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ゼロストライク  作者: 漢汁
序章
1/48

星の女帝

 事は、数十秒前に訳わからんヤツに拉致されたことから始まった。

「いーかげん諦めろ! ほら、メット貸してやる」

 と、手渡されたのは、ゴツイデザインのバイザーが特徴的なヘルメット。

「戦闘に入ったら与圧切る。窒息したくなきゃ、とっととハメろ」

 いや、何にハメるんです? あ、メットですね。頭にハメます……固い、狭い、僕の頭部の処女膜失っちゃうよー。

 ――と言ってる余裕は無いようだ。

 そんなことよりも、コレどうやって被るの?


「こちらデルタ4よりデルタ1へ、これより攻撃行動に移る」


 つい先ほど、墜落してきた(本人は不時着と言ってる)航空機に強制的に乗せられ、惑星から大気圏突破、惑星軌道を巡航中。

 そのまま進路を北極から南極、その後離脱するっと。いや、なら何故最初赤道コースで行ったの? バカなの? 死ぬの?

 だからどうした? はい、そうですねー。文句言える身分ではない。

 いつの間にか宇宙空間にいるし。ああ、俺らの惑星は、青かった。

 あと、この女性キレてますね。まずは和ませる会話を……と。


「あの、貴方の使ってたらしきこのヘルメットなんですが」

「戦闘準備中だ、手短(てみじか)に話せよコラッ!」

 あ、ヤンキー口調じゃないですか、ヤダー! ……でも言わなきゃ、てか言わないと俺が死ぬ。

「えーと、あの、かなり言い辛いのですが」

「なら言うな! このクソボケ」

 駄目なんですか? でも俺は言った。

「……ヘルメット、何か臭いんですけど。そう、例えるならアノ日のッ!!?」


 ――そのヘルメットで殴られました。

 その鈍器は無事、俺の頭に収まってます。

 

「ボギーレーダーコンタクト。敵さん高すぎるだろ……一周しないとアプローチ出来ねーじゃん、どーすんのこれ!」

 だそうです。

「オラッ! てめぇはコパイなんだよ、レーダー見ろ! マップも見ろ! 全部見ろ!! どんくせーな」

 いや、全く分からない。そもそも初対面で10秒? 無理矢理この戦闘機に乗せられたし。

 あと勝手にコパイにしないで欲しい。

「あの、計器の見方全くわかりませんので……」

「っざけんな、このドアホッ! そういうことは最初から言え」

 言う暇与えなかったじゃないか。

「たく……ほら、マニュアル送る」

 正面のディスプレイに"猿でもわかるARF-24"と表記されたアイコンが出てきたと思ったら、内容が表示され始める。

「一発で覚えろ。出来ないなら帰れ」

 どうやって?

「よかったなぁ、今ならまだ、お家に帰れるぞ? 魂だけな」

 燃えつきろということか。

「すみません、何でもしますので、捨てないでください」

「ん? 今、何でもするって言ったな!? 言質取ったぞ」


 俺は、生き残れるのか?

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