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天に花の如く舞い  作者: ひよこ
三月の約束
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夢の続き

湧泉音やシッカには黙っているが、火事で焼け死んだ子供の生まれ変わりかもしれないと考え出して以来、夢の続きを見るようになった。

自分は5歳位の男の子で猛烈な炎と煙が迫りくる中、必死になって倒れている母親を起こそうとし、側に居る赤ん坊を抱きかかえて叫んでいる。

子供の頃から見る嫌な夢の続きは、ボンヤリとした中でも生きようともがいて母親達を救おうとする、少年の切実な気持ちが手に取る様に解った。

数日間そこで夢は終わり、泣きながら目覚める朝。

何度目かの繰り返しの中もう駄目だと思ったその瞬間、身体がすっと軽くなり気が付いたら空を飛んでいるのだ。

無論、自力で飛んでいる訳ではなく大きな羽に抱えられるようにして飛んでいるのを感じる。

その空は、シッカの絵の中のようでもあり、二段ベッドに貼った写真のようでもあり、湧泉音が呼ばれると言ったあの空でもあった。

これは俺の願望が現れているのかもな。

          

自分の中に見知らぬもう1人の少年がいる。

        

それは少し居心地の悪いソファに座っているような、妙に落ち着かない気分にさせたが、決して不快な感情では無かった。

秋葉神社で湧泉音とシッカを前に、真実を知った時、後戻りできなくなるのでは?とおののく自分もいたが、今はむしろ淡々と受け止めていると言った方がいいのかもしれない。

案外と大したことないのかもな……。

それが正直な気持ちだった。

もし自分がその不幸な少年の生まれ変わりだとしても、自分の生き方を変えるつもりはない。

むしろ2人分の人生と言うものを思い切り生き抜いていこうとさえ思うのだ。

今までと何も変わらない。俺は俺だ。

ただ言えるのは、これまで以上に責任を持って生きて行かなければならないことだろう。

誰のせいでもない、自分が選んだ道を行く以上喜びも苦しみもそして哀しみも、1人で引き受けなければならない。

但し、時折自分の中の少年には問いかけるに違いない。

   

この人生で良かったか?と。

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