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大丈夫かな?
夜の帳が落ち切り静かになった午前0時。とある豪邸はまだ明かりがついていた。
オレはその家の周りをぐるっと一周する。入りやすいところは3、4か所。家の内部 構造と辺りの監視カメラの視界外で安全に入れるところは一か所だけ。
そこに二人を呼ぶ。
「ここから侵入したら見つからないと思います」
「じゃ、行きますか」
「私も先に言っているよ」
そう言って二人は塀を軽々と登る。その後に続いてオレも何とか登りきる。
一番近い窓に近づき入る。
幸いここの部屋はあまり使われておらず、鍵も締まっていなかった。
あとはマスターが手に入れた警備をかいくぐって、標的の目の前までやってきた。
「それじゃ、ここからは私一人だ、見張りよろしく」
メイド姿の女性が言う。ノックして部屋に入っていく。
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部屋に入り、お辞儀をする。
「ご主人様、そろそろおやすみになったらどうですか?」
そう言って一人で酒を飲んでいた。
「そうか、もうそんな時間か」
「そうですよ、よろしければお手をお貸しいたしましょうか?」
「ああ、頼む。少し風に当たりたいから窓へ連れて行ってくれ」
はい、と言って手を取り窓へ向かう。鍵を開け窓を開させる。
縁に手をかけるとき、前に押し出す。支えがなくなった身体は前に倒れる。足をかけ、手を背中に回し少し押し出す。
宙を舞う身体は、自身の制御から離れ。重力に従い、落ちていく。
グシャア、そんな音を聞いて仕事を終えた気分だった。まだ報酬すらもらっていないのに。そうして、踵を返し部屋を出る。
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「終わったわ」
ドアが開く音とともに聞こえた声。それは人を殺し終えた。という証拠だった。
前回よりはましとはいえ、それでも人殺しの手伝いをした。という事実は、あまりいい気分にはさせてくれなかった。
「あとはマスターが現在進行形で監視カメラで撮ってある動画を編集してるから、私たちは帰るだけね」
「今回は、俺は必要だったか?」
もう一人の見張り役が言う。
「当り前じゃない、まだこいつは慣れていないから、もしもの時が来たら動けなくなってたでしょうから。必要だったわ」
暴れたりない、そんなことをつぶやきながら彼らは来た道を戻る。
オレもその後ろについていく。
今夜は冷え込むだろう。きっと、一人の体温を奪うくらいには
終わり方もっと、詩的にしたかった