八月三十一日
中村農場で卵丼を食べようとしたら定休日だったので清里の清泉寮に行ってソフトクリームとかミルクスープとかフランクとかプリンとか食べてきた。三人で出かけるのは本当に珍しいからなるべく起きていてたくさん話をしようと思ったんだけど車に揺られていると眠くなって結構道すがらうとうとしていた。安心しちゃうのかな。清泉寮でミルク餅と大吟醸カステラをお土産にする。父は最後まで卵丼のことを憂いていた。
帰り御殿場で甲州のB級グルメ一位になったという甘辛い鶏モツ煮を食べた。赤みそと山椒が効いて甘辛い濃い味付けがおいしかった。きんかんという鶏の体の中でこれから卵になる予定の未卵も入っていた。考えてみると結構酷い食べ物だけどおいしかった。また時間ができたら今度は鹿のカレーを食べに行こうと言われた。なんだか懐かしい話もたくさんしたけど覚えていないことも多い。家族って空気みたいなものなんだと思う。もうちょっとちゃんと覚えていたい。時間が、手の指の間から砂がこぼれていくみたいにどんどんなくなっていく。かき集めようとしても脚の下には水が流れていて、同じ砂は二度と帰ってこない。
夜は狭山インターで武蔵のうどんと半熟玉子のてんぷらを食べた。肉やマイタケや葱の入ったしょうゆ味の濃いアツアツのおつゆに氷で締めたしこしこのうどんをつけて食べる。ドライブ中ってつい甘いものばかり食べるからとてもおいしかった。
七時くらいには家について、いま部屋でこれを書いている。やっぱり家につくと自分の部屋に帰ってしまうし、無理して近くにいてもなんか変な感じがする。なんなんだろうこれ。くっついてたいのに。不思議。