第一章 再会 プロローグ1
新しく書きました。同様に書いていきますので応援よろしくお願いします。
スキル。それは、15歳の信託のときに誰でも手に入れることが出来る能力のことである。
世界には色々なスキルが存在している。例えば、農家であるなら【農作スキル】などその職業に適したスキルが付与される。
15歳の俺ことフウリには夢があった。少年の頃には多くの子供が夢に見るであろう、勇者だ。世界に4人だけが信託されるという【勇者】というスキルが付与されたものが勇者として世界に名を轟かせる。
俺は期待を胸に教会に向かった。
しかし、俺が授かったのは最悪なものであった。
【封印】
神の声が聞こえたときに、このスキルを言われた。神曰く、このスキルはどんな相手でも封印でき、その期間は無限という規格外の能力であった。しかし、この能力は一度しか使えないらしい。
スキルがない人間は、罪人や奴隷である。罪人はスキルを没収されるためであり、奴隷は単純に教会には入れないためである。
スキルがないものがどういう扱いを受けるか、俺は知っていた。
だから、俺のこのスキルは使ってしまったら罪人や奴隷と同じ扱いになってしまうのだ。しかし、神はそのまま俺に対してお願いを続けた。
「10年以内に邪神が復活する、だからその能力で止めてほしい」と。
邪神。この世を壊すために生まれた言われている、創造神とは逆の存在。創造神とは、今俺に語り掛けている神であり、この世界を作ったと言われている神のうちの1人だ。
神に世界を救ってほしいと言われて、断ることができるやつはいるのだろうか? いや、いないだろう。しかも、俺は勇者のような勇敢であり、多くの人を助けるような人物を夢見た人間だ。俺がスキルを失うと代償に何万もの命が救われるなら、たかが俺のスキルなど安いものだ。
俺は、快く二つ返事をした。
信託をもらった最初は、最悪と思ってしまったが今は最悪何て思わない。それよりも、俺のスキルで多くの人が助けられるという嬉しさが勝っていた。
そして、俺は自宅までの帰路に着いた。15歳にしては珍しいと思うが、俺には親はいなかった。いや、死んだという方が正しいだろうか? 昔俺の住んでいる村、カロック村に多くの魔物が押し寄せたのだ。
そのときに、俺の親は俺を庇ってそのまま亡くなってしまった。俺も本当は死ぬはずだった。しかし、俺は助けられたのだ。そう、俺の憧れの存在である、勇者に。
このとき、俺は勇者に憧れた。悲しみにくれている俺を必死に励まし、ずっと慰めてくれたあの勇者を。
だから、俺も勇者にはなれなかったが、このスキルで勇者みたいに多くの命を救いたいと思う。そんな覚悟を胸にしていたとき、
「きゃぁあああ!!!!」
女性の叫び声が聞こえた。俺は全速力で声のした方へと走った。
このことが、スキルを使ってしまうことになるとは知らずに..........
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