リスカ自慢のオトメ
いつもリスカ自慢をしてくるオトメ。
私がいつも本気でやめなって言ってくるのがウザイみたいで、最近全然絡んでない。
ラインも同じグループ抜けたし。もう距離置きたかった。
だけど、たまに気になるからツイッターとかブログとか覗く。
そうしたら、リスカの写メをアップして、同じ仲間たちと「リスカオフ」とかやって楽しんでるみたい。
くだらない。本当にくだらない。
そのカラオケ屋さんも迷惑だろうな。各地から集まった頭の悪いブスが四人、アニソン歌いながらせーのでズバッと切るんだって。
気持ち悪いを通り越して、本気で早く死ねば良いと思う。
早く死なないかなって思って見てるのに、全然死ぬ気配がない。
もう死にたいとか言い出してリスカにハマって二年じゃん。ばーか。早く死ねよ。
本当は心配している……なんて言っても嘘だな。心配はしていない。どちらかと言うと、この感情は嫉妬に近いのかもしれない。
結局のところ、あの子は自分だけが世界で一番可哀想な振りをして、何もかも家族やイジメのせいにして、「リスカ」っていう「枠」にハマっていられる。
それって良くある話で、ありきたりな世界で、ギャルの子たちがギャルっぽい格好してギャルっぽくやってるのと何も変わらない。
それのどこが苦しいの?
オトメはみんなに可哀想って言われて喜んでるけど、そんなところで甘えていられるほど、私は他人を、自分を信用していない。
そんなの、楽だなって思うよ。
本当に死にたい気持ちなんて、言葉に出来ない。
パパもママも嫌いだよ、だけど大好きだよ。
ちゃんとしなきゃって思うよ、だけど何にもしたくないよ。
悪そうな子たちにも憧れるよ、だけど軽蔑しているよ。
真面目な子なんて言われたくないよ、だけど誰も傷つけたくないんだよ。
なんの「枠」にもハマれない苦しみ、オトメには分からないでしょ?
死んじゃえって思うんだ。
くだらない遊びにハマって、楽しんじゃってるアンタなんか死んじゃえって。
そしてこっちにおいで。
こっち。
こっち。
アナタの憧れる本当の地獄って、こっちだよ。
心が血の涙を流すの。
トモダチなんていないの。
毎日が息苦しいの。
だけどね、笑うの、普通に見えるように、ただ、笑うの。
オトメ、おいで。
一緒に行こうよ、寂しいよ。