ようこそ異世界へ
とあるTwitter上でのやり取りで書き始めました
ようこそ、異世界?へ
目が覚めると、そこには青空があった。
周りを見てみれば、苔むした石壁のようなものに囲まれている。
「いや、どこだここ」 どこだよ
というより
「あーあー」 ・・・なんか声が可愛くなってる
視線を下げてみれば、 胸があった。しかもなんかデカいし
「いやいや、ちょっと待て。元々私は・・・」
なんだった?
・・・人間ではあったようにおもう。
この体に(というか胸に)違和感があるから男?
そんな感じがするし、違う気もする。
それに感じる空気が記憶と違う。感覚が元の世界ではないと感じている。
この時点で私には過去があり、ここが異世界である。ということになるのだが・・・
「どうでもいいか・・・」
どうでもよかった。というより私の中からやる気が出てこない。
あの、さんさんと輝く太陽がうっとおしい。というか痛い、目に刺さってくる。
・・・人間ですらない何かにでもなったか?
「太陽を嫌がる種族は何があったかな?」
日陰に逃げながら動かない頭で考える
人型で、太陽が嫌で・・・
「吸血鬼かぁ・・・」
口の中にある鋭い犬歯を感じ、十中八九正解であろう種族を言いながら、私は
「・・・Zzzz」
夜まで寝ることにした。こんな昼間からやる気なんか出ないので。
「きれいな夕焼けだねぇ」
あれから2,3回、日差しに起こされながら夕方まで何事もなく寝ることに成功した。
うん。何もなかった。こんな森の中の廃墟の中なのに、野生動物も野盗もいなかった。もしかして森の奥深くなのか?
「それとも、ガチでヤバいところか」
嫌なこと考えてても仕方がないし廃墟探索しておこう。
何かいても嫌だし、落ち着いて現状把握もできないし。
開始3分、敵とエンカウントした。
「・・・・・・・」
熊・・・らしき、魔物?
多分、魔物だろう。体に光る線あるし。目が真っ赤だし。
こっち見て威嚇してるし
取り敢えず逃げた。勝てるかあんなの。
いや待てこっち来るな追いかけてくるな待て!ステイ!いやぁぁ!!
全力で逃げたいが、ここは建物の中。
うん、あいつ食堂っぽいとこで寝てやがった。しかもわたしが入った瞬間いきなり起きてこっち見たのだ。この世界の魔物はみんな気配察知スキルでもあるんだろうか?
正直色々調べたいがそんな暇がない、なにせあいつ壁を突き破って追いかけてくるのだ。いやだからこっちに来るなバコンバコン抜いて来るな怖いんだよ!!
などと嫌な追いかけっこをしていたら、いきなり視界が開けた。何ここ?
そこそこ大きな空間、上は吹き抜けで、周りを見ると上の階に続いていたであろう、なんか・・こう・・貴族が優雅に登場しそうなL字の階段がボロボロだけど残ってて、反対側には扉がなくなった外に続く入り口・・なるほど、エントランスか。
ちょうどいい、二階に逃げよう。
両足に力を入れる。(たぶん)吸血鬼なんだし行けるでしょ。
と、わたしは全力で飛ん
ん?
なんだ?
わたしは何をしてたんだ?てか何この揺れ?
・・・なんだあのでっかい熊ぁぁぁ・・・あー思い出した。あいつから逃げてたんだ。
それでエントランスまで来て、二階に飛んで?
と、今までの自分の経路を視線で追いかけ、天井を見上げて理解した。
天井に新しくできた亀裂がある。その亀裂にわたしの白い髪が、赤い煙を上げて(???)いる真っ赤な血が、べっとりとあった。
・・・吸血鬼(?)の全力で飛んだから、天井まで飛んじゃって、ぶつかって、死んだの?
で、吸血鬼だったから生き返れちゃった??最低でも、頭が消し飛んでそうな衝突痕なんだが、吸血鬼すごいな。
取り敢えず、熊(魔物)は上がって来られないみたいだし、今のうちに少し体を動かそう。もう変な死に方したくないし。
で 動いた結果、スペックはいいと思う・・・よ?
比較対象がおぼろげな記憶しかないから何とも言えないね。
まず、ジャンプ力自体は、全力出せば1階から2階天井で自殺できるレベル、
体の瞬発力もいいから壁を蹴って移動が可能、頭の方も余裕で処理できて、動体視力もそれに追いついている。
3次元機動ができるねこれ。楽しい。
と、ぴょこぴょこやっていたら、流石に理解してきたのか熊魔物が2階に飛びついてきた。落ちたけど。
うーん。どうしようか、あれ。
よし。
次にやるのは『どれだけの筋力があるのか』にしよう。
1.ゴルフボールぐらいの石を全力でぶん投げてみる実験。
結果
砲弾みたいな音がして着弾点の石柱がえぐれた。
熊倒せるかもしれないね。
2.倒れてる20kgはありそうな石柱のパーツを持ってみる。
結果
普通に持てた。少し重いぐらい。
ただ、体が小さくて(150cmあるか?)持ちにくい。でも、頭の上まで持てるしそこまで気にすることじゃないね
3.それを、熊に全力で投げつけてみる。
結果
うん。ごめんね、熊さん。『ミンチよりひでぇ』事にするつもりはなかったんだ。うん。
結論
わたし、けっこうつよい
吸「なんだこいつ!」
熊「なんだこの化け物!」