第048話 魂の恐怖
北西の大通り近くに立ち並ぶジャッカスの出店の側に、
フォウルよりやや小柄ながらも、
全身に表れる鍛え抜かれた肉体と、
圧倒的な存在感を見せるドワルゴンが姿を現した。
ジャッカスはそれに気付き声を掛け、
フォウルはその声でドワルゴンが来た事を知り、
アイリも今まで聞き覚えはありながら、
一度も見た事がない『ドワルゴン』という人物を目にした。
その体格は、競合訓練に出場していた牛頭族と大差は無い。
しかし、およそ三メートル強の身長ながら、
人間と懸け離れたような見た目ではないにも関わらず、
アイリとフォウルは、まるで異質な存在であると理解できた。
『存在感があるのに、存在感が無い』
後に誰かがドワルゴンをそう称した言葉が、
後のアイリも頷かせる言葉となった。
目の前に現れたドワルゴンの存在感は圧倒的だった。
しかし、目の前に現れるまで全く気配を察知できなかった。
十数年間、屋台で出迎え続けたジャッカスだからこそ、
ドワルゴンの存在を二人より早く察知できたのも、
またジャッカスの『勘』の高さを示したモノとも言える。
そのドワルゴンは、
まっすぐジャッカスの屋台に向かい、
足を進め続けている。
そして当然の様にその進路を塞いだのは、
ドワルゴン以上の体格で赤い肌と黒い髪と両角を持つ、
表情を険しくさせていたフォウルだった。
進路を塞いだフォウルに気付き、
互いに二人の両雄が向かい合うように足を止め、
その場で睨み合う形となった。
その二人の周囲には、
互いに立ち昇るような魔力が発生し、
それに闘気が交じり合う様な空気に、
店の周囲に居た者達は逃げるように立ち退き始める。
二人の異常な様子に気付いたジャッカスは、
慌ててフォウルを止めようと屋台から飛び出した。
そしてアイリはフォウルの様子よりも、
ドワルゴンの姿を初めて見て、
何か胸の奥の鼓動が早くなるのを感じた。
アイリが感じたそれは、潜在的な恐怖。
アイリの胸の奥に僅かに残っていた感情が、
ドワルゴンを見た事で蘇ろうとしていた。
アイリ本人もそれが何なのか分からずに、
一歩後ずさる様に離れた。
「…………」
「………手前が、ドワルゴンか?」
睨み合いの沈黙を破ったのは、フォウルが先だった。
そう問い掛けるフォウルの言葉に、
ドワルゴンは肯定も否定もせずに、
ただ静かにフォウルに向かい合っている。
いや、静かに見ているだけだと思っていたが、
ドワルゴン側も先程までより細めていた目をやや大きく開け、
フォウルを見据えるようにしていた。
互いが互いの目を見つめ合い、
そしてドワルゴンが先に目を伏せた。
その行動に気付いたフォウルは、
同じように目を伏せ溜息を吐き出し、
吐き出した溜息と一緒に漏れるように言葉も漏らした。
「……そうか。手前がドワルゴンか」
「………」
何も言わないドワルゴンの対応に怒るでもなく、
ただ静かに納得したように、
何処か期待とは違う事への失望さえ持ったように、
フォウルはそう言葉を漏らすと、
顔を上げて改めてフォウルが何かを言おうとした。
「――…さて、俺はフォウルっつぅんだが、手前に用が…――」
『グゥゥゥウウウウウウウウウウ……』
「――…ある、んだが……」
フォウルが何か言おうとした瞬間、
凄まじい轟音が周囲に響き渡る。
その轟音の発生源となっているのが、
目の前に居るドワルゴンだと知ったフォウルが、
呆気に取られた様に言おうとした言葉を止め、
新たな言葉を口に出した。
「……腹、減ってるのか?」
「…………(コクリ)」
特に悪びれもしない様子で素直に頷くドワルゴンに、
更に呆気に取られたフォウルの表情が、
なんとも言えないようなモノへと変化していた。
そういう意味で言えば、
