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第一章 再会 参話 ファル

遅くなりました。

「私はフウリ様が好きです! け、け、けけけっこんしてくだしゃい!」


「え」


 俺は今告白されたのか? 聞き間違いか? 


「ずっとす、すすすしゅきでしゅた、だから、ここ婚約しましゅ....」


「ゆっくり話そうな?」


「は、はい.....」


 すーはーと深呼吸しているファルに不意にドキッとしてしまった。あんな小さい子供だったのに、今では俺とほぼ身長も変わらず、容姿は子供のときから綺麗だったけど、今は昔とは違う大人の綺麗さが出ている感じでそこでも成長を感じられた。


 てか、俺親かよ!


「大丈夫です」


「そうか」

 

 俺は優しく微笑んだ。すると当然ファルは俺に抱き着いてきた。


「ふぁ、ふぁる!?」


「もう、そんな笑顔を向けられたら我慢できませんよ。私リルロッテ=バンドルーフ=ファルはあなたフウリ様を好いております。この世で誰よりも好いております」


 俺は何も言うことが出来なかった。いや、戸惑っているのだろう。前に会ったときは小さな子供であったのだ。


「この気持ちは嘘偽りのないものです。あなたが大好きです、愛しています」


 こんな率直な言葉を聞いて喜ばないやつはいるのだろうか? いや、存在しないはずだ。


 だが、俺といたのは5年前のはずだ。少しばかり容姿も違ってくるし、中身も変わっているかもしれない、そんなことを思っていた。だが、その思考もファルにはお見通しであった。


「私が好いているのは5年前の自分だとかお思いでしょう? そうです、5年前のフウロ様に心を奪われました。短い期間でありましたが、かけがえのないものとなりました。」


 俺は黙ってファルの言葉を聞いた。


「ですが、今のフウリ様も好いております。どんなフウリ様であれ私はフウリ様を愛し続けます。私のこの5年間の想いはそんなもので断ち切れるほど簡単なものではありません。ですから、もう一度言います」











「私はフウリ様が好きです」










「ありがとう、こんな俺にそんな言葉を言ってくれて」


「フウリ様だからこそですよ?」


 ファルは本当はここで返事を聞きたいんだと思う。でも、


「少し時間をくれないか? 色々なことがあって整理がつかないんだ」


「そう言うと思っていました、ですが、私はいつまでも待ちます。フウリ様が好きと言ってくれるまで」


「そうか.....ありがとう」


 ファルが俺に微笑んでくれた。その笑顔はまるで宝石のような輝きを持っており、母のような暖かさすら持っていた。


「では、今日から私の家で一緒に住みましょう! そうです、それがいいです!」


 ファルはなぜか自問自答をし始め、遂には俺に抱き着いたまま、はぁはぁと言っていた。


 どうしてはぁはぁするんだ? まぁ、いっか。


「というか、この屋敷はファルの家なのか?」


「はい、正式には私の領地にある屋敷のうちの1つですけど」


「そ、そっか.....領地ね」


 状況があまり読み込めない。ファルの領地? ファルって貴族だっけ!? 


「まさか、ファルって貴族か何かか?」


「いいえ?」


 貴族じゃないだと!? じゃあ、なぜ領地を? 訳が分からない.....


「不思議なんですか? なぜ貴族じゃない私が領地を持っているか」


「俺の頭の中は丸わかりてか」


「はい」


「では、答えといきましょう」


「お、おう」


 緊張が走った。この緊張感はドラゴン退治と同じくらいの緊張感であった。











「私が勇者だからですよ?」






「え」








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