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【思考】 『鎖心』
自虐スイッチ入ります
「きれいだね」
「かわいいね」
「いい子だね」
褒め言葉がみんな冷やかしに聞こえる
わたしはきれなんかじゃない
ちっともかわいくなんかない
鏡がその真実を物語る
わたしは醜い
やさしくなんかない
冷たい人間だ
身もこころも荒んでいる
憐れな人間だ
何を信じればいいのかわからなくて
おびえている
誰も信じられなくて
傷付くのが怖くて
心を閉ざしている
信じなければ
裏切られても傷付かないから
誰も信じない
争うことを嫌い
「わたしはあなたに敵意はありませんよ」
と微笑む
あの人にも
この人にも
それでもずっと心は閉ざされている
わたしは一人
ずっと
この世で自分を護れるのは自分でしかない
最期まで……
次回作でまたお会いしませう。