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魔力ゼロの無敗者  作者: マンタS
第7章 大国会談と四獣
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魔力の龍

『青龍』は倒す事が出来た。だが、最も倒さなければならない『玄武』は倒し損ねた。



破壊(ディストラクション)の全(・フル)波動(バースト)』で右腕だけにしたが、直ぐに全身が再生してしまった。



 直ぐに戦闘態勢を整えたが、残った3体の『四獣』は全て、硬直していた。と、次の瞬間、



「キャァァァァァァァ!!!」



「グォォォォォォォォ!!!」



「ブォォォォォォォォ!!!」



 3体の『四獣』が、同時に叫んだ。驚くほどの音量で、ここまで大きな音は今まで聞いた事が無い。



 そこまでは良かったのだが、3体は叫んで行く内に、身体から奇妙なオーラが現れ始めた。そして、そのオーラは一定に保たれ、それはまるで『魔力状態(マジックモード)』の様に見えた。



 3体の声が止み、再び戦闘態勢を整える。また、変化した3体の『四獣』の様子も伺う。



 3体は、それぞれの色のオーラを放っていた。『玄武』は黒、『朱雀』は赤、そして『白虎』は白だった。『魔力状態(マジックモード)』に似ているが、『魔力状態(マジックモード)』の色は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。魔獣の場合も黒となる。



 よって、今奴等が使っているのは、『魔力状態(マジックモード)』の様であって『魔力状態(マジックモード)』では無い、と考えられる。



 そのぐらいは一瞬で判断できたが、どこまで強くなったのかは()()()()()()()。だから、それはこれから始まる()()で判断していく、と判断した。



 瞬間、『朱雀』が飛び出してきた。



「っ!」



 そのスピードは、これまでとは明らかに違うものだった。その嘴による攻撃を、何とか『魔滅』で受け止める。だがその衝撃も大きく、足裏に展開して足場としていた『魔力(マジック)破壊(ディストラクション)』すら破壊された。



 足場が無くなり、『朱雀』の攻撃を受け止めながら地面へ急降下していく。



「ぐっ…!」



 そのまま地面に足が付くが、それでも勢いは止められず、更に後方へと押されて行く。



 地面に押し込まれた両足が地面に沈み、後方に押される事で、タイヤ跡の様に地面が抉れていく。



「な…めるなっ!」



 両手で『魔滅』を支えていたが、左手を離す。当然『朱雀』の攻撃が来るが、それを半身になって避け、それと共に左手を右手の下に持ち、



「『破壊(ディストラクション)の全(・フル)斬撃(スラッシュ)』」



『朱雀』の全身を、縦に両断した。だが、『朱雀』は両断された体を一瞬で繋げて上空へ舞い上がった。



 と、いつのまにか地面に降り立っていた『玄武』が地面に尻尾を突き刺し、再び大地を操る。だが今回は、今までのものよりも速く、そして見る限り明らかに強固になっていた。



 避ける事も裂くことも容易である、と云う事に変わりはなかったが、なかなか抜け出せない。それでも、辺りを確認する事ぐらいは出来た。



 上空を見ると、思わず目を丸くした。『白虎』が、風属性魔法で竜巻を創っていた。口から吐き出された風が渦を巻き、巨大な竜巻へと化していた。



 そして、それを俺めがけて飛ばしてきた。巨大な竜巻が、俺を目掛けて飛んできたのだ。辺りにある『玄武』の操る大地すら、その風圧で吹き飛ばしながら向かって来る。瞬時に両手を掲げて、『破壊(ディストラクション)の全(・フル)波動(バースト)』を放つ。



 だが、その巨大な竜巻にいとも容易く破壊されてしまう。だが、この程度は予測していた。直ぐに『魔滅』を持ち直し、今度は『破壊(ディストラクション)の全(・フル)斬撃(スラッシュ)』で、竜巻の中心を直接攻撃する。



 だが、この攻撃だけに気をとられ過ぎてしまった。地面で何が起きているかを、確認してしていなかったのだ。



 それ故に、地面からの()()()()()に、発生後にしか気づけなかったのだ。



 ――――――――――――――――――――――――



「怪我人を早く運べ!」



「誰も死なせるな!」



 そんな声が沢山聞こえてくる。全員、助かって!そんな想いを持ちながら、雨露 沙霧は戦場を駆けていた。



 と言っても、どこが戦場になるか分からないこの状況下では、世界中の人々が戦場にいるとも言える。



 地震による地割れで、迷宮(ダンジョン)内の魔獣達が蟻の様に這い出てくるのだ。それも、SSS級(トリプルSクラス)の魔獣も珍しくない。



 怪我人も死者も出る。沙霧は国中を駆けて魔獣を殺し回っているが、無限に居るかの様に這い出てくるのだ。



 いくら自分の魔力が無限だといっても、体力的な限界はある。既に満身創痍で、いつ倒れてもおかしくない状態だ。



 今沙霧は『魔力状態(マジック・モード)』に加え、固有魔法『魔力の龍(マジック・ドラゴン)』を併用発動している。体力の消費が激しいのだ。



 固有魔法『魔力の龍(マジック・ドラゴン)』は、自らの魔法属性の龍を創り出す。だが、生物として龍を創ると云う訳ではなく、飽くまで魔力として、だ。



 魔力の塊として龍を創り出す。故に自律行動は出来ず、必ず使用者が操作しなければならない。そしてその身体は魔力属性の色で透明となっているが、体表面が硬く、爪などの攻撃は強力だ。



 今沙霧は、火の龍の()にいる。こうして中に入る事で、外敵からの攻撃を防ぎ、強力な攻撃も出せる、と云う強力な状態だが、その分体力の消費が激しい。



 だが、解除するわけにはいかない。今の上空からの魔法攻撃が、魔獣を倒すのに最も効率が良いのだ。今止めれば、それこそこのドルス魔国が崩壊してしまうかもしれない。



 と、大きな音がした。その音の方向を見ると、



「竜巻と、火山の噴火?」



 それを確認出来た。だが、今それを気にしているわけにはいかない。直ぐに戦闘に戻る。



 そして、祈る。



 ――コウヤ、無事でいてくれ――

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