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魔力ゼロの無敗者  作者: マンタS
第2章 赤い悪魔と大監獄
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方針

まだ、冒頭にいけません…


 



 1週間前まで泊まっていた宿に到着した。この宿はソレム村の村長に紹介して貰った宿で、相場より安いのに3食付きで、この次元ではとても珍しい宿だ。



 構造としては3階立てになっており、一階がほぼ24時間開いている飲み屋と、宿の受付。2、3階が宿だ。前回、なんとなく俺は3階に泊まっていたが、正直どちらでもいい。



 宿の扉を開くと、小煩い冒険者達の笑い声が聞こえてくる。



「…」



 ふとシーナの顔を見てみると、意外にも少し怯えている様な顔をしていた。



「大丈夫だ」



 シーナの頭に手を伸ばし、ポンと手を置いた。



「…っ!?」



「俺がいる。そんなに怯える必要は無い」



「…う、うん。わかった…!」



「良し…!」



 シーナの顔から怯えが消えたところで、受付まで歩いて行く。



「すみません。1日泊まりたいのですが…」



「おや、コウヤ君じゃない!久しぶりね!1週間ぶりくらいかしら!」



「そうですね…!」



 今話しているのは飲み屋と宿、両方の店主であるおばちゃんだ。1週間も泊まっていたので、かなり打ち解けている。



「おや?隣の子は…もしかして彼女さん!?モテるのね〜、1週間でもうそんな仲に!」



「えぇ!?い…いや……!そんな……!」



 シーナが異様に顔を赤めながら声を裏返らせている。



 このおばちゃんはそういう話が好きだ。前回泊まっていた時も、何度こんな感じの話をされたか分からない。だが、俺とシーナはそういう関係ではない。俺はそんな事思ってないし、シーナもそんな風に思っていると思われるのは心外だろう。だからちゃんと訂正する。



「いや、俺らはそういうのじゃ…」



「そ、そうですよ!いきなり何をいうんですかっ!」



 俺が言い終わる前にシーナが凄い勢いで訂正した。よっぽど嫌だったのだろう。顔を真っ赤にしている。



「あらそお?まぁ、その話はこれぐらいにして、一緒に泊まる?それとも別々の部屋にする?」



 やっと話を戻してくれた様だ。



「安いのは?」



「一緒に泊まったら、別々より銅貨1枚安くなるよ」



 銅貨は1枚で100円とほぼ同じ額だ。100円とはいえ、金は貴重だ。いつ無くなるか分からない。



「なら、一緒で」



「はいよ、2人で一部屋、明日までね。ご飯はどうする?」



「今日の夜と、明日の朝で」



「わかった!なら、これが鍵ね!金は出る時渡してくれれば良いから」



「分かりました」



 そう言って鍵を受け取り、部屋へ向かおうとすると、



「ちょ、ちょっと!」



 顔を真っ赤にしたままのシーナが話しかけてきた。



「何だ?」



「な、なんで私達同室なの?」



「何でって…安いからだろ?」



「い、いや、私達まだあったばかりなんだよ。そ、それなのに、一緒の部屋なんて…」



「別にいいだろう。それに金は俺が払うんだ。黙って従え」



「うっ、わ、分かった。従う…」



 全く、変な事を気にするものだ。同じベットで寝る訳じゃあるまいし。



 ――――――――――――――――――――



 部屋に入った俺たちはとりあえず武器や防具を外し、ベッドを椅子がわりにして座った。



「とりあえず、これからやるべき事。方針について話す。聞けよ?」



「う、うん。分かった。この宿は明日出るんだよね。ってことは…ここから離れるってこと?」



「あぁ。そしてこいつを探す」



 俺はポケットから1枚の紙、正確には手配書を出した。



「何これ?」



「これは手配書。ここに書かれている人間を殺した証拠を見せるか、捕まえると、この紙に載っている金が貰えるんだ」



「へえ〜。今はそんなのがあるんだね」



 手配書は100年前には無かった。ということを知っていたから教えたが、へえ〜で終わったのはちょっとムカつく。



「俺達の第1目標はこいつ。『赤い悪魔』を捕まえる事だ」



「コウヤ君はお金が欲しいの?」



「違う」



「じゃあなんで?」



「理由は2つ。1つは情報だ」



「情報?どういう事?」



 俺がこの『赤い悪魔』を情報源としているのは、理由がある。



まず第1に、この『赤い悪魔』は今までに多くの冒険者や賞金稼ぎ達に狙われている。そして狙って来た人達を全て殺害している。狙って来た人間達を殺し、その時の返り血で染まった赤いコートから、『赤い悪魔』と呼ばれる様になったと聞く。



 ここまで有名になった犯罪者が、俺が情報収集に費やしていた1週間音沙汰が無く、まだ手配書が出回っているということは、2()()()()()()()()()()()()()()()()、という事だ。これは、もう不可能に近い芸当になる。だから確実に『赤い悪魔』は『裏社会』に通じている。



 そうでもしなければ、ここまで見つからずに生きていられる筈が無い。そして俺が目をつけたのはそこにある。多少『裏社会』に通じているのならば、()()代表格である魔人族に繋がる、と考えたからだ。



 第2に、『赤い悪魔』自体が魔人族である可能性が高い。正直こっちの狙いの方が大きい。手間が省ける。魔人族であれば、今()()()()()がどうなっているか、『四天王』達がどうなったのか、少なからず知っている事があるだろう。それを聞き出す。



「俺達はこれからこの『赤い悪魔』を捕まえる。そして今の魔人族についてと、ドルス魔国の状態についてを聞き出す。『四天王』が生きているのなら、仲間に引き入れる。そして、」



「そして?」



「ドルス魔国に向かう」

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