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第十二章(2) 終わり良ければ・・・

「___アイツ、コーコンは、あちこちの村や町で『大虐殺』を行っていたんだ。」


「はぁ?!! 嘘でしょ?!!」


「俺だって信じたくなかったさ。

 でも、城下町では連日、『コーコンの指名手配書』が張り出されて、俺も一応事情聴取を受けた。

 新聞社からも追い立てられて、子供達への影響もあったんだ。」


「___もしかして、その新聞社から逃れる為にも、この村へ?」


「まぁね。」


 『関係者』『過去に関わりがあった』『容疑者をよく知る人物』

というレッテルが貼らてしまうと、すぐあちこちから偵察が入り、無関係な人間までも巻き添いになってしまう。


 コーコンによる被害が激しくなる度に、キュードゥーを見る目も厳しくなる。

『嫌がらせ』や『聞こえる陰口』も、日常茶飯事になってしまった。

 ある店では入店・買い物を断られ、大人から腫れ物扱いされる子供たち。

せっかく彼が購入した家も、ゴミを投げつけられ、挙げ句の果てには隣人から追い出された。


 そんな『暇人』たちのなかには、

「彼が大勢の子供を引き取ったのは、自身の『私利私欲』を満たす為」

 という、いかにも『言いふらしている本人の趣味嗜好むき出しのデマ』まで流れてしまう。


 それほどまで、コーコンの被害は日増しに過激になっていき、 国王でさえも、彼を見放した。

しかも彼は、兵士が国中を探し回ってもなかなか見つけられず(捕まえられず)、目撃情報を頼りに行ってみると、『既に手遅れ』


 コーコンは、ひたすら『命』を刈り続けた。

だから相手が、どれほどの大金を見せつけても、時間稼ぎにすらならず(全く意味なし)。

 かつて彼が漁っていた『若い女性』を目の前にしても、コーコンは剣を血で染め続けた。


「___アイツは、俺たちでも想像つかない程のスピードで、村や町を荒らしまわっていたんだ。

 それに、もし遭遇できたとしても、『あんな状態のコーコン』、俺でも止められるか分からない。」


「そうね、下手したら返り討ちよ。」


「アイツの意図なんて、長年一緒に旅した俺でも、最初から最後まで全然分かんないままだ。

 だからキツく詰め寄られても、とにかく「分からない」「知らない」しか言えなかった。


 でも、俺の話をちゃんと聞いてんのか、相変わらず兵士から尋問される毎日で、嫌がらせも酷くなっ 

 ていくばかり。

 そんな時だったよ、お前の住んでる村の噂を聞いたのは。


 だから俺は子供達と協力して、カミノー村へ行く準備を始めた頃だった。

 荷物とかはそんなにないし、とにかく子供たちを全員村まで辿り着けるように、体力をつけてもらお

 うと、食料品を買い漁っていた。


 そうしたら、兵士数人が俺を呼びかけてさ、「またか・・・」って面持ちで話を聞いてたんだけど、


「カミノー村から来た男が、とんでもない話をしている」


 って言われて、何で自分が呼ばれたか分からないまま、城に連れて行かれたんだ。

 そしたら、国王の前で必死に訴えかけている『男』がいたんだ。」


「その人が・・・・・ツルキーね。」


 ツルキーは、城下町に到着して早々、門番で番をしている兵士に

「国王に会わせてくれ!!! 今すぐに!!!」

 と、息が絶え絶えになりながらも、とにかく必死に詰め寄っていた。


 その門番をしていた兵士が、たまたま『かつてツルキーの部下』だった事もあり、国王に直接対面できるようになるまで(事情を説明できるようになるまで)、時間はそうかからなかった。


 ___が、ツルキーの語る内容が内容なだけに、大半の人間は信じなかった。

一部の貴族・王族からは、『頭がおかしくなった奴』と言われる始末。


 しかし、かつての(現役時代)ツルキーを知る兵士が、彼は決して軽い嘘も言えないような人柄であるのは分かっていた。

 そんな彼らの後押しもあって、『予想以上』に時間はかかってしまったものの、どうにか国王陛下の信頼を得る事に成功。


「最初は俺でも信じられなかったけど、もし事実だとしたら、この国だけじゃなくて、世界の秩序そのも

 のが崩壊するかもしれない。

 だから俺やツルキーさんを含めた援軍が、村に向かっていたんだ。」


「そこに、運悪く・・・なのか、運良く・・・なのかは分からないけど、コーコンも乱入したのね。

 ___で、キュードゥー、あんまり聞きたくもないんだけど、コーコンはどうしたの?

 彼も城の中?」


「_____こればっかりは、村の皆がお前に言えなかったのも仕方ないんだよ。

 『事故』でもあり、『正当防衛』だったとはいえ・・・・・


 ツルキーさんは、コーコンの脇腹を刺して、息の根を止めてしまったんだから・・・・・」


「っ・・・・・・・・・・・・・・・」


 ウズメは、心の中にいる自分が『喜んでいる(安心している)』のが、すごく許せなかった。


 どうしようもない状況だったのは、ウズメも分かっている。その場を目撃したのだから。

その上、彼は幾つもの村を滅ぼし、何十人・何百人もの人間を殺戮してきた、『国の重要危険人物』

 そんな人間相手に、『理屈』も『説得』も効果がないのは(意味がないのは)、試さなくても分かる。


 だが、やはり

[他に何か方法はなかったのかな・・・?]

 と、考えてしまう自分と 

[これで良かったんだよ]

 と、自分自身に言い聞かせている自分がいる。


 結局、何故コーコンは狂ってしまったのか、どうして殺戮に走ってしまったのか、その理由を本人の口から聞くことはできない。

 それでも、彼の行いは、決して許されるものではない。捕まったとしても、死によって償う他ない。

強情で他人の意思なんて見向きもしなかった彼がここまで狂ってしまうと、更生なんて夢のまた夢。


「___だからツルキーさんは、城に軟禁されているのね・・・・・



 _____あぁ、私があの時、彼よりも早く行動できていれば、こんな事には・・・」


「ウズメ、これは君だけの責任じゃいよ。というか、誰の責任でもない。


 コーコンはもう立派な大人で、自分の責任は自分で背負うべきだ。

 なのに彼は、いつまでも勇者気分が抜けなくて(自分を特別視して)、自分の功績に縋り付いた結

 果、時代の変化を受け入れられなかったんだ(新しい時代から逃げたんだ)。


 その結果としては、あまりにも最低だけど、もうこうする事でしか、アイツを止められなかった。

 実際、アイツによって回復師も殺害されてしまったんだから。同情の余地もない。」


「でも・・・・・」


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