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天に花の如く舞い  作者: ひよこ
三月の約束
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生きている、生きて行く

琥珀やシッカはどう思っているのだろう?

今日また不意に前世の記憶が琥珀の中で蘇ったわけだが、それらについて深く話したことはない。

意図的に避けているようでそうではなく、今までと何かが変わったかと言われれば何も変わってはいないと思う。

あれ以来悪い夢は見なくなった。

変わりに暗い闇の中でじっとしている感覚に襲われるのだが、突然眩い光が射しこんで終わる。

日々その夢が変化し、最近は光に導かれる方向へ歩き出して、そこで目が覚めるのだ。

心の準備が出来ないまま、急に扉が開いて中に入ってしまったような戸惑い。

或は、まだ開いていない扉のノブに恐る恐る手をかけたような感じだろうか?

安定した地をまるで崖を這うように進むバランスの悪さを、心の中に仕舞い込んだまま時が過ぎる。

けれど、焦燥感は全くない。

               

むしろ、もっとじっくりこの状態の自分に向き合っていたいような気がするのだ。

9月になれば琥珀は東京に戻ると言った。

けれど自分はもう少しここにいて、翔子達親子の軌跡をたどってみたいと思った。

無論、火事で焼けた家は跡形もなくなっているが、秋葉神社の近くに行くと感じるあの懐かしさを、もっと自分の胸に刻み込んでいたいのだ。

それは自分自身が思うのか?

自分の中の他人が思うのか?

そう自問自答する一方で、どちらでもいいのだと考えてもいる。

大学に戻るかどうかはまだ決められない。

けれど創作と言うものはどこにいても出来るものだと信じている。

あの夏休み第一日目のワクワクした気持ちを、もう一度心から感じてみたい。

人生は楽しいものだと思いたい。

生きている、そして生きて行く。

その積み重ねの上に何を得て、何を失うにしても決して後悔をしないように。

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