トイレ問題
4月18日
俺は、小学校の教師をしている。
皆さんは知らないだろうが、小学校の教師というのは、
ちょろちょろした動物の飼育係のような感じだ。
ちびっこの雑用係だ。
羊飼いのペーターのような仕事だ。
もちろん、羊は、小学生のちびっこ達だ。
「せんせー、ゆうたくんが、トイレにオアシス流しました。」
オアシスというのは、花をアレンジするときに、土台に使うスポンジのようなやつだ。
入学式で余った花を、教室に飾っといた俺がばかだったよ。
あ~あ、みごとに、トイレ詰まってます。
あーあー、朝から、ゴム手袋で、トイレからオアシス回収だ。
テンション だだ下がりです。
「ゆうた、なんで、トイレにオアシス流した?」
「え?、ながれるかなあって、思って。」
うんうん。探究心って大事だよねえ。でも、どうみてもオアシス流れないよねえ?
先生、おまえに、探究心より、結果予想能力を高めてほしいなあ。
「トイレにオアシスは、流れません。トイレットペーパー以外、流しちゃだめだ」
「せんせー、うんこは?」
言うと、思った。ゆうたは、期待を裏切らないおとこだ。
「言い直す、トイレットペーパーとうんこと、しっこ以外は流すな。」
「だいたい、おまえは、先週も、トイレのドアを壊しただろう?
学校のものを壊しちゃいかんぞ!」
ゆうた、トイレを破壊する情熱を学問にむけような。
とりあえず、お前のおかあさんに注意してもらうよう連絡帳に書いとくからな。
ゆうたは、「もうしません。」と泣きながらあやまった。