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近すぎて、2

我が城にて管理する馬小屋は幾つもあって、そのうちの一つの馬小屋を守る役割を、小さな犬に拝命してみた。

昼食時、移動するついでにその犬の様子を見にいくと、黒髪の騎士殿が馬の世話をしているのを見つけた。

「あなたの馬なの?」

騎士殿は最近は城の外に出るような任務は受けていないはずだ。

「いえ、馬に乗った知り合いが慌てた様子で帰ってきて、こいつを頼むとだけ言って城に入っていってしまって。かなり走ってきたようなので、馬の手入れをしてます。」

水桶にブラシを突っ込み、ジャブジャブと少し荒っぽくブラシの泥を落として、手を止める。

「姫様。そう近づくと汚れますので、一歩はなれていただけますでしょうか。」

少し困ったように眉を下げ、優しく深みのある青の瞳で真っ直ぐに私の目を見据える。

私を媚びへつらうものや、小娘として可愛がる目で見てくるものが多い中、彼は私自身を敬ってくれる。

「馬番はいないの?」

「今はいないようですね。」

世話をするのに邪魔だったのだろう。ジャケットを脱いだシャツ一枚の姿が新鮮だった。

馬の足元に身を屈め、丁寧に泥を落としていく。

「姫様。水を替えてきますので少しだけ馬を見ていただけますか。」

「ええ。」

普段から細やかに気遣ってくれるが、世話焼きなのは性分だったようだ。

馬の鼻先が私の手に触れ、思わず撫で返した。

その温もりに、そっと息を吐く。

彼の優しさに触れるたび、胸の奥が静かに波立つ。

その理由を、認める勇気はなかった。

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