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夜明けが怖い  作者: 誘唄
3/7

夜明けが怖い 03

マイナー恋愛小説家の一人語りです。

読んだ作品(前話)のことを少し考えているシーンがあります。

読まなくても影響ないかと思いますが、気になる方は前話を見てからお読みください。

夜明けが怖い 03




あー、コーヒー飲みたい。でも台所まで歩いていくのが面倒くさい。

ホラー小説のレビューって書くの難しいよ。

こんなの5個もやれとか、担当絶対性格悪い。

とりあえず10個は読んだし、1個は書いておこう。

服に顔って時代劇だと異常事態だけど、今で言えばプリントシャツ。むしろ普通だよね。

私もいくつか持ってるし。ベイダー卿とか怪盗猫とか。

ん? あー、また歌ってるよ。いつもこのくらいの時間になると歌いだすんだよね。

家族になろう、みたいな歌。だんだん声が大きくなってくるのが目覚ましみたい。こんな時間に起きることなんてまずないけど。それ以前に家にいるのも久しぶりだし。

本家の歌は好きなんだけど、友人夫婦の歌は上手いとは言えないし幸せ感満載でムカつく。

新郎新婦のプリントシャツを引き出物に出すなんて神経と同じくらいに音程がおかしなことになっているから、イライラする。なんかぶつけるものないか。

枕はダメ。無いと寝られなくなるから。いや、いま寝てる場合じゃないんだけどね。

仕事してたら仕事が溜まるとか、二足の草鞋を脱ぎたい。

叩きつける音がして歌が途中で止まった。

毎晩夜中に歌ってれば、そりゃあ怒られるよね。

しっかりと抱きしめていた枕と携帯が無事な事を確認して、再び携帯の電源を入れる。

同年代の友人は結婚して幸せ家族計画中だろう週末に、真っ暗な部屋で携帯弄っている自分。

この差がどこで出来たのかよくわからないが、友人夫婦が喜助とお妙みたいにならないことを願うくらいの分別は私にもある。

もし離婚することになったら、お祝いにプリントシャツ返してあげなきゃ。


さて、次の小説を読んでホラーのネタを考えないと。

あれ、ちょっとまって。

視界の隅に光るものが見えてそちらに携帯のライトを向ける。

クローゼットの前に落ちているのは仕事鞄と、レンタル屋の貸し出し袋と、中から溢れたDVD。

そういえば結局見る暇がなくって借りたままにしてた。けど、借りたのっていつだったっけ?

延滞料金が大変なことになっている事が予想出来る。

せめて観てから返したいと思うけれど、今はそんな時間は無い。

原稿上げずに恋愛ドラマ観てましたなんて、担当が知ったら吊るされる。

いやまさかとは思うけど、あれ割れて無いよね?

割れてたら弁償はともかく見れないじゃん。勘弁してよ。

あ、違う。レンタルDVDはクローゼットに叩きつけられたわけじゃなくて、仕事鞄を放った時に倒れてはみ出ただけっぽい。

よかったと胸を撫で下ろし、叩きつけられた物を見る。

クローゼットの傷が増えたけど、まぁ今更だよね。

ちゃんとその包丁しまっておいてよ。


ホラーのレビューを終わらせるため、再び他の作品を読み漁っています。

次回も彼女が読んだ作品がどんなものなのか、ちょっと読んでみましょう。

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