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『赤瞳の戦姫』~転生したらオークに拾われました~  作者: オオノギ
幼少期 第一章三節:生誕祭三日目

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第024話 前世持ち

今回は、やや心理描写が多めです。

心理描写ですが流血表現があるので注意。


「――……で、何で俺が『前世持ち』だって分かった?」


「前世持ち……?」



北・東地区に隣接した広場にある、

アイリが二日目に来た食堂にフォウルとアイリは訪れていた。


食堂に着いたフォウルは、

食堂のメニューを粗方注文すると、

食堂の奥に設置されているソファー席へと腰掛ける。


そこは本来は大入りの客が入った場合などに使う席なのだが、

フォウルの体格では流石に普通の椅子や机に座らせられないので、

そこを店員に勧められたのだ。


丁度、食堂の入り口から適度に離れており、

更に食堂の立地の関係で壁などが視界を遮り、

良い感じに部屋のような装いとなっている為、

密談するにも最適な場所だった。



「前世を覚えてる奴の事を、俺はそう呼んでる。それより、なんで俺が前世持ちだって分かったんだ?」


「え、えっと。初めてフォウルさんに会った日に、フォウルさんが日本語で呟いてるのが聞こえて……」


「……そうか、声に出しちまってたか。迂闊だったなぁ。まさか突然変異体アルビノの嬢ちゃんも前世持ちとは。つぅ事は、やっぱジュリアの奴もやっぱ前世持ちだったっつぅことかよ!」



あの時の事はどうやら、

無意識にフォウルが声に出していたのを、

アイリはここで初めて知る。


しかも、それを誰にも知られたくないような態度であり、

『前世持ち』を忌避するような言葉に、

アイリは不安になっていた。


同時にフォウルの日本語で告げられる言葉にも、

疑問と矛盾をアイリは垣間見えた。


初めて会った時のフォウルはアイリを見た時に、

突然変異体アルビノは初めて見た』と言っていた。

それに、魔王ジュリアの事を知らないようにも装っていた事を、

アイリは覚えていたのだ。


けれど、オーガの王だったフォウルは約2000年前にヴェルズと会っている。

後に確認したが、魔王ジュリア自身にも会って講和も結んでいたのだ。


『前世持ち』を忌避する言動や、

突然変異体アルビノ』であるジュリア自体を忌避していた言動に、

アイリは疑問を持ち不安に思ったのだ。


何かを思い出すように虚空に目を向けて、

拳を握る力を強めていたフォウルは、

やや怪訝そうな表情でアイリに目を向け直した。



「それで、お前さんは前世を思い出して何年になる?そのエルフの容姿と魔族語を上手く扱えてる様子から見るに、三年から五年くらいか?」


「え?」



突然の話題の切り替えと、

唐突な質問にアイリは困惑の表情を浮かべた。


まだ自分の中でフォウルの言動に対する疑問を、

自己完結できていなかったのもあるが、

その投げ掛けた質問で推定されている年数に、

アイリは困惑したのだ。


困惑しながらも、

アイリはフォウルの問いに答えてみせた。



「……私が覚えてるのは、この町の裏道で数週間前からずっと彷徨ってる記憶からで……この町の人に助けられて、起きたのは一週間くらい前です。言葉や文字は、起きた二日後くらいにやっと喋れるようになりました……」


「待て、待て待て。二日だぁ?いくら何でもそんな嘘を信じると思ってるのか?吐くならもっとマシな嘘を――……お、おい?」



アイリの話す事を受け入れないように、

それを嘘だとフォウルは断ずる態度を示そうとした。


しかし、目の前で対面するように座って、

俯きながら顔を伏せて震えるアイリの様子に、

フォウルは若干動揺する。



「……皆の言葉が、全然分からなくて。喋っても通じなくて、だから、言葉を覚えなきゃって。夜は寝ないで、月の明かりが見える場所で文字を書いて、発音の練習をして、それで少しだけ、喋れるようになって、それで……」


「………」


「……村長様の家に住むようになって、ずっと、ずっと言葉の発音と文字の練習をして、私、まだ子供で何もできないから、それだけでも、できるようにならなくちゃって……ずっと、ずっと眠くなっても本を読んで、ずっと……」



