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0P爆死作品

モテたかったから「ごめんなさいニャン」とか言って、痛い黒歴史作ってたら、ヤベー男の子に執着されてしまった

作者: 金銅才狸
掲載日:2026/06/20



 私は口が悪く男勝りな女。

 子供の頃から男の子と喧嘩をしていたよ。

 そのせいで今までロクにモテたことがない


 それで良いと思っている。

 思っていた。

 最近までは……


「ホホホ。聞いてください。喧嘩っ早い音無さん」

「ねぇ。その『喧嘩っ早い音無さん』っての、いい加減やめてくれないかな?」

「アラアラ。音無さんなんて、おとなしそうな名前の癖に、喧嘩が好きな貴方に問題があるのでは無くて?」

「問題が有るのか無いのかハッキリしろよ。それとそのエセ貴族みたいな言葉遣いは、どぉしたオマエ」

 

 私の数少ない友人(お転婆娘)が急に貴族みたいな口調になっていた。

 実際彼女は貴族だけれども。

 前に会った時は、私同様、男みたいな言葉遣いしていたクセに。

 

 何だコイツ?

 急におしとやかさを演出して……

 急に女らしくっなったと言うか

 頭を打ったのだろうか?

 それとも洗脳デモされたのかな?


 彼女は元々は私と同じく男の子顔負けの乱暴者だ。

 私達二人で男の子達を泣かせていたのに。

 彼女は言葉も乱暴極まる。

 私の親友の彼女は自分の事を『俺』と言う、お転婆娘だったはずだが……


「実はワタクシ、彼氏が出来ましたの」

「え……オマエ、に? 彼氏? 男?」

「そうですのよ。ちょ〜と、おしとやかに可愛らしく振る舞って、語尾に『ニャン』とかつけて喋ってたら男なんてイチコロでした」

「……」


 信じられない。

 蒼天の霹靂だった。


(マジカ? 何だそれは? オマエ右ストレートで男殴って『男なんてイチコロじゃ〜』とか、つい最近まで言ってたのに)


(うん。

 でも、まぁわかった。

 つまりコイツ、男が出来て、おしとやかな化けの皮をかぶったと……)

 そういう訳か?


「よ〜し。わかった。オマエの彼氏にオマエの正体をバラしに行こう』

「ちょちょ、ちょっと待ってくださる音無さん。やめてください。どうしてそんな事を?」

「だってムカツクじゃん」


 親友に彼氏が出来て、自分に彼氏がいないとムカツク。

 コレは世界の真理だと思う。


「アラアラ。荒々しい音無さん。嫉妬……ですか?」


 勝ち誇ったかのような親友の態度。

 私はその態度に気圧けおされる。


「な! 私が嫉妬なんかする訳ね〜」

「ホホホ。良いですか音無さん。女は化けの皮をかぶって美しくなる生き物です」

「あ?」


(何を言っているのだろうか? コイツ彼氏出来て、やっぱ頭が狂ったのかなぁ?)


 数日前まで、お転婆娘だった親友がドヤ顔でマウントをとってくる。


「私の恋路を邪魔する暇があるのなら。アナタも化けの皮を2、3枚かぶって彼氏をお作りになってはいかがですか? オホホほほ」

「その口調やめろ。鳥肌たつわ」


 真面目に急に親友の口調が変わるのは違和感がキツくて……


「私達は貴族の娘。しかし貴族の男と結婚出来無ければ、平民に落ちるのですよ」

「それは私も知ってるけど」

「私は、そんなの嫌! 貴族でいたい」


 平民になるのは嫌だ!

 とキッパリと言い切る親友。


 貴族の家に産まれた貴族は、それだけで永遠に貴族でいられるわけではない。


 産まれた家の貴族位を相続するか、貴族と結婚しなければ貴族の位を失ってしまう。

 そんなのは……


「私だって嫌だってば」

「ならば、音無さんも貴族の男を、だまくらかしてでも貴族と結婚すべきじゃなくて?」


(確かに、そのとおりだ)

 内心で親友の言葉に納得。


 私達も、そろそろ子供を卒業する。

 貴族の子供は早いうちに、婚約者や恋人の一人や二人いても、おかしくない。

 むしろいないほうが少数派かも……


 しかし……私と、目の前の親友は喧嘩ばかりしていて素行が悪かった。


 貴族の男の子とも良く喧嘩していた。

 私達は評判がよろしく無い。

 だから彼氏も婚約者もいない。

 

 なのに!

