夜明けが怖い 04
彼女はレビューを書くのに忙しく、こちらを気遣う余裕がない様子です。
彼女が読んだ作品がどんなものなのか、ちょっと見てみましょう。
夜明けが怖い 04
【お姉ちゃん】
お姉ちゃんはキライ。
いつもイジワルする。
絵本よんでたら取られた。
けいたいはさわらせてくれない。
お洋服はいつもおさがり。
お外にも1人で出かけていく。
帰ってくるたびにじまんするの。
今日はこんなことがあったよって。
お姉ちゃんばっかり自由でズルイ。
お姉ちゃんなんかいなくなればいいのに。
ママに言ったら笑われた。
昔、ママのママに同じことを言ったって。
ママのママにも笑われたって。
だからママはお願いしたんだって。
ねえママ。
あたしもお願いしていい?
あたしもイジワルなお姉ちゃんよりもかわいい妹が欲しい。
妹か弟ができるように、いい子にしてねってママが笑ったから、ちゃんといい子にするよ。
でもお姉ちゃんは悪い子なのに、妹がいるなんてズルイと思う。
あたしもズルくて悪い子になればお外に出られるかな。
とんとんとん。
ぐつぐつぐつ。
ママの料理はおいしい。
あたしはいつも楽しみに布団で待っている。
じっとしていないと、お姉ちゃんが来る。
むりやり布団をかぶせられると、苦しくなってせきがでる。
やっぱりお姉ちゃんはイジワルだ。
だからあたしはおとなしく、ママが呼ぶまで布団で待っている。
お姉ちゃんにイジワルされないように。
ママに呼ばれてリビングに行く。
いつもおいしい料理を作るママは本当にスキ。
あたしが食べやすいように、野菜もお肉も柔らかく小さくしてくれている。
いただきます。
おいしいごはんを食べているのに、今日はお姉ちゃんがイジワルしに来ない。
いつもなら、あたしの顔にタオルを押し付けたり、お野菜も食べろってイジワルするのに。
お姉ちゃんはごはんいらないのかな?
お腹へっちゃうのに。
ママがたくさん食べて、元気になろうねって笑う。
いっぱい食べて元気になりなさいって。
これからはあたしがお姉ちゃんなんだって。
うん。あたしお肉だいすきだから、いっぱい食べるね。
ママも昔、ママのママに同じことを言われて、いっぱい食べたんだって。
あ、パパが帰って来た。
おかえりパパ。
今日もお仕事おつかれさま。
おみやげ? アイス! パパ大好き!
うん、ごはん食べてからだよね。
パパも一緒にごはん食べよう。
あれ? どうしたのパパ。
そんなにママのこと見つめて。
今日はとくせいスープなんだよねママ。
すっごくおいしいんだよ。
でもね、食べる前にアイスしまわないと溶けちゃうよ。
あたしがしまってあげるね。
ほら、パパは座って待ってて。
ママがスープあっためてくれるって。
あれ? お姉ちゃん、こんなところにいたの?
「あなたもお姉ちゃんになるのよ」的な表現をしているシーンを見た記憶がありますが、それが怖い意味だとすればこんな感じなのかなぁ、というお話でした。
次回はマイナー恋愛小説家の一人語りに戻ります。