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【思考】 刹那
知り合いの家族が亡くなり、改めて死の儚さを感じ、その切なさを詩にしました。
死は生命の歩みを刹那に葬る
永い時間そこに居たひとの姿を空間の向こうへと隠してしまう
あの人の顔が思い出せない
あの人の声が思い出せない
あの人の人柄が思い出せない
どんな人だったっけ
知っていたけど知らない人は空間の向こうに消えた
そしてまたひとり、またひとりと知らない人の死が重なった
知っているひとの愛するひとが
一枚の紙でその訃せを受ける
云十年という永い人生、その歩みの終わりを
刹那すぎる言葉で
死は切ない
形に残さなければ、全て忘れ去られていく……。
私は私が生きた証しを残すために、これからも作品を書き続けたいと思います。