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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

うまいものには番人が(っ)つく

キバサミと野牛

作者: カゼ ルビネ

あらすじと同じです。必ず読んでください。


この世界の人間、痛みを感じない。

筋肉質で丁寧大柄の男性の被食者と中性的なイケメン裏表激しい捕食者の女性の組み合わせ。

虫苦手な人は気をつけて。

人がボロボロになります。気をつけて。


これは異世界の話です。

こちらの現実世界とは関係ないです。


世界観説明

この世界には、2種類の人間がいる。

一部の守るものと九割九分の守られるもの。

守るものは頑丈で人を食べることで超能力を発現できるものである捕食者と呼ばれる人々。

守られるものは脆く強い再生力を持ちその身を捧げるもの被食者。



この世界は、被食者は様々な脅威(災害、モンスター害)から守ってもらうために捕食者を頂点とする世界。



ちゃんと読みましたかそれでも大丈夫な方はどうぞ読んでください。

この世界には、モンスターが存在する。

再生力のある被食者を食べて殺し、力のある捕食者さえ殺すことのできる恐ろしいものだ。

そんなものがいるなか世界が発展することができたのは、他でもない。

捕食者と被食者が協力し合っているからだ。

捕食者は被食者の血肉を食べることで特別な力や身体能力の強化をすることができる。

そうして、圧倒的な力を持つモンスターに対抗できるのだ。

強化された捕食者に守られることで被食者は、平穏な日常を送ることができる。

捕食者は強くて、被食者は弱い。

それが大体の常識なんだが、そう常識なのだが。

その常識から稀に外れる奴がいる。

ちなみにこの世界のモンスターは本気出せば全部被食者捕食者関係なく食べれられる。







「やぎゅうさん、いつもありがとうね。」

ワイの上に倒れ込んだ巨大な恐竜のようなモンスターを防護服をきた男性、やぎゅうさんがどけてくれる。

「キバサミさん、今日も、君のきったモンスターの断面図綺麗だね」

防護服をを真っ赤にしながら、モンスターの肉を運んでいた。

「ありがとう。さっき避難命令解除されたばっかりだけど、まさか避難命令中も避難区域にいたわけないわな。」

「まさか、ちゃんと避難してましたよ」

防護服越しに少し焦った様子を見せる。

「本当は?」

「警報解除の『け』の字が聞こえたあたりから、走ってきました。テンソさんに君がどこにいるかの大体の場所教えてもらって」


モンスターとの戦闘の後はいつも後片付けが待っている。

無事に後片付けが終わるまでが戦闘と言われるほど、モンスターの死骸や被害はひどい。

いつも後片付けを手伝ってくれる行政、ファンクラブやボランティアの方々には頭が上がらない。

「ところでキバサミさん、僕の体食べます?

