未来予想能力
6月18日
授業終わっても、先生達は忙しい。
テストの採点、会議、研修、レポート、部活動、その他いろいろ雑務があるのだ。
雑務をこなしていると、1年の担任の前田先生から、下校時に、ゆうたが、1年生を池に落としたと、
報告が入る。
幸い、公園の噴水のような池で、水深20cmくらいのものだから、
濡れただけで、怪我はなかったらしい。
翌日、ゆうたのお母さんにも来てもらって、話をする。
今回は怪我がなかったが、池に落とすという行為は、下手をすれば、怪我したり、おぼれたりする危険な行為だからだ。
もー、ガチン!と叱る!!
「ゆうた、なんで、1年生を池に落としたんだ?」
「だって、池のふちをあるいてたから。」
うん?
ダチョウ倶楽部じゃないから、池のふちにいても押してはいけない。面白そうでも、押してはいけない。
池に落とすという行為は、下手をすれば、怪我したり、おぼれたりする危ない行為だと、雷を落とす。
怪我したり、死んだりしたら、ごめんなさいしても、済まないんだぞ。
一緒に、池に落ちた1年生のお宅にお詫びに向かう。
おかあさんも、米つきバッタのように、「すみません!すみません!」と頭を下げる。
ゆうたも「もう、しません!」と、大泣きだ。
だが、俺は知っている、しばらく立てば、また、違う何かをやらかすだろうなあと。
長年の経験で、ちびっこの耳は、ちくわだと知っている。
たぶん、100回くらい同じことを言わないと、脳に定着しないのだ。
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学校に帰ると、まさきが友達に、怪我をさせたと、連絡が入る。
校庭であそんでいて、そこにあった石を投げ、そばにいた友達にクリーンヒットしたらしい。
幸い大きなけがでなくこぶはできただけで、すんだようだ。
理由を聞くと、「大きな石があったから、投げてみた。」だ。
お前達は、そこに山があるから、登ってみた登山家かー!!!
小学生男子は、今を生きている。
言い換えよう今しか見ていない。
友達を池に落とすと危ない、石を投げると、危ないという未来予想能力がつくのは、
いつなのだろうと、子羊の管理者である私は、遠い目をするのであった。
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これを中学教師をやっている友達に愚痴ったら、
「いやいや、中学生も一緒よ~。海で泳いでる友達に、なんでか岸壁においてあった斧投げたヤツがいて、
俺、こないだ、説経したもん。」と、
「もちろん、理由は、斧投げたら、受けるかなあと思ってだ。怪我しなかったからよかったけど、な。」
中学生でも、まだだったよ .......。