の盾(・シールド)』を解くと、



(っ!後ろに…!)



 裕翔は既に俺の背後にいた。それを気配で感じ取った俺は、振り向きざまに『破壊(ディストラクション)の剣(・ソード)』で首を狙う。それを予想していたのか、裕翔は身体を逸らして俺の攻撃を避け、その勢いで俺の顎を蹴ろうとする。



 俺の顎を狙ってきた裕翔の右足を、左手に持っていた拳銃を瞬時に手放して掴み、左側に投げ飛ばす。その隙に俺は『魔滅』を抜き、『破壊(ディストラクション)の剣(・ソード)』を裕翔に向かって投げ飛ばす。



「『封印の波動(ロック・バースト)』」



 裕翔は直ぐに体制を整え、青黒いビームを放ってきた。その威力は、投げ飛ばした俺の『破壊(ディストラクション)の剣(・ソード)』を消滅させる程だった。瞬間的に『魔滅』に『魔力(マジック)破壊(ディストラクション)』を纏わせる。



「『破壊(ディストラクション)の斬撃(・スラッシュ)』」



 裕翔の青黒いビームを切り裂き、斬撃は青黒いビームを抉りながら裕翔に向かって進んでいく。



「『封印の斬撃(ロック・スラッシュ)』」



 その攻撃で、俺の斬撃が2つに割れる。そして、裕翔の放った斬撃が俺の首を刈り取った。と、同時に裕翔の近くにあった2つに割れた『破壊(ディストラクション)の斬撃(・スラッシュ)』が爆発し、裕翔の両腕を吹き飛ばした。




「「…!」」



 瞬間、コウヤの頭と裕翔の両腕が再生する。



「確かに…昔とは違う様だな…」



「コウヤもその強さ。最早()()のレベルじゃないね」



「ぬかせ。少なくとも、()()()()()()()を俺は知ってる」



「へぇ。そんなのがいるんだ。会ってみたいな」



「…1つ質問をする。お前が――



 ――――――――――――――――――――



 少し時間は遡り、先程のシーナの会話に戻る。



「あの人、似てるの…」



「?…誰に?」



「…お父様を殺した…黒いローブの人に…」



「「「なっ!」」」



 その言葉を聞いた『四天王』の3人は、全員が驚きの声をあげた。無理もない。何故なら、彼らはシーナを除けば、最も先代魔王と親しいものたちだからだ。だからこそ、彼らは『人魔大戦』を始め、全世界を敵にまわしたのだ。



 とすれば、あの『朝比奈』という男が、この100年間の魔人族の不幸の元凶と云える。その答えに辿り着いた時、3人には、個人差があれど、殺意を抱いた。



 ――――――――――――――――――――



 ――先代魔王を()()()()()?」



 その問いは、裕翔にとって意外なものだった様で、驚いた様にこう発言した。



「へぇ。流石だね」



「…()()なんだな?」



「あぁ。僕が先代魔王、デスト・ロードを殺した。ついでに言うと、シーナ・ロードの死体偽装をやったのも僕だ」



「…『()』に()()()ってことか?」



「…()()。僕は今、『神』()()()()で動いている」



 数秒間の沈黙が訪れる。コウヤと裕翔は、互いを見つめ会ったまま、動こうとしない。だが、先に動いたのは裕翔だった。



「もう、今日の任務は果たした…帰るとするよ」



「…」



「…次会った時、その時こそが、()()()だ」



「…その言葉。()()()()()()()()()()()()()



「…じゃあね。コウヤ」



 裕翔がそう発言した後、裕翔の右側に『穴』が開かれる。その『穴』に裕翔は入っていく。そして、裕翔がコウヤの視界から消えた時、『穴』は消滅した。

初めて、地球にいたコウヤを知っている人間であり、かつての友、朝比奈裕翔の登場回でした。裕翔は、コウヤと深いつながりを持っており、物語の最重要キャラクターの1人で、最強レベルの実力の持ち主でもあります。唯、当分登場しません。

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