 親友に抜け駆けされた。

 それがショックで、私は焦っていたのだと思う。


 後から考えると、とても馬鹿な事をした。

 私は親友の言葉を真に受けた。

 私はその日から化けの皮をかぶる事にした。


 そして親友の勧めにしたがった。

 『ごめんなさいニャン』

 とか男の子の前では『ニャンニャン』あざとく言ってみた。


 親友は男の子を騙して自分に惚れさせた。


(親友に出来た事ならば、私にだって出来るはず)


 私は簡単に考えてたんだ。

 だから親友のアドバイスに従った。

 チトおしとやかなフリをする。


 それと同時に、語尾にニャンとつけてニャンニャン言ってみた。


 そしたらモテた。

 ヤベー奴にモテた。


 確かにモテた。

 私は気の迷いで一時的に『ニャンニャン』言ってただけのヤベー奴だった。


 しかし……そんな私に引き寄せられたのは、日常的に『ゴザルゴザル』言ってるヤベー男の子だった。

 ヤベー奴にモテた。

 

 類は友を呼ぶ。

 私は親友のアドバイスに従った。

 その効果はあった。


 しかし……親友のアドバイスに従う前に、親友の彼氏を確認するべきだった。

 私はその努力を怠っていた。

 

 親友の彼氏もヤベー奴だったに違いない。

 そうじゃ無いと不公平だ。

 そうじゃなきゃ『ゴザルゴザル』言う妙な男の子に執着された私が可愛そうだ。


 私は『ゴザルゴザル』言う、長髪太っちょの男の子。

 ゴザル君に執着される事になった。



 一時的に『ニャンニャン』言ってた私にゴザル君は言う。


「ネコ耳と尻尾を付ければ完璧でゴザル」

「いや、ちょ〜〜。やめなさい」


 ゴザル君は『ゴザルゴザル』と言いながら、手に持った猫耳つきのカチューシャ? 

 猫耳ヘアバンド?

 を私に装着させようとする。

 

 そんな物をどこから持ってきた?

 そんな物を持ってる太っちょ男の子。

 乱暴な感じでは無い。

 どちらかと言うと優しそうな男の子。

 ゴザル君。

 本名は知らない。

 が……


「大丈夫でゴザル」


 と言いながら

 猫耳カチューシャを、私に装備させようとする。


「大丈夫じゃ無い」

「チャントと、この【猫耳カチューシャ】も【尻尾ベルト】も綺麗に洗濯済みでゴザル。清潔でゴザルよ。安心でゴザル」

「そういう問題じゃね〜〜〜」


 清潔かどうか?

 私は、そんな心配はしていない。

 それをつけたら人前で猫耳つけたヤベー私が誕生してしまう事を心配しているのに。


 ゴザル君は心配するポイントがズレている

 私がニャンニャン言ってたせいで、私にしきりに猫耳をつけようとする。


(そんなもんつけたら、この場に猫耳と尻尾つけたヤベー獣人コスプレ女が爆誕しちまうじゃね〜か!)


 しかし……このゴザル君。

 本人が言うには……

 ゴザル君も、どこぞの貴族の息子らしい。

 将来は悪くても子爵の貴族位を継ぐことは確定してるそうな。


 つまりゴザル君と結婚すれば子爵夫人。

 私は貴族のままでいられる。

 結婚相手としては申し分無い。

 そんなゴザル君に、私は妙に気に入られてしまった。


「待つでゴザル」

「兄貴も待ってくれ〜。俺をおいてかないでくれ〜」


 逃げる私。

 私を追いかける太っちょのゴザル君と、そのゴザル君の弟。

 弟のほうは『太っちょゴザル君』よりも更に足が遅かった。

 二人が私を追いかけてくる。

 二人共、手に猫耳アイテムを持っていた。


 ゴザル君は今も将来も貴族。

 でも……いくら貴族でも……

(猫耳カチューシャ持って追いかけてくるヤベー奴と結婚とか、できるか〜!)