アイリはこの村に訪れた日からの事を、

フォウルに話し続けた。





今は怖くないようにしているけれど、

本当はずっと魔族の人々が怖かったこと。

人間と違う異形の人々が住む世界で、

そんな世界で何もできない事が怖かったこと。


村の生活も、日本の生活よりかなり不便で、

慣れるように必死だったこと。


子供の自分では何もできないから、

誰にも迷惑を掛けないようにしてきたこと。

機嫌を損ねさせたら何をされるか分からず、

ずっと不安に思っていたこと。


魔力を感じられず魔技が扱えないことが、

ずっと不安で悔しかったこと。


自分が何も知らない事が、不安だったこと。





心が休まる日など、

一日たりとも無かったことをアイリは話した。

心を許せる人ができても、

決してその不安は解消はされなかった事も話した。


自分に親身になってくれるジャッカスを始めとする人々がいても、

アイリの中には別の不安が必ず内在していた。

その不安に押し潰されないように、

必死に、必死に心を平静に保って乗り切っていた。


本当は叫びまわって発狂してもおかしくなかった。

いや、本当は発狂したかったはずだ。


自分が死んだ時の状況、家族のこと。

いきなり広がったこの異世界で、

狂いそうな精神状態をギリギリまで耐え抜いていた。





アイリはずっと孤独だった。

誰かが言葉を掛けても、

誰かが優しく接してくれても。


それはアイリに新しい不安感と、

更なる孤独感を与えて強めていく事を、

周囲の人々もアイリ自身さえも気付かなかった。


目まぐるしく展開されていくこの世界で、

そんな事に自分自身でも気付く事が出来ずに、

こうしてフォウルに話すまで、

アイリは自身の無意識の平静を、

日常でもおこなっていたのだ。



「……フォウルさんが、もしかして私と同じなんじゃないかって、そう思ったら、ずっと、ずっと……」


「もういい」



顔を伏せて話し続けるアイリに、

向かいに座るフォウルは手を伸ばして、

アイリの頭に手を置いた。


アイリの顔をすっぽり隠してしまうほど大きな手は、

頭を撫でるわけでも動かすわけでもなかった。


ただ、アイリの頭と顔を隠しながら、

フォウルは呟いた。



「もういい、十分に分かった。だから、もう我慢すんな」


「……?」


「泣きたい時は泣けばいい。不安だと思うなら不安だと嘆いていい。……もう我慢すんな。このままだと、お前さんの心が壊れちまうぞ」



フォウルの掛けた言葉を、アイリは理解できなかった。

我慢するとはなんなのか、アイリは理解できなかった。

心が壊れるということが、アイリは理解できなかった。


フォウルが指摘したソレは、

アイリの心に根付いてしまっていた、

心のくさびそのものだった。





前世の境遇で愛理アイリの周囲の人々は、

徐々に壊れていったのだろう。

アイリはそれを見続け、

その境遇に耐える事が日常にさえなっていた。


変わってしまった家族と、それに類する人々は、

アイリの心にどれだけのくさびを打ち込んだのか、

それは当事者達にさえ分からない。


しかしフォウルから見れば、

アイリの様子は一目で異常だという事が理解できた。

そして、それがアイリの心を蝕み、

壊し始めているんだと理解できた。


フォウルはアイリの話す事を聞きながら、

アイリが自分の事を表現し、

言葉に出す事がいかに不得意なのかを、

はっきりと理解した。

同時に不得意ながらも言葉にすることで、

アイリに出始める変化にもフォウルは気付いた。


極限状態が続いたアイリの心は、

自分で警報を挙げている事にさえ気付かない。


アイリが自分の事を話す時、

その表情を見たジャッカスやヴェルズが、

どれだけアイリの事を心配し、

アイリのしたい事を許したのか。


今のアイリを見れば一目瞭然であり、

フォウルも理解したのだった。


壊れた周りの中で泣く事も嘆く事さえ我慢し続け、

何も分からない世界で嘆いても泣いても無意味な事を悟って我慢し続け、

いったいどれだけの感情を小さな心で重ね続けたのか。


ヴェルズはソレを、

『狂気』と感じていた。


ジャッカスはソレを、

『不安』と勘付いていた。


そしてフォウルはソレを、

『我慢』だと気付いたのだった。





*





フォウルは荷物から黒い絹で編まれた大きな厚手の手拭を取り、

呆然としているアイリに渡した。


渡された手拭をアイリは持たされると、

アイリは不思議そうな顔でフォウルを見た。



「それに顔押し付けて、たくさん泣け。『ちゃんと泣けた』と自分が思うまで、泣くんだ」


「あ、あの……」


「俺の前じゃ我慢しなくていい。そんな顔するガキの面なんて、もう見たくねぇんだよ。だから我慢なんてせずに、泣け」



フォウルの言う事が理解できないまま、

アイリは目線を渡された手拭に落とし、

言われるがままに顔に手拭を押し当てた。


真っ暗になった視界の中で、

アイリは何も見えないまま、

フォウルの言う事を考えた。





『我慢』。

何を自分は我慢しているのだろう。


不安に思ったり、泣いたりすることを、

『我慢』しなくてもいいとフォウルは言った。


確かにずっと不安だった。

その不安はいつから感じていたものだろう。

この世界に来た時から?

それとも、この世界に来る前世まえから?


泣くのを我慢するようになったのは、いつからだろう。

この世界に来た時から?


