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理想と現実

ダンジョンをクリアした僕、イリス、ファフニールは街から出て旅をすることになった。


僕は仲間と協力して敵を倒し、夜は仲間とお話をする。そんなことを想像していたが現実は違った。


「イリスそっちに1体行ったぞ」


「わかてる」


ファフニールとイリスは顔色を変えずモンスターも盗賊も倒していく。

相手が弱いわけではない。あの2人が強すぎるのだ。

ただ、僕も他人事ではない。


「よそ見をしたなぁー」


盗賊が僕に切りかかってくる。


僕はそれに気づいていたため攻撃をした。

威力はそこまで出ていないが、小さな火球で相手は瀕死。


僕等、戦闘と言う作業をしながら旅をしていた。


夜は夜で、イリスは街を出る前に買った本を読みファフニールは爆睡。

僕が想像していた旅とはかけ離れたものが今の現実なのだ。


しかし、僕には自分のやるべきことがある。

最初のダンジョンの攻略でファフニールからもらった魔導書を読まないといけない。


いつもなら『読破』で魔法は習得するが、この本はそうもいかない。

今になってクラスのみんなが毎日本を片手に生活していた大変さがわかった。


「ミナト」


僕が魔導書を読んでいたらイリスが話しかけてくる。


「街を出たのはいいが行く宛はあるのか?」


この旅の目的は元の世界に帰るための魔法を見つけることだ。


「あぁ、とりあえず近くの村に行って情報を集めようと思う」


この世界の情報を僕は全くわからない。

僕が知っているのはこの世界のマップと過去の歴史だけ。

今は情報を集めなければならない。


「そうか」

「私もコイツも今の世界の事は全く知らないからな」


イリスはそう言って再び読書を再開する。


僕は思った。


コイツ、異様にメガネが似合うな


スタイルのいいお姉さんがメガネを掛けて読書をする。

こんなにも似合うなんて

この絵面はとてもいい


僕がイリスを見ていると、


「どうした?」


僕がイリスを見ていたのがバレてしまった。


「いや、イリスの...」


僕が喋ろうとしたところにイリスが被せて言ってきた。


「この本が気になるのか?」

「私も気になって街に出る前に盗ってきたんだよ」


え...?盗ってきた?買ってきたんじゃなくて?


「それ盗んで来たのか?」


「そうだが...」

「だってミナトが街からすぐ出ようとするし目立たないようにって言うから買おうにも買えないし」

「何より買う硬貨がない」


そうだった。

僕はすぐ街を出ようとし、イリスにもファフニールにも目立たないようにって言ったのは僕だ。


「次から欲しいものがあったら言ってくれ」


僕はもう少し考えて行動するべきだったと後悔した。


「わかった」

「それでミナトも読むか?」


そう言われ僕はイリスの読んでいる本を見せてもらう。


なになに、題名は『隠し事』。

内容は......。


ダメでしょ。

これはただのBL本。しかもただの漫画だ。


「いやー、今はこんな『愛』もあるんだな」


イリスは感動していた。


「特にここの・・・して・・・しているとこなんてすごくリアルじゃないか」


イリスの読書姿がとても良いなんて言った僕に教えてやりたい

「あの良い読書姿は外側だけ」だと。


僕は、BL本(18禁)に夢中になっているイリスを放って置いて明日に向けて先に寝ることにした。


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