 私にも相手を選ぶ権利はあると思う。

 その日から私はゴザル君と、その弟に執着された。

 二人に悪意は全く無い事はわかってる。


 ただ二人共、何ていうかズレている。

 その上、私に猫耳をつけようとする。


(正直に言って迷惑なのよ。 これはもう、ハッキリ言ってやらなきゃ駄目かしら?)


 決めた!

 私は二人にビシッと言ってやる。

 もう決めた。


「ねぇ。もう、私につきまとわないでくれるかな? 貴方達の言ってる事もやってる事も意味わからない」

「何故?」

 とゴザル弟。


「急にどうしたでゴザル?」

「貴方達につきまとわれるのが迷惑なのよ」


 私はハッキリと迷惑だと伝えた。

 すると彼ら二人は目に見えて落ち込み、動揺して、目に涙を浮かべ……


「どうしてそんな事を言う?」

 とゴザル弟。


「酷いでゴザル〜」

「……」


 私に酷い酷いと抗議してくる。

(いや、猫耳持って私を追いかけ回すほうが酷いと思う)


 そう思ったが……


(ニャンニャン。馬鹿な事を言ってた私も悪いか?)

 とか考えていたんだ。

 私が考え事をして黙っていると。

 

「何故そんな非道な言葉の後に沈黙? ニャンニャン言えよコラ!」

 とゴザル君の弟がキレた。


「どうしてニャンコニャン言ってくれないでゴザルか? 酷いでゴザル。僕達は友達で同士でゴザル」

 ゴザル君は泣き出した。


 何だか二人共必死だった。


 ニャンニャン、言ってたら『ゴザルゴザル』言ってたゴザル君等に、いつの間にやら同士認定されていたのかもしれない。

 彼等は私を酷いと責める。


『ど〜して、こ〜なった?』


(酷いのは、貴方達のほうでしょ?)

 と言おうとしてた所

 完全に出鼻をくじかれた。

 

「ねぇ? 貴方達の言ってる事、意味わかんないんだけど?」

『だ〜か〜ら〜『ニャンニャン』言わないなんて酷いでゴザル」

「『つきまとわないでニャン』って言って欲しい」


 ゴザルとゴザル弟は口々におかしな要求を私に押し付ける。


(そうか! コイツラ。私が二人を拒絶した事を非難したんじゃないんだ。


 私が語尾に『ニャン』と言わなかった事にショックを受けて私を責めてる、のか?)


 思ったよりもヤベー兄弟だった。

 この二人のペースにのせられると、新たな私の黒歴史、猫耳尻尾少女私が爆誕しかねない。


「酷いでゴザル。酷いでゴザル〜。酷いでゴザル〜。猫耳つけて欲しいでござる」

「太った男が、そんな事で泣くな!」


 私が怒鳴ると。


「そんな事じゃないでゴザル。大切な事でゴザル。一大事でゴザル」


 ゴザル君はついに号泣。

 ギャン泣きし出した。

 猫耳カチューシャをつけるのが、そんなに号泣する程大切なのだろうか?


(太った男の子。ゴザル君の考える事はよくわからない)


 また男の子を泣かせてしまった。

 いつもは対等な喧嘩で殴って泣かせていたから罪悪感は無かった。


 しかし……今回は何ていうか、小動物を虐めているようで少し困ったな。

 


「そうだ。そんなに言うなら賭けをしようよ」

「賭け? でゴザルか?」

「そうよ。鬼ごっこ。私が逃げる。ゴザル君が追いかける」

「走るの苦手でゴザル」


 ゴザル君が走るの苦手なのは、太った体型を見ればわかる。

 でもそんなの知らない。


 私は、ただ何を言っても諦めない二人を、諦めさせたかっただけだ。

 だから自分に有利な賭けを選んだ。


 殴って諦めさせても良かったのだけれども、それでは元のもくあみ。

 乱暴女に戻ってしまう。

 私は女らしくなりたいの。


「もし、私を捕まえたら、猫耳でも尻尾でもつけてあげるよ」

「ホントでゴザルか! ホントでゴザルな!