……いいや、この世界に来る前世まえからだ。

大きな不安の中で声を荒げて怒鳴り合う兄や姉を見て、

不安で泣いている姉と夫だった人の怒鳴り合う声で。


いつからか、自分が泣いても何も解決しないのだと、

そう思うようになった。

だから、不安に思っても泣かなくなった。

泣きたいと思っても表情が固まって顔を伏せて我慢していた。


そう、我慢していたのだ。


不安に思っても、痛くても、

泣きたいと思ってもずっと我慢し続けていた。


それが愛理アイリという少女の日常であり、

周囲に起こる現実を受け止める為の、

苦肉の策だったのだから。

しかしそれは、

少女自身が気付かない狂気をもたらしていた。


唐突に、愛理アイリは自分の最後の光景を思い出していた。

泣きながら私の手首を切る姉の姿を。

何かを謝りながら泣く姉は、

何を謝り続けているのか分からなかった。


しかし、最後の光景とはまた違う光景を、

愛理アイリは思い出した。


皮膚の下を流れているはず血液が、

愛理アイリの肌に伝うように流れる。

しかし、その光景は愛理からして見ればおかしかった。

手首を斬られる前から、少女の手は既に血に濡れていた。


手だけではない。

顔や服、そして靴下にもそれは付着していた。

前世の愛理アイリは、水音が聞こえて後ろを振り向く。


後ろにあったのは、

見慣れた男が血塗れで横たわる姿だった。

姉の夫になり自分の義兄となったはずの男が

血塗れで床に横たわる姿だった。


その男と少女を結びつけるように、

点々と血が付着した床が目に入る。


まるでそこから這い出されたような血の跡。


そんな自分を抱き締める姉が目の前にいた。

少女に付着した血が移り、

姉の服にも血が付着していた。





そこまで思い出したアイリは、

顔を覆う真っ暗な手拭の空間へと意識が戻ってきた。


何を思い出したのかを、

アイリ自身も理解できなかった。

けれど、思い出してはいけない何かだった事を、

アイリは直感で感じ取った。


その光景を思い出した事で、

思考が急速に加速する感覚にアイリは困惑する。


前世とこの世界で、

今までずっと不安だった気持ちが、

怖かった気持ちが目まぐるしいほどに、

アイリの頭を搔き回した。


この世界で起きた全ての事を思い出し、

わずか数週間にも満たない今までの記憶が、

平静を保っていたアイリの心を掻き乱した。


手拭を顔に押し付ける力を強めたアイリは、

身体を震わせ言葉にならない声を手拭で必死に抑えつけながら、

自分の瞳から溢れてくる涙を必死に抑え付けようとした。


けれど駄目だった。

決壊したように流れる涙が、

手拭を濡らし続けた。


声は手拭で抑えられ、

漏れる声は食堂内の全てには届かない。

