第1話 与えられたもの
2話目何となくかけました。どこまでつづくかw
―――時は人々の入れ替わり。人は生まれれば死を迎える。当然の如く、人がたくさん誕生するならば、人はたくさんの死を迎える。
―――同時。異世界で異変が起きる。それは魔王軍の強化だった。王国は平和が続き、だらけきった中、力を貯めてきた魔王軍の屈強なる戦士達が襲ってくる。王国は急ぎ兵を出すものの歯が立たなかった。
結果。国は滅びた。残ったものは最果ての小さな村一つだった――――。
正義と悪、力が互角であったからこそ均衡が保てていたのだ。
―――ならば互角にすれば良い。
動き出したのは異世界の神『ガイヤ』だった。ガイヤは他界の神に声をかけ、ある世界の神と一緒に7人の転生者を送り出した。その際、転生者には個々に強き力か武器を与えられた。
1に魔剣 ダイダラン
2に魔斧 バルガッシュ
3に魔杖 クリフ
4に魔盾 ザグラ
5に強大な治癒力
6に強大な指揮能力
7に強大な―――――――。
7は明かされていない。全てを持つ者とも呼ばれているが、何もを持たぬ者とも呼ばれている。
――――現に、この7人は世界を救った。国土が戻り、世界は再び平和が訪れた。7人目の転生者は国王となり、1〜6人目の転生者は国の最大兵力となったのだった――――――。
「これがこの世界の歴史だ。」
「は…はぁ…?」
何故かマコトは椅子に座らされ、狼男から歴史を学んでいた。
「何かわからないことはあるか?」
「いやぁ、何もかもわからないっす。」
「そうか。続ける。」
「あっ続けるんですか。」
これで両方の力は互角となった。少々王国の方が強くなったのかもしれないが、それは特に問題がなかった。問題が無いと言うのも、王国から魔王軍の方に攻め入る者がいなかったからだ。そう。いなかったからだ。
―――ガイヤは転生者を7人では止めなかったのだ。8人、9人、10人と…転生者を送り出した。当然ながら、国は屈強な兵士達で溢れかえる。その際、生まれた職業が冒険者だ。
「我らの庭を荒らし、実験動物や魔物を殺し、宝箱を奪い喜び分かち合い…終いには城下町まで攻めてくる…!最悪の職業だ!」
「あぁ。そっちの目線で見るとそうなるのね。」
スッと狼男の顔が真顔になる。
「ということで、魔王軍にも転生者を送り出してもらったのだ。」
狼男はマコトの方をポンッと叩くとにやりと笑いながら言ってくる。
「だから、それだけが納得出来んのよ。」
「期待してるぞ。君が最初で最後の魔王軍の転生者だ。」
「あのぉ…俺に拒否権は――」
「ないッ!」
「………。」
笑顔で迫力のある、脅迫に近い言葉に、マコト口出しできなかった。
■□○□■
―――集会所。ステイタスの更新や申請、依頼事や庭の手入れを受け付ける場所。
「まずはステイタスのはかるぞ。ここに手を乗せろ。」
まるで、占い師が使っていそうな青い球体を指さす狼男。
「こんなんで俺の力とか、いろいろと分かるのか。すげぇなこの世界。」
マコトが手を乗せると、球体が青く光り出す。
ビーーーーー…
音と共に、下の机から何かが出てくる。それも、見覚えのある黒い機械。
カチカチカチカチピーン、カチカチカチカチピーン…
文字が右から左へ書かれて行き、端まで行ったら段が下がり、また右端に戻ってまた書き始めるこの機械。
「うん…明らかにワープロ。古いな!」
ハイテクなのかローテクなのか微妙な世界らしい。
ブブッ…シューピン…カチッ。
出てきた紙を狼男が取る。
「よし。これがお前のステイタスだ…ってッ!?」
「あぁ職業は農民でいいよ農民で。」
「えええええええええええええええええ!?」
いきなり大声で叫ぶ狼男。それに驚くマコトと周り。
「どうした!?ロウダン!?」
周りのガヤ達が気になって、狼男のところへ向かう。
「ロウダン?狼男…ロウダン……狼男……?」
「なんじゃこりゃ!?ええええええええええ!?」
ガヤ達もその紙を見て驚いている模様。マコトは困った様子で、狼男に聞く。
「何か凄いのか?それともめちゃくちゃ酷いのか?」
ロウダンは目をカッぴらいて、マコトの肩を鷲掴みにして言う。
「マコトお前…魔力値が異常な程に…高い!」
「そんなに高―――」
パン!パパン!
店中にクラッカーの音が鳴り響く。
「我らが魔王軍は、安泰だァァアア!」
ガヤ達が騒ぎ始める。
「野郎共!転生者マコトを讃えろォ!」
「この魔力がありゃまた国も滅ぼせんじゃねェ!?」
「あのクソ野郎どもをブッ殺しに行けそうだなァ!」
「ギャハハハハハハハハ!!」
声援なのか罵声なのか…。
ワーッショイ!ワーッショイ!
「…ナニコレ………。」
とりあえず分かったこと。
俺、転生者マコトは農民にはなれなそうです。
マコトは胴上げされながらそう思ったのだった。
書いてて楽しい!
(4話止まりしそう!)