フォウルがドワルゴンに抱いた第一印象は、
まさに失望に値するモノだっただろう。
そこに丁度現れたのが、
店から飛び出して来たジャッカスで、
フォウルとドワルゴンの間に立つと、
まずはフォウルに向かって喋りかけた。
「オーガの、ちょいと待ってくれよ!多分ドワルゴン様、ここ十数日ばかりまともなモノ食ってないんだ!」
「は?」
「ここ最近魔物の動向が活発でさ。ドワルゴン様が山の方で、ずっと魔物共を見張ってたんだ。毎年やってる祭りの前はいつもこんなんでさ、祭りの最後の日辺りに腹空かして来るだろうってのが毎年だったんだ。今日はドワルゴン様には、ゆっくりメシ食わせてやってくれよ、な?」
「………」
ジャッカスの言葉をフォウルが聞くと、
幾分か考えるように腕を組んで溜息を吐くと、
先程までの険しい雰囲気から一変して、
呆れたような表情でジャッカスとドワルゴンに告げた。
「わかった、メシ食ってから話にしてやるよ。さっさとメシ食え、メシを」
「へへっ、やっぱ優しいなオーガのは!」
「ぐ……っ」
茶化すようにニカッと笑うジャッカスの言葉に、
何か言いたげなフォウルだったが、
苦々しい表情を浮かべつつも、
そのまま歩いて荷物を置いたジャッカスの店まで戻り始めた。
ジャッカスは次にドワルゴンに話し掛けて、
ドワルゴンが荷として担いできた麻袋の中身の事で、
話をしている様子だ。
話していると言ってもドワルゴンは喋れないので、
ジャッカスの言葉に首を頷かせるか、
首を横に振るかの二動作のみ。
それで二人は慣れた様子で、
何かの話を進めていた。
ジャッカスの店周辺まで戻ったフォウルは、
ついでに手に持っていた折った串の半分を、
ゴミとして捨てる箱へと投げ放って捨てていく。
上手くソレが箱に入ったのを見届けたフォウルは、
空の荷物入れを片手で持ち上げると、
店の横へと移動しドワルゴンが食べ終わるのを待とうとした、
その一瞬の動作の合間に見た光景に身体を停止させた。
アイリの様子が、おかしい。
ドワルゴンに視線を向けたまま、
身体を強張らせて怯えた様子を見せていた。
手に持っていたはずの味噌ダレの串が小刻みに揺れ、
今にも落としてしまいそうな様子に、
フォウルは違和感を感じたのだ。
フォウルはゆっくりアイリに近付いて話し掛けた。
「どうした、嬢ちゃん?」
「――……」
フォウルに話し掛けられても、
アイリは返事をしない。
いや。返事をする以前に、
フォウルの声が聞こえていないほど、
ドワルゴンを注視しているようにフォウルは見えた。
そう。アイリが今、行っていること。
それは警戒だ。
ドワルゴンを警戒するように、
魔力制御と魔力感知を行っている。
特に魔力感知に関しては、
ドワルゴンを注視しながら行っているものの、
外面的な魔力の波動を感じるだけで、
内面的な魔力の奥底までを見ようとしていない。
これが無意識で使い分けているのか、
それとも意識的に気付かれないように、
魔力感知をして注視しているのか。
それを知るのは、恐らくアイリだけだった。
流石に異常だと思えたフォウルは、
アイリの小さな肩を軽く摘んで、
左右に軽く揺らしながら呼び掛けた。
「おい、嬢ちゃん。返事しろ」
「――…えっ、あ……フォウル、さん…?」
やっと気を戻したアイリは、
フォウルに呼び掛けられている事に気付き、
視線をフォウルへと向けた。
その時点でアイリは既に、
魔力制御と魔力感知は止めている。
或いは先程までの行動は、
アイリが無意識に行ったものなのだと、
フォウルはその可能性も考えた。
「どうした、嬢ちゃん。」
「え、私、何か…?」
「ぼーっとしてる…だったらまだマシだがな。何をそんなに警戒してる?」
「けい…かい…?私、警戒、してたんですか…?」