けれど、目の前に座るフォウルには聞こえてしまう程度で、

アイリは泣き続けた。


ずっと不安で、辛くて、怖かった。


それを自分自身でちゃんと自覚し、

誰にもそれが言えない事がこれほど苦しいのだと、

アイリは抑えきれないほど感じていた。


そして誰かにそれを見せてもいいと許されるのが、

どれだけ気が楽になってしまうのかも、実感していた。


それから数分間、

アイリはフォウルの前で泣き続けたのだった。





*





「……ちゃんと泣けたか?」


「……っ、はい……」



手拭で顔を半分隠したまま、

アイリはフォウルの言葉に答えるようになんとか頷いた。


表情は暗く目元はやや赤みを帯びて腫れていたが、

少しだけ気が晴れたような気持ちを、

アイリは感じていた。


丁度その時に、

大量の料理を運んできた店員が来たのだが、

泣き腫らしたアイリを見て、

やや怪訝そうな表情をフォウルに向ける。


その視線を一睨みだけして返すフォウルに、

店員だった猫獣族の女性は耳と尻尾を逆撫でさせ、

机上に料理だけ置いていくと逃げるようにその場を去っていった。


料理の皿を掴みながらガツガツと食べるフォウルは、

食べながらアイリに一つ一つ確認をしていく。



「スッキリしたとこ悪いが、確認だ。お前さんはその身体になってから数週間の記憶しかない。そして言葉や文字は一週間ばかりの時間で覚えた。それでいいのか?」


「……はい」


「マジかよ。俺でも喋るだけで数年掛かったぞ。文字も自分の名前くらいしか書けないしな。お前さんの魔族語は達者過ぎるから、てっきり数年以上はこの世界で生きてるもんだと思ったんだがな」



信じられないという表情でアイリを見るフォウルは、

それでも食べ続ける事を止めない。

一つ一つ、アイリの言った事を確認していくフォウルは、

一通りのアイリの今までの状況を知ったのだった。



「最後の確認だが……お前さん、前世で死んだ時に日本は西暦何年で何歳だった?」


「……私が生まれたのは、2030年。死んだのは多分、9歳になる前、くらいです」


「本当に子供じゃねぇか。……はぁ、なるほどな。中身が現実に嫌気が差してるおっさんとか、中二病真っ盛りの『特別な自分だから選ばれた』なんて勘違いするガキならともかく、そんな子供がこんな状況で俺等みたいな化けモンに囲まれたら、気が狂わない方が異常だわな」


「ちゅうにびょう……?」



フォウルの発する言葉は確かに日本語だったが、

アイリにはその日本語の単語がどういう意味を成すのかが分からないようだ。



「気にするな。それより2030年かよ。俺が死んだのが確か2020年頃だぞ?約20年の誤差でお前さんと3000年近く前世の意識の差があるのか。……駄目だな、全く分からん」