随分とまあひどい有様ですが?」

ワイは倒したモンスターのせいで骨折している。

骨が硬いモンスターだったが、肉を切って絶命することはできたが、骨のせいで両手足が骨折したら状態になった。

とにかく歩きずらい、だるい、動けない。

「食べる」

そういうと、やぎゅうは防護服を脱ぎ、利き腕でわない左手を差し出してきた。

「お手をどうぞ」

爽やかな笑みを浮かべて差し出された左手をワイは刃物に変化させた手で切り取る。

角ばって骨は多いが赤みで脂が少なくさっぱりした味で好みだ。

「まだ、食べます?」

見るともう左手が再生していた。

普通の被食者は、丸一日再生に掛かるが野牛はとても早い。

「いいえ、本部に戻ってたくさん食べる」

「残念、もっと食べて欲しいです」

やぎゅうは眉尻を下げて残念そうな顔を見せる。

「今ここで食べ過ぎたら、避難所になってる支部でゆっくりして食べれないし、こんなところでは嫌だ」

他の人に野牛との捕食行為を見られるのは嫌だ。

食べられて喜ぶ顔を他の人に見られるのだ。

あの顔はワイだけのもんや。

それに血で他の捕食者もやってきては困る。

一応ワイのパートナーだから、手を出すアホはおらんと思うけど。

「わかりました。背負っていくので支部にゆっくり食べてください」

頬を赤めらせワイをお姫様抱っこして、瓦礫の山を飛び越えながら歩く。

やっぱり、野牛は普通の被食者やない。

初めて会った時も随分驚かされたわ。

強者だと思い込んでいたワイがモンスターに殺されるとおもったら、まさか、被食者の野牛に助けられることになったあの時。






ワイは、キバサミ。

捕食者隊モンスターハンター科のルーキーや。

捕食者に生まれてよかったわ。

モンスターにも狙われんし、更に戦うことでもてはやされる。

弱い被食者を守ることがワイらの存在意義でもある。

被食者はか弱く、ワイらが守らんと生きてけへん。

おいしい感情のある食べ物や。




モンスターハンターになって初のファンクラブボランティア。

自分のファンクラブのご飯ちゃんたちと一緒に討伐後の後片付けをするボランティアなんやけど。

「「キバサミさま、こっち向いて」」

ファンクラブの女の子たちから声をかけられた。

ワイは振り返る。

笑った目を作り、舌を口から出す。

「きゃー、キバサミさま、味見して!」

黄色い悲鳴が上がる。

「ごめんね、ご飯ちゃんたち、いまモンスターの死骸片付けている最中だから、また今度ね。ボランティアお疲れ様!」

女の子たちは寄ってきて離れようとしない。

今日で何度目や。

一人の時の方が早よ片付けられる気がする。

あーはよ食べたい、そのうるさい口と喉ごと、ワイを見てキャーキャーする暇があるんやったら、さっさとその瓦礫のけろ。

持ってるモンスターの死体が重い。

早く、置き場に持っていきたい。

ワイのことばっか見てやんと、他のファンクラブの方やボランティアや行政の方は淡々とやっとるのに。

どないしょ、過去に態度が悪かったファンクラブは、行政によって強制解体されたってこともあるし。

これは今はっきり言った方がいいんか。

それとも後で手紙で言った方がいいんか、面倒い。

安易にファンクラブ作ることに同意するんやなかった。

「そこのおねいさんたち、ここは被災地で、君たちはボランティアに来たんでしょう。真面目にやってください。」

野牛と名前が書かれた行政の白い防護服を着た男が声をかけてきた。

「キバサミさんの邪魔をしない。ちゃんとボランティアしないと、ファンクラブの特典がもらえませんよ」

そう言って、ワイと女の子の間に入ってくれた。

「ご飯ちゃんたちごめんね。ワイ忙しから、またね。ボランティア頑張って」

できた隙間を縫って、ワイはなんとかご飯ちゃんたちの群れを抜け出すことができた。


それがワイと野牛の最初の出会いである。


次の討伐後のファンクラブボランティアでは、ご飯ちゃんたちに付き纏われることなく、程よい距離を保ちながら後片付けができた。

なんなら一人の時より早よ終わった。

誰のおかげやろ。

ご飯ちゃんたちの中にいるんかな。


そう思いながら、ファンクラブと交流を深める際、会長にあったら、野牛が会長をやっていた。

まあ、ファンクラブの会長は、ファンクラブ全員の指示があれば誰でもなれるんやけど。

下手に磨けば誰より輝くご飯ちゃんが会長になるなんて、誰も気づかんかったかんか。

被災地域で野牛は業務の合間をぬって、ファンクラブの子たちにテキパキ指示出しておって、被食者にしてはやるなあと思っていた。







「ご飯ちゃんたちはよ、にげ、ここは、ワイが食い止めるから」

まさか、ファンボラ中にモンスターに襲われるとは誰が予想してた。

基本、探査系の能力を持つサポーターが検査して安全と判断されていたとこをやっていた。