逆に聞き返される言葉を聞いて、
フォウルは異常なアイリの状態を確信する。
何が引き金になったのか不明だが、
アイリの精神状態が急に不安定になったことに、
フォウルは気付いたのだ。
それは、魔力が暴走する前兆の合図。
呼吸が乱れると同時に、
身体の内に流れる魔力が乱れる。
更に同じように乱れた魔力が脈拍や血圧に変化を生じさせ、
脳に異常なまでのストレスを与える。
このままアイリを放置すれば、
確実にアイリは魔力の暴走を引き起こす。
そうなると軽く見積もっても、
アイリの内在魔力量を鑑みるに、
この一帯は完全に吹き飛ぶだろう。
しかし、まだこの状態は初期症状。
まだ魔力の制御が未熟な、
子供の魔族が陥り易い状態で、
精神を落ち着かせつつ呼吸を整えさせれば、
すぐに落ち着くはずなのだ。
そう考えたフォウルは念の為に、
足元に居るアイリを誘うように膝を曲げて、
魔力収納からメッシ草を混ぜた丸薬を一つ取り出した。
丸薬の大きさは、
飲み薬より遥かに大きめの団子の形状。
メッシ草が一時的に魔力を消耗させて、
身体の調子を整える効果を利用した薬の一種。
フォウルはそれを取り出すと、
少し千切って小さく指で丸め直し、
それをアイリに渡した。
「嬢ちゃん。これを飲みな」
「――…えっ、あの…これ…?」
「俺の薬だ。噛まずにそのまま飲み込む感じで飲んでみな」
「は、はい…」
アイリは素直に頷いて答えると、
フォウルから小さな丸薬を受け取り、
言われた通りに噛まずにそのまま飲み込んだ。
するとアイリは苦そうな表情をしながらも、
ちゃんと飲んだ事をフォウルに伝えた。
「さっき渡したのはメッシ草を混ぜた丸薬だ。嬢ちゃん、魔力の流れが乱れっぱなしだぞ。――…いったい、どうしたんだ?」
「………私も、分からなくて…」
アイリ自身さえも、
瞳と身体が震える理由が分からない。
しかしアイリの魂そのものが、
ドワルゴンを見ただけで震え上がっている。
その理由は『アタシ』にも分からない。
だが根幹となる魂が震えている事だけは、
『アタシ』には分かった。
震えるアイリを他所に、
ドワルゴンとジャッカスの話は終わったようで、
そのままジャッカスの店へと二人は近付き始める。
それに気付いたアイリは、
無意識にフォウルの足の後ろに隠れるように、
震える自分の身体を動かした。
瞳には怯えを含んだまま、
ドワルゴンが通り過ぎるのを、
隠れてやり過ごそうとするアイリに対して、
約数メートル先を通り掛かるドワルゴンが、
立ち止まるように足を止め、
フォウルの足元へ隠れるアイリに視線を向けた。
それに気付いたアイリは目をギュッと閉じて、
フォウルのズボンの裾を弱々しく掴んだ。
立ち止まったドワルゴンに気付いたジャッカスが、
その視線の先に居るアイリとフォウルに気付き、
ドワルゴンに改めて説明をした。
「あっ、ドワルゴン様!あの子が、今は髪と瞳の色を魔術で変えてますけど、この間の子ですよ!名前は『アイリ』って言って、今はヴェルズ様のとこに――…」
「…………」
ジャッカスの説明を聞いていたドワルゴンが、
アイリの名前を聞いた瞬間に視線を鋭くさせ、
まじまじとアイリを見つめ始めた。
ジャッカスの説明が続く中で、
まるでそれさえ聞こえない様子に、
ドワルゴンは全精神をアイリに向けている。
そしてアイリはこの時初めて、
自分が『魔力感知』で見られている感覚を知った。
まるで全身にチクチクと静電気が走る感覚に、
アイリは困惑しながらも、
ソレがドワルゴンに『魔力感知』されているのだと、
そう確信させる何かを抱いていた。
アイリほどの膨大な魔力を持つ相手に対して、
『魔力放出』などで魔力を直接当てる手段ではなく、
魔力感知だけでアイリに影響を及ぼす事が何を意味するのか。