やる。よっし。やる気出てきた〜」


(コイツ。ヤベー。最後語尾からゴザルが消えた。コヤツ……本気だな)


 ゴザル君が本気になったのがわかる。

 私はヤベー奴を本気にさせた。


(少しヤバイかな?)


 とも思ったけども……

 杞憂だった。

 鬼ごっこの結果は私の圧勝。


 少し走っただけでゴザル君は汗だくで地面に倒れた。


「よ、弱。足遅いわね貴男あなた

「あ、明日こそは捕まえるでゴザル」

「明日? 明日もやる気なの?」

「捕まえるまでやるてゴザル」


 ゴザル君の執着は半端じゃなかった。



 翌日

 本日も鬼ごっこ。

 追いかけられた。

 が……

 ゴザル弟は早くも諦めたのか、大地に寝そべって……


「俺の死をムダにするな〜。あとは兄貴にまかせた〜」


 とか言っていた。

(オマエラ兄弟そろって運動オンチだったのか?)


 それにしても運動オンチ以外は似てない兄弟だ。

 この時私は、二人が本当の兄弟だった事を知った。

 


 そこから追いかけっこがはじまった。

 ほぼ毎日、同じ時間に同じ場所。

 私達は追いかけっこをする。


 短時間追いかけっこをすれば、ゴザル君達は、それ以上私に執着しなくなった。

 鬼ごっこは全て私の勝利だったけど……

 

 毎日追いかけっこを続けていると……

 少しづつ、ゴザル君の足が速くなって来ているのがわかった。

 私の足の速さは、あんまり変わらない。


 元々太っていたゴザル君。

 ちょっと痩せた。

 それに比例するように足が早くなっている

 しかもゴザル君は男。


 悔しいがフィジカルの伸びしろは、遥かにゴザル君のほうがあるらしい。

 毎日どんどんゴザル君は成長してる。


 ある日を堺に、だんだん私は負けを覚悟しなければならなくなった。

 それくらいゴザル君は足が速くなった。

 ヤバイ。

(悔しい)


 負けるのも、負けた後に猫耳尻尾をつけた獣人猫娘になるのも嫌だったので、

 私はある日からゴザル達に会いに行かなくなった。



 てか……私にはゴザル君に、かかわる余裕が無くなってきてた。

 私は相変わらずモテなかった。


 貴族からの縁談もこない。

 貴族の婚約者も恋人もおらず、私は焦ってきた。

 本格的にこのままじゃ不味い。

 貴族に嫁げなくては、平民に転落してしまう。


(私はゴザル君達に、かかわってる場合じゃ無かったんだ)


 なので花嫁修業に、結構遠くの専門の学校へと行くことにしたのだ。


(距離が離れれば執着心の強いゴザル君達も、どうしようもあるまいよ。

 ゴザル君達とも別れられて一石二鳥)


 そんな訳で私は花嫁修業へ出かけたのだ。

 ゴザル君達には一言も何も伝えなかった。


『酷いでゴザル。酷いでゴザル〜。酷いでゴザル〜』


 そんなゴザル君の声が聞こえた気がした。





 苦労のかいがあって私の努力は実った。

 花嫁修業は正直私には、厳しかった。

 しかし……私はそれに耐えた。


 以外な事に苦手な事を努力する。

 その行為にゴザル君とのやり取りが役に立った。

 走る事が苦手だったゴザル君は、努力の末、私を走りで脅かす程足が早くなった。


(ゴザルに苦手が克服出来たのだから、私にだって苦手を克服出来るはず……)


 そして、そのとおりに私は苦手な事を次々克服していった。

 お転婆娘だった私は、一通りなんでもこなせるまでになる。

 おしとやかなふりも出来るようになった。

 淑女の化けの皮をかぶる事に成功した。


 私は4男だか5男だかの王子との見合いが決まった。

 上手くいくかどうかはわからない。

 しかし……王子と見合いが出来るくらいには、自分を磨き込んだ。

 

 見合いが上手くいかなくても、他の貴族の相手が探せるくらいには努力して努力が実った。




 見合いの日

 少し緊張しながら向かうと……

 バッチリ正装した細身の男。

 細身なのに服の上からでもわかるくらいの筋肉、いわゆる細マッチョ。


(これが見合い相手の王子か。私と喧嘩したら、どっちが強いだろう?)