けど、死んだティタノボア型の丸太のような太さのある体から人間の腕ほど太さがある寄生ワームモンスターが出てくると誰が予想した。

もっと細かく刻んでおけば。

ご飯ちゃんたちがパニックになってる。

なんとかここから逃さんと。たおさんと。

ワイだってこんなの切りたない。

そう思いながら刃物に変えた手を振り回して切っていく。

さっき栄養補給したばかりだから体力には余裕がある。

とりあえず、目につく範囲の虫は全部切った。

「ご飯ちゃんたち、怖い虫さんは全部切ったで、早よ安全な拠点に行こか。」

ご飯ちゃんたちは動く虫がいなくなったことで少し落ち着きを戻し始めた。

そうして、ティタノボアの死骸とワームの死骸から離れた。


ティタノボアの死骸に警戒しつつ、ご飯ちゃんたちを拠点に届けようとした。


首を切ったはずの死体が動き出した。

わずかに、捕食者でないと気づかんレベルと音と動きやけど。


「ご飯ちゃんたち、もうすぐ拠点だから、寄り道しやんとまっすぐいくんやで、拠点の人に報告して、昆虫型現在発生、電撃や細切れ衝撃波得意のアタッカー求む」

ワイはきた道を振り返る。

あかん、油断してしもた。

蛇の切った首の断面図から白いムカデのようなワームが出てきた。

さっきのは幼体だったのか?

ティタノボア型にしては、さっきのは細すぎると思うてたけど、これは太すぎる。

「キッシャア」

とんでもない化け物が産声を上げる。

ガラスが擦れるような不快な音だ。

速い動きで襲いかかってきた。

咄嗟に手刀を振るう。

硬い金属にあたったような衝撃が手に伝わる。

それと同時に全身が跳ね飛ばされる。

瓦礫の山にぶつかり、その衝撃で吐いてしまった。

相性最悪や。この敵。

なんとか、ご飯ちゃんたちが無事拠点に着くまで時間を稼がんと。

ご飯ちゃんたちの方に向かおうとしていたワームがこっちに向く。

「そっか、ご飯ちゃんたちの血の匂いか」

さっきまで邪魔な捕食者にしか見えやんかったようやけど、今はご飯ちゃんたちの血のおかげで美味しそうな餌に見えとんのやな。

「ご飯ちゃんたち、ありがとうね」


そうして向かってくるワームの口を避け、目に手刀を打ち込む。

やっぱり簡単に刃は通らん。


負荷に耐えきれず、腕が折れた。

腕が折れたなら足がある。


全部折れた時にやっと、両目を潰せた。

もう匂いでしか判定できないやろ。

ノロノロ動きながら虫がワームがやってくる。


動くができず被食者の血を垂らすワイが完全に餌に見えるやろ。


全身を硬くする。

これは死ぬ、食われて死ぬ。

けどただでは食べられやん。


「これでも食らえ虫が!」

被食者であるはずの野牛さんの声が聞こえた。

こんな危険なモンスターがいる場所で聞こえるはずがない。

そう思っていたのに

それと同時に鼻がひりつくような殺虫剤の匂いがする。

ワームがのたうち回る。

「キバサミさん、よかった間に合って早くここから離れましょう」

そう言って、骨折、好き傷だらけのワイを横抱きにして走る。

のたうち回りながらワイらを食べようとしてくるワームの口に火のついたダイナマイトを放り込む。そこから、大きめの瓦礫の影に入り込んだ。

大きな音共に、虫の破片が飛び散る。

「やぎゅうさん、被食者のくせにめっちゃ強いわ。」

ぼんやりする頭がつぶやく。

「そんなことより、キバサミさん、早く私を食べて」

そう言って、口にニトログリセリンの甘さがついた左手を突っ込まれた。






その後病院に入院した後教えてもらったんやけど

ワイが倒したワーム以外にも別のワームが発生していて、拠点は大混乱だった。

ワイのファンクラブは全員無事帰ってきたし、ワイのことは大丈夫やろと思われていて、他の帰ってきてないファンクラブの人たちの保護に追われていた。

そんでもって、ワイの戦闘支援は後回しになっていた。サポーターがワイが死にかけていることに気づいて、他にもアタッカー派遣しようにも足りないと喚いた。

それを聞いた野牛が行政の瓦礫清掃科扱っていたダイナマイトと害虫対策用の殺虫スプレーを持って、拠点抜け出す。

そして、虫に殺虫剤をかけて、ダイナマイトで爆砕。

ちなみに、ワイと野牛が倒したのが一番強い個体だった。

退院した後、ワイと野牛はパートナーになった。

なんや、気がついたら組まされていた。

周りから見てワイは無理しすぎなようで、野牛がストッパーになることを期待しているようだった。

野牛はいつのまにか瓦礫清掃科からハンター科に変わっていた。

まあ、いろいろ上手いパートナーを守るために今日も討伐頑張るんや。


読んでくれてありがとうございます。

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