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天に花の如く舞い  作者: ひよこ
ヘカテの翼
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偶然の必然

「見えざる手って、サインってこと?」

          

「うんまあな。それが俺にとってはシンクロニシティってやつなんだけどな」

「………しん……くろ?………」

「ああ、オリンピックとかで、ほら、水泳のやつ?2人とか団体で泳ぐの・・・あれ?」

「シッカも考えることは一緒か、まあそう言うことでもあるな。意味のある偶然の一致ってやつだから」

「意味のある?偶然?」

「……一致?…」

「偶然の必然ってよく言うだろ?物事が起こるには必ず理由があるって……宇宙の法則だっけ?何故起きたか?その理由を探すことが大事なんじゃね?」

「それは…いいことも悪いこともってこと?」

「ああ多分両方だと思う。いいことばっかに意識を向けて悪いことは見て見ぬふりなんて、そんな都合のいいようには世の中出来てないんだろうしな」

「物事に意味なんてない!って人もいるんじゃないかな?ほらよく言う自分探しは無駄だって言うのと同じで」

          

「そう思う奴はそれでいいんじゃねえの?俺はやっぱり生まれて来た意味を知りたいし。何のために音楽やってんだろう?って常に考えて、がんじがらめになっちまったこともあったけどな。自己表現って……この言葉は好きじゃないけど、その唯一の方法が俺にとっては音楽だから」

「それが青春って言うんだって、サッチン先輩が言ってた。大人になったらそんなことすら忘れて生きてるって」

「あの人がそう言ったのか?」

「うん。でも先輩だって初めからそんなんじゃないって。私達の年頃にはあがいて、もがいて必死になって自分が生きる意味を探してたって。大人になってどこかで諦めがついたとも言ってた」

「それはあの人が、いや、草加女史が若い時やるだけやったからそう言えるのかもしれないぜ?」

「そうだろうね。ある程度の年齢になったら想いを手放すことが出来たって言ってたもん。諦めとか開き直りともまた違うって。ただ、先輩も生まれて来た意味なんか探してどうするの?って聞かれたことがあったらしいよ」

「へえ。で女史は何て答えたって?」

            

「そんなもの死ぬまで解らないと思うって」

         

「そう答えたのか?」

「だって、笑ってた。解らなくても考えて生きるのとそうじゃないのとでは充実度が違うんだって。ただ生きてそこに在るってことが大切に思える様になったともね」

「ただ生きてそこに在るか……禅問答みたいだな?いや哲学的ってのか?」

「自己表現って言葉も今ならバカみたいに思えるって」

「左様ですか。まあそうだよな、音楽やってる時やバイク乗ってる時は、そんなこと一々考えないしな」

「青春の特権ってヤツだからせいぜい苦しめ!っていわれたよ」

「ああ女史の言いそうなセリフだぜ」

「ちょっと、さっきから女史、女史って嫌味なんだから」

「嫌味じゃないって、尊敬の念を込めて言ってんだぜ」

「どうだか」

「ああ言うどんと構えてる人もそんな時代があったのかって、ちょっと不思議なんだよ。じゃあ俺らもあれくらいの齢になったら何にも悩んでないみたいに振舞えるのかな?って」

         

「琥珀は無理なんじゃない?年取っても変わらずガツガツしてると思うな」

「何だよ。そのガツガツってのは?」

「生きることに貪欲って意味よ」

「それは生命力があるってことだな。よしよし」

「それにしても、何なんだろうね?ゆねも琥珀も同じような光景に覚えがあるって……」

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