1話:クソゲー過ぎて俺の頭が禿げそう
娯楽。
それは昔から存在したものである。
平安時代には俳句、蹴鞠など。多くの娯楽が日本でも誕生していた。
そして時は経ち、現代。
今では家庭用ゲーム機やVRなどの近未来的なゲームも現れ始めた。
そしてこの俺──奥中遊児は暗闇の自室でゲームに興じていた。
「・・・なんだこれ」
ゲームは時に当たりハズレが激しい。
「はあ!?」
目の前に突然ボスが現れ、不機嫌に声を荒らげてしまった。
「・・・っ・・・ちっ・・・・・・あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
ボスの猛攻撃に耐えられず、倒されてしまう。
最近発売されたPSViteソフト「NEET:replica」
主人公のニートが新しい世界で英雄として輝く物語である。
だが…
「てかおかしいんだよ!?なんでいきなりレベル90が出てくるんだよ!?」
そう。
このゲーム、レベル設定がおかしすぎるのだ。
現在、俺のキャラのレベルは48なのだが、雑魚が既にこのレベルよりも10も高く、ボスに関しては二倍近くに高い。
「こんなクソゲ誰が作ったんだよ。上級者でも無理だろ」
俺はゲームを閉じ、友人にRAINで話した。
遊児:「おい。あのゲームどうなってんだよ。倒せないぞ」
樹:「どうした?ww」
俺の友人、樹は学園でよく昼を共に過ごす仲だ。
遊児:「いや、いきなりレベル90とかどうなってんだよ」
樹:「あ〜、ありゃ運だな」
遊児:「マジか・・・」
樹:「まともに相手しない方がいいぞ。とにかくミッションクリアすりゃいいんだから」
遊児:「いやだから、クリアすら出来ないんだが」
樹:「まぁ頑張れよ。俺は寝る」
遊児:「っておい!」
こいつ俺を見捨てて寝るつもりか!?
樹:「あ〜、お前明日休日だけど暇か?」
遊児:「え?暇だけど・・・」
樹:「じゃあ明日シャトバやろうぜ。それじゃ(・ω・)ノシ」
遊児:「おい待て!」
それ以降樹は既読しなかった。
「全く・・・」
クソゲ過ぎる。
「・・・クソゲは嫌いだ」
そう。俺はクソゲが嫌いなのだ。
特に期待を完全に裏切るようなパターンのゲームは。
「もういい。寝よ」
俺は布団に入った。
さっきまでゲームをしていたから、まだ目がチカチカする。
「ほんと、クソゲは嫌い」
それだけ呟いて、俺は眠気が来るまで布団に包まっていた。