表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/130

【恋愛】   刹月下

  青白き月夜の上弦の旋律しらべ

  星の瞬き霞む刻、月は静寂を奏でる

  彼は水面みなもに映る月の鏡像

  傍に寄りて愛でる乙女の指すり抜けて、波紋を揺らす




宵闇の刻


河岸で肩を寄せ合う二つの影


愛の言葉を囁き合う男女


彼は水面に映る月の鏡像


儚きものの喩え


永遠に誓う愛の言葉は、儚きことの喩えに同じ


“儚きもの”は運命(さだめ)に逆らうように乙女を抱き寄せ、二人の距離を埋めた




  漆黒の闇と皓皓たる満月

  無数の光の宝石を散りばめた黒衣の魔性

  その空から舞い降りた影

  そは月下の狩人

  乙女の夢に現れし魔性の存在

  その心を捕らえた罪深き者




彼を見上げ、乙女は頭上に真昼の月を仰いだ


彼の広い胸に身を預け、その鼓動を聴く


重なる二人の鼓動と微熱を帯びた甘い吐息


ぎる予感


近くにいて離れていくような感覚


頭上の月を暗雲が覆い隠し、哀しみの予感が乙女の頬を濡らす


彼は運命(さだめ)を知りながら、真昼の月の下で乙女を愛した


その髪を愛撫する


その涙を接吻が拭う


真昼の沃野に二人は星空を見た




  彼は月下の狩人

  乙女の心を捕らえた罪深き者

  夢へと誘い

  瞼を開けた時そこにはいない

  束の間の恋の喩え


  彼は月下の狩人



    “罪深き者”の異名





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