それはドワルゴンの魔力と魔技の練度が、
他の魔族達とは比較にさえならない事を意味し、
そしてドワルゴン自身が『敵意』に近い何かを、
アイリに向けている意味にもなる。
「――……あの野郎…」
フォウルはアイリに向けられるドワルゴンの敵意に気付き、
後ろに隠れるアイリを庇う様に、
自分自身の殺気をドワルゴンに当てた。
その殺気に気付いたドワルゴンが目を逸らし、
フォウルとの視線へかち合う。
フォウルはこの時、
怒りに近い感情をドワルゴンに向けていた。
先程のやり取りでも、
自分へ敵意を向けないドワルゴンが、
こんな小さな子供に対して、
敵意剥き出しの威嚇をやっている。
まるで自分より、
後ろで怯えて震える子供の方をこそ、
脅威として認識していると言っているようなモノなのだ。
コレほどの侮辱をされては、
流石のフォウルも穏やかではいられない。
だがドワルゴンはフォウルと視線が合った次の瞬間には、
すぐに目を逸らして歩くことを再開し、
そのままジャッカスの屋台の前まで到着した。
自分を威に介す様子さえ見せないドワルゴンに、
フォウルは苛立ちを強め始め、
敵意を向けられていたアイリは、
ドワルゴンの視線が外れた事で安堵しながらも、
それでも怯えや震えが治まる様子が無い。
そんな二人とは別の催事が行われるのは、
ジャッカスの屋台。
ドワルゴンが持ってきた大きな麻袋に入った魔物の肉を、
ジャッカスは路上に布を敷いてそこに置く様に促すと、
そのまま切り分けて肉ダレが入った壷へと入れて行く。
ある程度切り分けたら、
その壷を持って屋台の調理場前まで移動し、
串焼きを作り始めた。
作り始める前にジャッカスは、
鍋の中に余っていた味噌汁や、
油で揚げた芋をドワルゴンに山盛りで幾つもの皿で差し出し、
持ってきた肉で作った串焼きが出来上がるまで、
それを食べて待つようにお願いされた。
ドワルゴンは出された揚げ芋や味噌汁を食べながら、
ジャッカスが焼き上げた串焼きが三本出来たら受け取り、
それを大きな手で器用に串を掴んで口に運んでいく。
ジャッカスはドワルゴンが今日来る事を知らされていたので、
昨日までにドワルゴン用の仕込みを終わらせて大箱に入れ、
屋台の側に積み込んでいたのだ。
祭りの客達へ出すモノと、
ドワルゴンに食べさせる為のモノを、
別々に用意していたジャッカスの行為は、
ドワルゴンの食事量を知っていれば、
当たり前の事だっただろう。
ドワルゴンも、フォウルに負けないほどの大食漢だった。
出されていく料理が次々とドワルゴンの口に運ばれ、
食べた側から注文が届けられ、
空になったドワルゴンの皿は徐々に積み重なって行き、
それが山の様に積まれていく。
明らかにドワルゴンの体積以上の量が、
ドワルゴンの中に詰め込まれ、
しかし腹が膨れるわけでもなく、
体積が上昇するわけでもない様子を見て、
フォウルは眉を顰めつつも、
ドワルゴンが食事をしながら何をやっているかに気付いた。
「――…あの野郎、『貯蓄』も出来るのか」
「……ちゃーじ…?」
フォウルがそう呟く言葉を聞いたアイリは、
まだ怯えと震えを抱えながらも、
それでも魔力制御で身体を維持するようにして、
幾らかは震えと怯えを自分で減少させ、
自分でこの状況を克服しようと努めていた。
その最中に聞こえたフォウルの呟きに反応したアイリに、
フォウルは一度目を向けて、
『貯蓄』について説明をした。
「『貯蓄』は、自分の最大値以上の魔力を貯えることが出来る魔技だ。胃袋に入った食事を即消化してエネルギーに換えて、細胞の隅々まで魔力を浸透させる。貯蓄は魔族ってより、魔物や魔獣が自分の肉体を進化させる時に使う魔技だ。――…魔族でも出来なくはないが、普通の魔族なら肉体の細胞が貯めた魔力に耐え切れず崩壊して、逆に命を縮める結果になる。『貯蓄』を平気でやれる奴ってのは、俺みてぇなバケモンだけだと思ったがな――…」
