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プロローグ
フィレニア大陸。
沢山の人々が暮らすこの広い大陸は、とてつもなく平和だった。
平等な人々。差別も格差も戦争もない。
しかし、それは五十年前までの話。
五十年前、空の彼方から飛来してきた謎の生物。
人語を話す彼らは自らを『クロノ』と名乗り、大陸を制圧し始めた。
次々と息絶える人々。
いつしか空からは色が失われ、頭上には見渡す限りのセピア色が広がっていた。
そんな中、シャロに抵抗しようとする者たちが現れ始めた。
『クロノ・スィーラー』。
彼らは戦う。大切なものを守るために、復讐のために、自らの欲望を満たすために。
クロノと人間の戦争は続く。いつまでも、いつまでも―。
そして今日もまた、一人の少女がクロノ・スィーラーの道を歩もうとしていた。