食べながら何かを考えつつ、

投げやりにそう言うと、

フォウルは食べる方に集中した。


フォウルが食べている光景を見て、

アイリも少しだけ空腹感がお腹を鳴らしてしまい、

フォウルはそれが聞こえたようで、

近くにあったスープを差し出して食べるように言った。


トマト味のスープと煮詰められた野菜と肉が浮かぶスープを、

木のスプーンで掬いながらアイリは一緒に食べた。


やはり、とても美味しかった。


ヴェルズの作るスープやジャッカスの串焼き、

セヴィアの作ってくれた朝食と同様に、

この世界で食べる料理はとても美味しかった。


空腹感を満たしながら、

アイリは混乱した頭の中を整えていく。


先ほどまで掻き乱した感情を整理して、

一つ一つ話した情報とフォウルの言葉を積み木のように、

組み立てて情報として冷静に並べていく。


そんな事を9歳ほどの子供の記憶しか持たないアイリが、

本当に出来ているのか。

それは本人にしか分からない。


けれど、一度感情を吐き出すように泣いたアイリは、

再び冷静さを取り戻したようだった。





フォウルは自分アイリと同じ『前世持ち』という存在だった。


そしてフォウルも自分と同じく、

死後にこの世界で前世の記憶を思い出したらしい。


そして、2030年に生まれた自分が9歳になる前に死んだ事と、

2020年に死んだフォウルとは『前世持ち』として、

前世でのタイムラグが約20年あり、

こちらでは約3000年のタイムラグがあるというフォウルの言葉。


フォウルがこの話で驚いていた理由は、

恐らくは『前世持ち』に何か法則性があるからでは。

そうずっと考えていたからだと、アイリは推察した。


更に、フォウルはこうも言っていた。



『――……まさか突然変異体アルビノの嬢ちゃんも前世持ちとは。つぅ事は、やっぱジュリアの奴もやっぱ前世持ちだったっつぅことかよ!』



その言葉で二つの事が分かった。


1つ目に、自分アイリやフォウル以外にも

『前世持ち』がいるという可能性があること。


2つ目は、『始祖の魔王』ジュリアと呼ばれる人も、

『前世持ち』だという推察をフォウルは昔から思っていたこと。


たった数瞬の間で行われた会話で、

アイリはここまでの事を理解する。


他の誰かがソレを知れば、

アイリという少女が本当に少女と呼ぶべき頭脳の持ち主なのかと、

疑問に思うだろう。





食事を食べ終わったフォウルは、

支払いをするカウンターへ赴くと、

麻袋で金貨が20枚ほど入った袋を置いて、

「ビビらせた猫の嬢ちゃんに侘びといてくれ」と言って、

フォウルは食堂から出て行った。


その後を追いかけるように、

アイリは大きな背中を追いかけた。


二人は適度に北東地区を歩きながら、

ヴェルズ村を散策していた。

フォウルは何かを探しながら大きな店を覗いて、

「ここでもねーな」と言いながら次の店へと歩いていく。


暫く様子を見ていたアイリだったが、

五件目の店を出たところで、

流石にフォウルに質問をした。



「フォウルさん、何を探してるの?」


「ん?何って、お前さんの訓練用に良さそうな武器を作れそうな工房を探してるんだよ」


「え?」



フォウルはそういう言うと、

アイリは何のことか分からずに、

キョトンとした顔を浮かべていた。



「大魔導師が言っていたぞ。明日はお前さんに魔技を教える日だってな。訓練場を使わせてもらって教える事ことになるから、お前さん用に剣をこしらえようと思ってな」


「け、剣?魔技の訓練なのに、剣を使うの?」



剣を使うという内容に、

アイリは流石に狼狽してしまう。


確かに、ヴェルズがミコラーシュを交えて、

フォウルにそんな話を、

警備隊本部から出てきた時におこなっていたが、

「なら、俺のやり方でやってもいいな」とだけ言っていた事を、

アイリは覚えていたのだ。



魔技マギってのはな、身体を使って覚えるもんなんだ。机上でやるもんでも、ましてや、ボーッと突っ立って覚えるもんでもない。まぁ、そこらへんを踏まえても、お前さんには俺が作る武器を持たせておこうと思ってな」


「フォウルさんが、作った武器?」


「ガッハッハッ!!伊達に3000年以上、こっちで生きてないからな。色々出来る事も増えちまったのさ。まぁ、嬢ちゃんとの出会いも記念して、久し振りに腕ぇ奮ってやるさ」



高笑たかわらうフォウルは、

また歩き出してそれらしい店を探して覗いて歩き出す。

アイリは困惑しながらも、

それを追いかけるようにフォウルの後を付いて行った。





同じ『前世持ち』であり、

同郷であり、同じ秘密を持つフォウルとアイリ。


アイリは少なからず、

この世界で初めて全てを話しても、

信じてくれるだろう人物に会えたことで、

心のゆとりを以前より持てるようになっていた。


アイリはこの世界でヴェルズ村の人々に救われた。

そして、それに恩を返したいとも思っている。


同時にフォウルと接していくことで、

この人の隣を歩みたいとも、

思うようになったのだった。





『赤瞳の戦姫』ご覧下さりありがとうございます!


誤字・脱字・今回の話での感想があれば、

是非ご意見頂ければと嬉しいです。

評価も貰えると嬉しいです(怯え声)


ではでは、次回更新まで(`・ω・´)ゝビシッ


この物語の登場人物達の紹介ページです。

キャラクターの挿絵もあるので、興味があれば御覧下さい。


https://ncode.syosetu.com/n6157dz/1/

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