「……フォウルさんが、いつもいっぱい食べてるのも、その『貯蓄』?」
「俺がやってるのはただの食事だ。大鬼の身体は単純に燃費が悪いからな。俺がやるなら、この町の食い物全部食い荒らさなきゃ許容量の一割も貯まらん」
凄いことをフォウルが言っているが、
『貯蓄』という魔技がある事をアイリも理解できた。
「……あのドワルゴンってオーク、確か魔物や魔獣に通じ合えるとかミコラーシュが言ってたな。魔物と魔獣しか居ない環境で数十年・数百年以上居続ければ、貯蓄を習得は可能ではあるが…」
ブツブツと何かを呟きながら考察するフォウルの様子を、
アイリは足元から覗き込むように見つめる。
ある程度の考察が終わったフォウルは、
アイリが足元から自分を見ている事に気付き、
改めて話題をアイリとドワルゴンに戻した。
「――…まぁ、それよりあの野郎だ。嬢ちゃんをあれだけ警戒っつぅのは、突然変異体相手なら普通ではあるんだが、アレは警戒っつぅより、むしろ……。嬢ちゃん、あの野郎と前に会った時に何かあったのか?」
「え?――…た、多分…私、あのドワルゴンという人とは、会ったことないです…」
「マジか?――…正直に言うが、嬢ちゃん。さっきあの野郎が嬢ちゃんに向けたアレは、警戒なんてモンじゃねぇ。明確な『敵意』だ。何もしてねぇのに敵意を向けられるなんざ、向ける方も向けられる方も尋常じゃねぇぞ」
「てき…い……」
敵意という聞き慣れない言葉に、
アイリは戸惑いながらも、
フォウルの説明でドワルゴンにどう見られているかを、
アイリは完全に理解する事ができた。
そしてアイリの口から零れるように、
ある言葉が口から漏れ出た。
「――…あの人の目が……何処かで、見た事が…」
「――…何?」
「目を見た途端に、『怖い』って思うより先に、身体が震えて……そして、急に怖くなって……」
「…………嬢ちゃん、お前…――ッ」
零すように喋るアイリの言葉を聞き、
フォウルは何かを喋ろうとしたが、
開けた口をすぐに閉じた。
そして何も言わずにアイリの側でしゃがみ、
アイリの頭に手を置いて極小の力を込めて優しく撫でた。
アイリは零す言葉を止めて、
撫でられる手の暖かみと大きさに、
今まで余裕を保てなかった心が、
救われたような気持ちになる。
アイリとフォウルの今の表情を、
互いが互いに確認できないまま、
僅かな時の時間が加速していく。
その中で確かにフォウルはアイリに、
そしてアイリはフォウルに対して、
ある感情と想いを抱いていたのは確かだった。
それが何から来る『愛情』だったのか。
それを知る人物は、
少なくともこの世界には、
本人以外には誰も分からないのは確かだった。
この時の『アタシ』はアイリが…いや、
前世の愛理が感じた感覚を掴めずにいた。
アイリの感情や思考、
記憶を共有しているはずなのに、
その時のアイリが感じたモノを、
『恐怖』だったとしか理解できない。
何故アイリがドワルゴンに『恐怖』したのか。
何故ドワルゴンがアイリに『敵意』を向けるのか。
この時の『アタシ』も『私』も、
その真実を知る事になったのは、
遥か未来の話だった…―――。
『赤瞳の戦姫』ご覧下さりありがとうございます!
誤字・脱字・今回の話での感想があれば、
是非ご意見頂ければと嬉しいです。
評価も貰えると嬉しいです(怯え声)
ではでは、次回更新まで(`・ω・´)ゝビシッ
この物語の登場人物達の紹介ページです。
キャラクターの挿絵もあるので、興味があれば御覧下さい。
https://ncode.syosetu.com/n6157dz/1/