 ついつい昔の癖で、同年代の男を見ると喧嘩で勝てるかどうか考えてしまう。

 考えながら礼儀正しく挨拶。


「はじめまして王子。音無と申します」


 と、化けの皮を何十にもかぶって挨拶。

(花嫁修業で鍛えに鍛えた演技力。見破られるはずも無い)


 自信を持って堂々と振る舞う私。

 そんな私に……


『また会えたでゴザルな』


 私にだけ聞こえる小声で、王子が呟いた。

 ……

 私は驚いて王子の顔を良く見る。


(ゴザル? まさか! ゴザル君?)


 私の自信満々の振る舞いは、アッサリと崩壊する。

 

 以前のゴザル君は太っちょで、長髪で、顔はあまり見えなかった。


 太っちょの男の子は好きじゃなかったから、あまり気にもしていなかった。

 でも確かにゴザル君が痩せて……髪を切れば、こうなるのか?

 

 痩せるというか、細マッチョになってら。

 コヤツどれだけ自分を鍛え込んだ?


『やっと君に追い付いたでゴザル』

「え……?」

『やっと捕まえたでゴザル』



 私にしか聞こえない程の小声で王子が私にだけゴザルゴザルと話しかける。


(ゴザル君、王子様だったの?)

 と言うか、コヤツ……まさか……

 

 ゴザル君は私以外の人前で、ゴザルとは決して言わない。

 コヤツ……

 態度を使い分けている。

 人前では完璧に王子を演じている。


 やべ〜

 コイツやべ〜。


 ゴザル君は思ったよりも用心深かった。

 人前では、馬鹿な姿を見せ無い。

 完璧にマトモな王子の演技偽装する。


 なのに私の前ではゴザルゴザルと未だに馬鹿な真似を……

 コヤツ……

 ここまで、やべ〜奴だったとは……


 私の前では馬鹿な本性しか見せなかったから、私は知らなかった。


 ゴザル君が本当に王子なら、その辺の教育も完璧で当たり前か……

 ゴザル君は言う


『あの時、君を捕まえられなかったのは悔しかった。とてもとても悔しかった。

 あの時、もっともっと自分が強ければ、君に逃げられなかったのに。


 だからこそ、あれから自分を鍛え込んだ。

 ようやく君に追いついた。

 やっと捕まえた。

 もう、放さない、でゴザル』

「!!!!!!」

 

 トンデモナイ熱量で告白された。

 私はやべ〜のに捕まった。


 因果応報と言うか、人の行動が、その後の人生に帰ってくることがある。


 だからと言って、よりによって……

 私がモテたいが為に、やっていた黒歴史の因果が、こんな形で巡って来るとは思わなかった。


 だって誰にでもモテたいと思って変な行動をする時期はあるはずだ。


 アヒル口してみたり、異性にボディタッチしたり、後から考えると恥ずかしくなる様な黒歴史は誰しもあるはずだ。


 私は黒歴史をゴザル君と共有した。

 のみならず、ゴザル君との約束をブッチして逃げた。


 私はなんの因果か、その黒歴史時期の因果が巡って、ゴザル君に捕まってしまったのだった。


 まぁ、驚いたけども……

 昔の太っていたのゴザル君ならいざ知らず、今の細マッチョなゴザル君……

 彼に……

 追いかけられて悪い気はしなかったりして


『あれから本当に努力して、やっと君を捕まえたんだ』


 優しい目をしたゴザル君に、そう言われると、逃げる気も失せちゃった。


 

 私は……

 もしも……

 ゴザル君が猫耳カチューシャと尻尾ベルトを持ち出してきても……

 いまさら抵抗は、しない事にした。



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