赤い悪魔
戦闘シーンがメインですのでいつもより少し少なめの文量になっています。
「シーナ、離れててくれ。あいつとは俺がやる」
「何で?二人で戦った方が…」
「お前、対人戦闘の経験はあるのか?」
「無いけど…」
「なら見ていろ。俺も魔法を使う者との戦闘は無いが、対人戦闘の経験ぐらいはある」
「そっか…まあ私より強い訳だしね…」
シーナはそう言うと、この場から素早く姿を消した。
「さて…」
シーナの気配が遠のいたのを確認したコウヤは、一歩ずつ、土煙の発生場所に向かって歩み始めた。
少しずつ土煙が収まっていく。収まっていくにつれ、その中心にいる人物が見えてきた。
(…煙で見えにくいが、背格好からして男。主だった武器は無し。ナイフなどの小型武器を使うのか、それとも武器を使わないのか…)
見えたのは情報通りの黒いコートを羽織った男。顔は黒いフードで覆われて見えない。
(まぁ、戦いながら見極めるしか無いか…)
すると、『赤い悪魔』は突然口を開いた。
「お前…あの距離で俺の存在を察知したな…何者だ?」
「それをお前に教える義理は無いな。知りたいなら無理矢理吐かしてみろ。俺もお前の顔を無理矢理見せてもらう」
「…そうだな、そうしよう…」
瞬間、コウヤは『赤い悪魔』の脳天に向けて、『魔力破壊』の銃弾を飛ばす。『赤い悪魔』はそれを少し頭を傾げることで避け、猛スピードでコウヤに迫る。それを見たコウヤは『魔滅』を抜き、『赤い悪魔』の攻撃に備える。
「【炎の剣】」
『赤い悪魔』は魔力で炎の剣を創り出し、コウヤの首を狙って振るう。
「『剣威装・魔力破壊』」
コウヤは『魔滅』に『魔力破壊』を纏わせ、『赤い悪魔』の【炎の剣】を斬り、破壊する。
「っ!?」
「『破壊の連続銃撃』」
瞬間、背後の無数の弾丸で『赤い悪魔』を狙う。
「『魔力状態』」
「…!」
『赤い悪魔』は『魔力状態』を発動し、上空へ飛び上がる事で命中を避けた。
「……ここまでとはな…」
これまでの戦闘で、『赤い悪魔』の強さは伝説級の魔獣を簡単に倒せる程のものだと分かった。その実力は恐らく、シーナと同等以上のものだろう。
「中々やれる様だな。なら、俺も少し実力を出そう」
「…なに?」
「【火の状態】」
すると、『赤い悪魔』の体が火に包まれる様に変化した。
(この魔法…炎を纏っている訳じゃなさそうだ…見た目は不死鳥の『複合魔法』と似ているが…)
「…行くぞ」
『赤い悪魔』はそう言うと、右手をこちらに向ける。
「【炎の光線:Ⅻ】」
その掌に12個の炎の球体を創り出し、それをビームの様に放つ。
「【破壊の盾】」
コウヤは『魔力破壊』で盾を創り出し、『赤い悪魔』の攻撃を防ぐ。
「【破壊の連続銃撃】」
それを『赤い悪魔』は超スピードで空中移動して避け続ける。
「当たらないか…」
「…そろそろ行くぞ」
「…!」
すると、『赤い悪魔』はコウヤに急接近する。
(接近戦が狙いか…)
「【炎の剣:Ⅱ】」
『赤い悪魔』は炎の剣を2つ創り出し、コウヤに迫る。その2つの剣を使い、コウヤの首を狙う。
「…甘い」
コウヤは『魔滅』で2本の【炎の剣】を破壊し、そのまま『赤い悪魔』の首に斬りかかる。
(確かにこいつは強い。強力な魔法と『魔力状態』を使いこなす。だが、剣において俺がこいつに負ける道理は無い。そして、俺の『魔力破壊』を理解し切れていないこの状況で、こいつに勝ちは無い)
だが、
「甘い」
「…!?」
コウヤが振るった『魔滅』は『赤い悪魔』の首をすり抜けた。
「くっ…『破壊の爆散』!!」
瞬間、目の前を爆発させて『赤い悪魔』と距離を取る。
(何故すり抜けた…?)
コウヤがこの次元で得た知識は、あくまでものの読み書きなどの表面上のものでしかない。その中に、魔法の応用法までは含まれてはいない。
しかし、
「…成る程。そういう事か…」
コウヤの頭脳はその答えを容易に導く。
その言葉を聞き取った『赤い悪魔』は顔を、しかませた。
(こいつ…まさかこの一瞬で…!)
「…あり得ない…【炎の剣:Ⅱ】」
『赤い悪魔』は再びコウヤに超スピードで迫り、攻撃を仕掛ける。
「【炎の波】」
『赤い悪魔』はコウヤの後ろから、高さ10メートル以上の炎の波を創り出し、コウヤの退路を塞ぐ。
「無駄だ」
「っ!?」
「お前の技は全て見切った」
コウヤは、表情を一切変えずにそう言い、背後からくる炎の波に手を翳す。
「『破壊の壁』」
コウヤは『魔力破壊』で50メートルの壁を創り出し、炎の波を完全に破壊する。
「終わりだ」
『破壊の斬撃』を発動するコウヤ。
「終わるのは貴様だ!」
『赤い悪魔』は、【破壊の斬撃】をすり抜け、そのままコウヤに迫る。
「いいや、終わりだ」
その宣言の瞬間、地面から大きい手が現れ、『赤い悪魔』を掴んだ。
「っ!?」
(地中から!?)
『魔力破壊』の能力で、『赤い悪魔』の『魔力状態』と【火の状態】が解除される。
「くっ!」
その様を確認するコウヤ。『魔滅』を鞘にしまい、宣言する。
「『赤い悪魔』拘束完了」
次回『赤い悪魔』の正体判明です。




