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決着

炎のドラゴンの手に7つの宝石。それは僕が倒したはずの水、風、雷、土、光、闇のドラゴンの物と一緒だった。


「こいつ、全然攻撃が入らないじゃないか」


ドラゴンは僕の攻撃に合わせて属性を変える。僕の攻撃によるダメージが全く見えない。


どうする?イリスを起こして手伝ってもらうか?


いや、それはダメだ。僕はイリスに守ってもらった。今度は僕が守らないといけない。


僕は今までと同じように攻撃をするが、ダメージがまるでみえない。


倒す方法は分かっている。だが今の僕はそれができない。

剣術と魔法の属性を変えるなど今の僕にとっては不可能に等しい。


でも、無理だと分かっていてもやらなくてはならない。

元の世界に戻るために。


僕はドラゴンの攻撃を避けながら何度も挑戦する。しかし、別の属性を使おうとすれば魔法と剣術のどちらかが使えなくなる。両方を使おうとすると同じ属性になる。


イメージしても失敗する。


どうしたらいい?

どうすれば上手くできる!?


僕は魔法と剣術を同時に使えたときのように何かヒントがあるか自分が読んだ本を思い出してみるが、手がかりは何もない。


そう考えていると攻撃が僕を襲ってくる。


僕は間一髪で避けたがドラゴンはこの隙を見逃さず、攻撃をたたみ掛けてくる。


防戦一方。


僕はドラゴンの攻撃をギリギリで防ぐことしかできない。


イリス、せめてイリス戦闘に参加してくれれば。

僕が再びそう思い、イリスの方を一瞬見た時ドラゴンの爪が僕めがけて迫ってくる。


マズイ!!!


このままだと防げない。僕はどうしようもなく目を瞑った。


しかし、いつになっても僕の体から血が吹き出してこない。当たれば致命傷なのに。


僕はそっと目をあける。


そこには1枚のバリアが張ってあった。

このバリアをだれが張ったのか人目でわかる。この色、この魔力、僕はこのバリアに今日だけでも何度も助けられた。これはイリスのバリアだ!


僕はイリスの方を見る。


イリスは弱りながらも目を空け、こちらに手を向けている。

あんなにボロボロだったイリスがそれでもなお僕を守ってくれる。


僕はイリスのためにもこのドラゴンを必ず倒さないといけない。


僕は深く深呼吸をし、イリスに一言いう。


「ありがとう」


この言葉がイリスに聞こえたのかは分からないが、イリスは少し微笑みバリアを解除した。


ドラゴンはバリアが解除された瞬間を狙って攻撃をしてくる。

僕はその攻撃をしっかりと避け、ドラゴンから距離をとった。


僕はもう一度深呼吸をし、ドラゴンに目を向ける。


「絶対に倒す!」


僕はドラゴンに向かって走った。


片手で魔法、片手で剣技。僕はしっかりとイメージをした。

そして、僕はそれに加えてもう1つ。


魔法を使っている手を炎の『赤』、剣技を使っている手を水の『青』をイメージした。

これは一度挑戦したが失敗していた。


しかし今回は成功するような気がした。


前回と今回では何が違うのか。


それはおそらく集中力の深さだろう。今は目の前のドラゴン以外は目に入らない。イリスもこの空間に関することも何一つ僕の目には映らなかった。今の僕には目の前のドラゴンとその属性の『色』そして僕が使っている剣技と魔法の『色』だけ。

僕がいるのは灰色の空間のように思えた。


僕の魔法に合わせてドラゴンが属性を変える。しかし僕の剣技は魔法の属性とは違う。


僕はすかさず、ドラゴンに剣技で攻撃をした。


ドラゴンは痛がる。攻撃が入った証拠だ。


僕は『倒せる』と確信した。


剣技と魔法のどちらかにあわせてドラゴンは属性を変えるため、僕は違う属性で攻撃をする。


ドラゴンがダメージを受けている隙に僕は光と闇の宝石を破壊した。


ドラゴンが倒れる。


チャンスだ!!


僕は攻撃を畳み掛けようとしたとき、


「まて!まて!まて!」

「スト――ップ!!!」


頭の中で声が響いた。

僕は攻撃をギリギリで止めた。


「お前さんの勝ちで良い」

「だから攻撃はもうやめてくれ」


どこからの声なのか誰の声なのか僕にはわからなかった。


「誰だ!」


あたりを見渡す。

しかし、イリス以外見当たらない。


「どこにいる!」

「でてこい!」


僕がそう怒鳴るとそれは意外なところからだった。


「下だよ下」

「お前が立っているとこの...」


僕が下を向くがそこには僕が乗って攻撃をしようとしたドラゴンしかいない。


「どこだよ!」


僕はもう一度叫ぶ。


「だから下だって」

「下?下にはドラゴンしか...」


僕は再び下を向いた。


「そのドラゴンだよ!」


そういってドラゴンは起き上がった。

僕はドラゴンから降りる。


「お、おま、お前...........」


僕は驚きを隠せなかった。


「もう戦いはやめよう痛いのはもう嫌じゃ」


ドラゴンは僕の方を向いて喋った。


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