ひさしぶり
なんかやる気がなかった
奴隷商は、【小説家になろう】の世界では普通のことだ。なんなら無いほうが少ないと思う。
異世界では、中世ヨーロッパのような世界観が多い。なら奴隷商はあっても不思議ではない。
しかし、目の前に広がる奴隷の人達は何かが違うように思えた。
「お疲れさまです!助かりましたよぉ~本当」
「ホントホント!マジでどうなるかと思いましたよ!」
「突然商人から『やばくなったら散り散りに逃げて』っとか言ってきたから焦りましたよ~」
(なぜこんなにも明るいんだ・・・)
普通、それ相応の理由があり仕方なく奴隷になってしまっていると思っていた。【小説家になろう】ではそれがテンプレだと思っていた。なのになんでここにる人たちは、こんなにも“飲み会後の解散時の雑談”のようなテンションなんだ・・・
聡太は飲み会など参加したことのない年齢であるにもかかわらず、こんなことを考えていた。
「ささ、どうぞご自由にお座りください。何か必要なことがあったら言ってください」
例のマント姿の奴隷商?は、そう言いながら馬のほうへ向かった。
聡太も特に何もすることなく、空いてるところに座り、町に着くまで奴隷の人たちと会話をした。
驚くことの多さに、聡太は唖然としてしまった。
今いる国“ライニッヒ帝国”では、奴隷は役人や軍人などと同じく国からの保障している職業であり、もし自由を著しく阻害されている場合は、雇用主である奴隷主に責任が問われるらしい。
つまり奴隷はこの国では普通の職業のようだ。
そうこう話しているうちに、荷馬車は町についたようだ。大きさよくあるやつ。建物の素材などもよく見るやつ。なぜか丸く城壁に囲まれておりすぐ近くに川が流れている。テンプレだ。
「さぁ私の店につきました。奴隷の方々はここで解散です。それと・・・え~」
「聡太です」
「ソウタさんですね。少しお話したいことがあるのでこちらへ」
はっきり言って、このままついていけば誘拐でもされそうな言葉だが、雰囲気的にはお菓子とかくれる近所のおばさんのようだ。このままイベントを進めば定番の奴隷子が仲間になるはずだ。
聡太は何の警戒もせず奴隷商についていき、おそらく客間と思わしき部屋についた。そして奴隷商にソファに座るように促され二人は席についた。
「まず自己紹介からですね。私は”エメル”と言います。この通り奴隷商をしています」
どうやら苗字はないようだ。さっきはマント姿であまりよく見えてなかったが、30代ほどの若さにみえる。若いのになかなか立派なお店を持っているなぁ。
聡太も軽く自己紹介し、早速エメルは本題を切り出した。
「助けていただいてあれですが、実はソウタさんにある奴隷を一人雇ってほしいのです」
「何故突然”そのようなこと”を?」
「実は・・・」
その時、唐突にソウタの後ろのドアが開かれた。振り返るとそこには、箒を片手に持った雄々しい小さな女の子が立っていた。
「おい店長。いつまで頼まれた倉庫の掃除をやり続ければいいんだ。このままやり続けろと言うなら労基に訴えるぞ」
「・・・”ラティさん”・・・。掃除がある程度終わったら休憩してくださいと言ったと思うのですが・・・」
「”ある程度”って分かりにくいんよ。やってもやっても終わりがどの程度なのかわからないんよ。まるで某ブロックゲームの洞窟探索みたいにな。まぁ私は見つけた洞窟は行きたくないからとりあえず入口をしめちゃうけどね。結局石炭足らなくなって行くことにはなるんだけど・・・あっお客さん?」
「・・・ソウタさん、この子を雇ってほしいのです・・・」
「いやーずいぶん元気ですねこの子!では僕この後用事があるので・・・」
「お願いします!この子仕事はできるのに、口が減らず、雇用先がいつもつかないのです」
店を出ようとすると、エメルに足を組み付かれた。
「だからと言って、恩人に厄介払いさせるのはどういうことです!普通、奴隷子は物静かで優しくて少なからずダイヤを探すゲームの話なんてしませんよ!」
「そういわずお願いします!突然現れた挙句、何のお礼も求めないお人よしなあなたなら雇ってくれると思ったんですよ!」
「そうだそうだ雇えよー。結構退屈だったんよ。少し汚くても許すからさ」
「ちょっと君は黙ってようか!?別に汚くないし!雑木林にいたから少し土がついただけだし!」
変なところでイキがる聡太であったが、観念し3年間の無料契約にその他サポートをつけてもらい、奴隷少女”ラティ”を仲間に取り入れた。
また暇なときに書く。別の小説の手伝いのほうがやる気出る