【思考】 あの笑顔をもう一度
表情によって形成されたものではなく、表されない心理というものが人にはあると思います。ある時そのことを強く感じ、言葉にされていない部分にある陰りのようなものに胸を強く締め付けられました。内容はその時に心に受けたことを、感じたままに言葉にしたものです。
世間は表向きのことばかりを見て判断する
その表情から、その人の胸の裡に潜む闇を読み解くことをしようとしない
その背景にある何かを先に見ようとしない
目で見て、耳で聞いたことばかりをすぐ真に受ける
語られぬ優しさを世間は評価しない
することができない
最後に帰る場所が、心の拠所となる人のいる場所だったら、違っていたのかもしれない
守るべきものが自分ではなく他にあれば、自分をもっと強く律することができたのかもしれない
時間の流れが人の記憶を薄れさせ、色彩を奪っていくだろう
何年後か心が鎮まった時に、活字にしてありのままの真実を語れば少し気持ちが楽になるかもしれない
真実を包み隠し続けていたら息が詰まってしまう
苦難に立たされた時こそ、見えてくる何かがあるのかもしれない
純粋な人間が陥穽に足を取られやすい何かが、この世界にはある気がする
それを見抜く厳選な目が必要なのかもしれない
それを知ることにより、本物の笑顔が作れなくなってしまうのかもしれない
“その世界”でこそ最高に輝ける星が、永遠の曇り空にさらされてしまうことは哀しい
亀裂が入ってしまった宝石は、以前のような輝きを放てなくなってしまうかもしれない
だが、それを新たに研磨して新たな意匠を施せば、また別の輝きを見せることもできるのかもしれない
今までずっと走り続けてきて、休む期間が与えられたのかもしれない
崖の縁に立たされた今
差しのべられた手の主に、心の底に蓄積した何かを解き明かす時が訪れたのかもしれない




