【恋愛(怪奇)】 “契りノ愛”‥‥ さゝだヾめゞ
今回は怪談仕立てです。琵琶の弾き語りをイメージして描きました。
これは指切りした女の狂気に満ちた唄である…
※グロいので苦手な方はご注意ください。
契りを交わし
切り落とした
小指の一節
次の十五夜の宵に心中を誓い
待ち続けた夜
待ち切れず
まだ月が楕円の夜更けに
訪ねてみれば
部屋の片隅に置き去りにされた包み
開けばそこに
あの日落とした小指の一節
置き去りにされた契りの小指「あかし」
切り離された小指の誓い
愛を確かめ合う為に
壮絶な痛みに耐え
体の一部を捧げ
誠の愛を結んだ筈なのに
この裏切りを許せる筈もなく
生きて償える筈もなく
それを置き手紙に書き遺し
男は思い人と閨で
心中を図った
梁に括り付けた紐の輪に首を通し
二人仲良くぶら下がり
裏
切り
者
女は
男の躰が冷たくなる前に
下の竿を
噛み千切った
もう離れない
もう
離さ
ない
これが… … … …
さださだ 運命
さださだ 運命
サブタイトルの「ゞ」などの記号は血飛沫を表現しています(←おどろおどろしい感じを出すため)
作中に出てくる「一節」とは、第一関節のことです。作品のイメージに合わせてこの表現にしてみました。
※読み方は違うかもしれませんが、一つの表現だと思ってください。