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天に花の如く舞い  作者: ひよこ
忘却の河
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マロザラシ

「それって、ある意味オカルトだよな」

「情緒のない言い方だね!半分は日本人でしょ?」

                                                        

私達は波打ち際を歩いた 色とりどりの出店と行きかう多くの人々。

やがて、盆踊りに続いて花火大会が行われ、夜空に夏の終わりを告げる大輪の花々が咲く。

その時だけは、仕事を請け負っている者の特権で物凄く近くから花火を見ることが出来るのだけれど、あまりにも真上の花火と言うものは、首が痛くなるものだと2人に話していた時だった。

「……何か…いる!」

最初に気が付いたのは湧泉音だった。白くて小さくて丸いものが砂の上に横たわっている。

そして、それは微かに動いているのだ。波のせいではない。

「アザラシ??」

慌てて駆け寄った私達は、一斉に声を上げた。

「…いや…ねこ?」

「猫?本当だ。行き倒れの猫だ」

そっと抱え上げると弱弱しい目が真っ直ぐこちらを見つめている。

「生きてる!はっ!すげっえ!今度は命を拾ったぜ!」

「この前死んだ子猫の生まれ変わりかもね?」

「……生まれ…変わり…?」

                               

「あいつらお人好しそうだから、もう一回生まれ変わって会いに行けって、神様がチャンスをくれたのかもな。よしよし、お前運の強い奴だな」

そう言って、2人は再び首にかけてあるタオルで子猫を包んだ。

「…汗…くさい…ごめん…」

「ほれほれ、新しい家に帰ろうな」

目の前の命は今、確かに2人の手の中にあった。

左右の瞳の色が違う、オッドアイ。

しかも、額にはまるで眉毛を掻いた様に黒い毛が生えている。

まろ眉のあざらし猫。

その子はいつしか<まろざらし>と呼ばれ会社の机やパソコンを遊具に、椅子をベッドにして育ち、社員のランチタイムを恐怖に陥れ挙句、カップラーメンが大好物と言う<もよこ>と並ぶ変な生き物になってしまったのだ。

「まろざらしお前、本当に面白い顔してるな。死んだあの子猫とは似ても似つかねえけど、本当に生まれ変わりかよ?」

「…そう…信じ…たい」

「そうよね。その方が何となく救われる気がするもん」

                           

「だとしたら、前世の記憶とか…あるのかな?生まれて数か月で車に撥ねられて死んだなんて、そんな痛い記憶、俺なら絶対いらねえな」

「…忘却の…河…」

「忘却の河??」

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