十五年の記憶、十六年目の再生。2
「やっぱさ〜、ボク、絶対最近ヘンな夢見るんだよ」
水來が言う。
「わはひも。へっはいみへふほおもふ……」
唐揚げを飲み込む。
「ちょ、何言ってんの、食べてから言ってよ」
「ん〜…と、私も、絶対見てると思う」
ほんとに、最近はあの夢でよく寝付けないし。
それに…なんか、嫌な気配がするような。
気のせいだといいんだけど、こういう時、私の予感はよく当たる。
だから、水來にも…、
「ちょっと、今またフラグ立てたでしょ。このっ、フ、ラ、グ、立て魔さん…ひあっちょ、やめっ!」
思わず水來のほっぺをつねっていると、昼休み終わりのチャイムが鳴った。
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ちなみに言っておくと、私達は、とても小さな頃からの幼馴染だ。
水來と私、果木は同じ年、同じ月、同じ日に生まれた。それに、家も近く、昔っから仲がいい。
先月、私達は16才になった。
それから、私も、水來も変な夢をみている。
あ、水來はボクって言うけど、女の子だから。
………誰に言ってんだ私……。
今回も短いです。
短いのをちょこちょこ投稿していく予定です!