表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夜明けが怖い  作者: 誘唄
5/7

夜明けが怖い 05

マイナー恋愛小説家の一人語りです。

読んだ作品(前話)のことを少し考えているシーンがあります。

読まなくても影響ないかと思いますが、気になる方は前話を見てからお読みください。

夜明けが怖い 05




これはあれか。

身構えさせておいて、妹の面倒を見る優しい姉と料理上手な母と家族思いの父に囲まれた妹という、幸せ家族を見せられるという恐怖か。

友人が結婚したときにも思ったんだけど。

自分で家族を抱えるって、私にとってはかなりハードルが高いというか、無茶振りが過ぎるというか。

自分が恋愛するのも楽しいけど、恋愛話を書くのも楽しいんだよね。いろんなシチュエーションとか自由で。

あぁ、原稿仕上げてないんだって。ホラーの原稿なんて何にも書けてない。やんなきゃマズイんだって。マジ担当怖いんだから。

あれでさっきの小説と同じで2児の父だっていうんだから、奥さんホント聖女だよ。

しかし、娘かぁ。

自分の子供って可愛いくて仕方ないんだろうなぁ。

接待した取引先の人、デレデレの顔で写真見せてくれたし。いい人で良かったよ、ホント。

上司の不手際とか迷惑行為とか、ちゃんと区別して仕事の話出来たし。

今回の契約成立したら私の手柄として扱うように話してくれるって言ってたし。まぁ、酒の席の話だけど。嘘でも嬉しかったなぁ。

ああいう人は奥さんと一緒に料理をしたり子育て手伝ったりするんだろうね。

担当だと子供が泣く姿しか想像出来ないけど。

料理も苦手そうだし。

いつも〆切過ぎるお詫びに一度料理でも作ってあげたら、怒りも和らぐかな?

うーん、そういえば料理なんてしばらくやってない。

レンジは使うけど食器も使った記憶がないし、箸も割り箸が貰えるから使ってないし。

使っているのはヤカンとティーカップくらい。

あ、コーヒーの良い匂い。

砂糖多めのコーヒーは生活必需品だよね。

タバコはやめられたけど、コーヒーはやめられないよ。無かったら死んじゃう。むしろ作家活動が死んじゃう。短い時間で睡眠が取れるように、コーヒーは作家にとってなくてはいけないものだと思う。

あー、ヤバイ。だいぶ限界がきてる。

コーヒー飲んで身体が温まったせいか、疲労感がいっぺんに来た。

2日完徹して接待で酒飲んでそのまま原稿とレビューの山に登るって、登山家だって休憩するよね。

よし、少し寝よう。

時間が無いからこそ、あえて寝る。

私の好きな作家さんもそう言ってたし。もう無理だし。

でもとりあえずレビューだけは上げた。寝たら多分忘れるし。これでレビューはノルマ完了だもの。もう書かなくて済むんだから、すっきりして眠れる。

タイマーは15分でいいや。眠気取れたら原稿上げなきゃ。

携帯の電源を落とし、ベッドの上のいろんなものを足蹴にして、緩く体を丸める。

目を閉じてゆっくり深く呼吸を繰り返すと、窓や玄関ドアを叩く音が耳に忍び込む。

リズミカルなゆっくりとした、小さな音。

一定のリズムを刻む音はリラックス効果があるんだってなんかで読んだな。心音とかを聞いていると落ち着くのはそういう理由らしいし。

安眠できるならいいや。

よし。それじゃおやすみ。


ベッドから動く気力のない彼女ですが、ホラーレビューのノルマが終わりました。

コーヒーを飲んで小休止をとるようです。

次回は彼女が起きていたら、再び彼女の一人語りになるでしょう。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