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吸血鬼と研究録

吸血鬼と研究録




わたしは、丸1日かけて8巻全部を読み切った。「どうせ昼間は外行きたくないし」と気合を入れた結果だ。

やはり、というか、まあ、というか。あのローブの骨がジーノ・ロンドらしい。

人柄としては、マッドサイエンティストが近いか。個人的には

『クソ野郎』

または

『ド畜生』

の評価を下したい。

研究自体は大体みんなが一度は考える「不老不死」なのだが、やってることがひどすぎる。


簡単にまとめると


『魔法薬を作っては、動物実験。』ここまではまだいいと思う。


『魔物化した動物の傷の直りが早い=魔物を研究しよう。』わかる


『魔物化した動物は大体終わった。次は人間だ。』ん?


『自分でやって失敗しては研究が続けられない。』そうだね


『そうだ!近くの村とか町からさらってこよう。』は?



こんな感じだった。読んでて一人ドン引きしてたよ。


しかも『どうせなら可愛い女の子がいい。いろいろ使えるし。』とかいう理由で少女ばかりさらってたみたいだ。

ちゃんと(?)使ってたようで、容姿から「使い心地」とか、最期までしっかり「記録」してあった。ド畜生だね。

そんな「レポート」が中盤に20人分ぐらい続いてた。死ねばいいのに。

うん、いや、これがフィクションのエロ小説とかなら、まだ、わたしのストライクゾーンにも入るんだが、基本ハッピーエンド主義者としては、リアルでやるのは流石にNGだ。かわいそすぎる。


となると、牢屋の中にあるのは全部お墓作ってあげないとね。ローブのは肥料でいいでしょ。最後ぐらいなんか役に立て。



後半にもなると、流石に誘拐が厳しくなったのか、また魔物を使った実験になってた。

やれることも少なくなってきたのか、思いつかないのか、今までの改良がメインに。

似たようなことの繰り返しで、楽しく無くなってきてドン引きもしてたので、わたしは、ジーノの頭蓋骨を足で遊びながら読み進めていった。

少女に悪態つかれてガチギレするほどプライド(笑)高いみたいだから、ろりっこに足でコロコロされてるのとか屈辱的でしょ。

悔しかったら生き返ってみろ、殺してくれと叫ぶまでいたぶっちゃる。





実は、もう一つ一気読みした理由がある。

わたし自身「不老」かどうかはともかく「不死」ではあると思う。

だから「わたし」がこいつの作品じゃないかと思ったからだ。


だけど、たぶん違う。ただ、少し関係はありそうだった。



最終巻の最後の方に連れてこられた少女がいた。

記録を読むと容姿が今の自分に似ていた。ただ、髪は金髪で胸も大きくない、赤眼ではなく青色、などの違いはあったけど。


彼女が使われた実験は、同じく魔物化。成った種族は吸血鬼。


つまり、「わたし」は「彼女」だったのか?

と、思ったのだがなんか違うみたい。

研究結果を読むと吸血鬼に成った後、狂ったように奇声を上げていたそうだが、5日目ぐらいにいきなり静かになって、何の反応もしなくなったらしい。

そして、2週間後ぐらいに跡形もなく消えていた。そうだ。

消えた理由はわからないみたいだったが、反応しなくなった理由として

「吸血鬼と化した体に魂がついて行けず、魂だけが死に、体は生き残れたのではないか」と書かれていた。

この結果を、半分成功、とした上で、自分の魂を上手く調節して残った体に入れれば今度こそ成功ではないだろうか?。と締めくくられていた。ホントにクソだなこいつ。

頭蓋骨を遊びながら読んでいたわたしは、このあたりから頭蓋骨へのあたりが強くなっていていた。目の部分に親指を入れて、振り回したり、眼窩ぶち抜いてやったり、上顎の歯を全部へし折ったり。



どんどんボロボロになっていく頭蓋骨ゴミをゴミを見るような目で見ながら読んでいたわたしは、最後にこの屋敷に起こったことを知る。


焼き討ちだった。


まあ、途中からそうだろうな、とは思っていたよ。

階段下の入り口も見つからないように。ではなく、予想外に埋まってしまって、出れなくなった。が正解らしい。ざまぁ


自分を捕まえに来た連中を、愚民、呼ばわりした挙句、死してなお呪ってやる。などと、怒りに任せて書き連ねてあるのだが、正直、残念でもないし、当然の報いだと思うし、死してなお呪ってやりたいのは、誘拐された彼女たちの方だろうに。

ちなみに、この時点でまだ3人ほど少女たちが生きてたらしく、罵倒されることにキレてるみたいだが、実験記録を見る限りこいつより長く生き残れてた可能性がある。

牢屋前で死んでたし、さんざん罵倒されながら理解も同情もされずに死んでてほしいな。



そして、消えた「彼女の体」だけど、消えた、んじゃなくて、霧になった、が正解だと思う。

吸血鬼なわたしの血が煙を上げてたように、吸血鬼な彼女の体も煙のようになったんだろう。

それで、どこにも行けず、このあたりを漂っていて、偶然、波長かなにかが合った魂がやってきたのか、誰かがわざわざ入れてくれたのか、復活して、


それが「わたし」だったんだろうな。


もう真実はわからないし、わかることもないだろうけど。

なんだか、それが正解な気がした。





足で遊ばれてた彼が、今後生きて出てくることは今のとこないです。

あっても(また)すぐ死ぬと思います。

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