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5.神のイメージ化は犯罪です。

バッセルは、慌てた。

一陣のアッフェル・フォルトが起こした、あの温かい笑いのせいではなくて、アッフェル・フォルトの八つ当たりで、唐突に自分の現実に立ち返る。


監察者見習い。


老師のイライラを極限まで試そうとする自分の上司達のお守役、と言う現実を思い出すと、慌てて彼らに走り寄る。そして、はっきりした声で、彼らに飲まれまい、と半分は虚勢を張りながら、

「僕はちゃんと急かしていましたよね。ちゃんと!」

と言って、これで逃げられたら大変だと言うように、さくさくと、

「ともあれ。どうぞ、老師がお呼びですので、館へお戻りください」

と言ったのだった。


アッフェル・フォルトは、「生意気だ」と言いながら、バッセルの鼻をつまんで、そして、一言、

「一瞬の風で、けし飛ぶようなものは神とは言わない。分かったな」

と言ったのだった。バッセルははっと顔を上げる。見ると、アッフェル・フォルトは、にやにや笑って、

「どこかで本物の神を見せてやるよ」

と小声でバッセルにしか聞こえないように言った。


あのぞっとするような冷気はなかった。もっとふざけた声だった。バッセルは、それが冗談だったのか、バッセルを慰めるための言葉だったのか、それとも、本当にそんな犯罪をしようと思っているのか分からなかった。ただ、バッセルの口からは、

「ダメです。神のイメージ化は犯罪です。沈黙の塔へ幽閉になります」

と言う言葉が飛び出したのだった。これが自分の罪なんだ、と噛みしめるような言い方だった。アッフェル・フォルトは鼻歌交じりに、

「私の見せる神だ。誰が、イメージだと気がつくもんか! 本物にしか見えないぞ」

と言って、バッセルの鼻を離した。ちょっと痛くて、赤くなった鼻をバッセルは片手で覆いながら、陽気に歩き出したアッフェル・フォルトを見る。


横からアッフェル・フォルトに並ぶようにシェルフォードが歩き出し、バッセルは、鼻を撫でてから彼らを後を追って歩き出した。


この人なら、本当に、本物と全く違わない神を出してしまえるかもしれない、と思った。そして、もしかしたら、本物の神を見ても、自分が作ったと言いだしてしまうかもしれない、と思ったところで、ふはははっと笑いだした。何事だ、と思うほど陽気な声で笑いだした。笑いが止まらなくなった。シェルフォードが、

「おまえがつつきすぎるから、どこかのねじが吹っ飛んだんだ」

とアッフェル・フォルトをなじっている。


バッセルは、途中で息が切れ切れになりながら、笑いを治めて、二人を追い掛け、追いつくと、

「すいません。老師が待っていらっしゃいます。急ぎましょう!」

と言った。息も切れ切れに言いながら、バッセルは、なんて自分は馬鹿なんだ、と思ったのだった。あの光は、滝以外の何物でもないと思った。本当に、それ以外の何物でもないんだ、と思ってしまった。この銀の監察者が、神をイメージする事にくれべれば、神だと言うのもおこがましいと思ったのだ。


夕日が傾き、彼らは赤紫色の光の中にいた。一日の残照を受け、長い影を造りながら、三人は大通りを足早に歩く。そうして、やっと、監察者の館へ向かったのだった。



監察者の館は、王都の西の外れにあった。中央区からの大通りを抜け、落ち着いた住宅地へと入る。そこそこ稼いだ商人が瀟洒な庭のある家を買って住む場所で、その裏には倉庫や空き家が広がる区画があった。


この錆びれた区画の先には森が広がっていて、森と人との間に立ちふさがるように、監察者達の館があった。館と言っても一軒ではなく、無数の建物が集まった一角で、森に埋もれるように広がっていた。


三人は、住宅地を抜けると、どこまでも続く漆喰の塀の前に出た。監察者の館を囲う高い塀だ。広大な敷地には森が見えた。総じて監察者の館、と呼ばれていたが、館の中には様々な、職責の者達がいた。その最上位が、アッフェル・フォルト達、監察者だった。


と、その塀の脇で、顔を伏せ、ローブの裾を抑えるようにして駆け抜ける一団とすれ違った。アッフェル・フォルト達と同じように灰色のローブで、肩掛けをしている。肩掛けの色は緑の柄で、職責が違っていた。上位のベルトを持つアッフェル・フォルト達に気づくと、視線を下げ道を開けるように端によって駆け抜けて行った。陽気なアッフェル・フォルトや雑なのに品があるシェルフォードとは全く違って、足音をさせずに神経を張り詰めたような動きですり抜けて行く。影のような人々だった。


「後始末に行かれたのでしょうか」

バッセルが呟くと、シェルフォードが首を左右に振る。

「検証者だ。夢から覚めない人がいないか検証しに行ったんだろう。あの光の後始末をアッフェル・フォルトがやったと知っていて、確認しに行ったんだな」

無駄な事を、と言っているような言い方だった。バッセルは、

「必要ないと教えて差し上げないと」

「どうして、そう断言できる? アッフェル・フォルトの力はすごい。あそこで見ていたなら分かるだろう? でも、どこまであの光の夢が、正常な日常に上書きされたのかは、アッフェル・フォルトにしか分からないんだ。もしも、アッフェル・フォルトにミスがあったら、今も、神と人との狭間で地に足がつかづに苦しんでいる人がいるかもしれない」

バッセルは黙ってしまった。


アッフェル・フォルトは皮肉な声で笑って返す。

「お陰で毎回手抜きができない。どこかに漏れがあったら、あの検証者達が意気揚々と報告するさ。銀の監察者はだめだ、とね。しかも、老師の事だ。それを聞いて、ねちねちねちねち、一年くらいは厭味を言い続けかねないぞ」

と言ってバッセルの頭の髪をぐしゃっと混ぜた。バッセルは甘んじて受け、黙って、本当の部分を考えた。


宣誓をしているアッフェル・フォルトは手抜きなんかできない。あの時、後始末をすると言って、上書きをした時点で完成しているはずだった。誰もが知っているはずの事だ。なのに、誰も彼女の事を信じない。信じていないと見せつける。これは、酷い嫌がらせだ、とバッセルは感じた。そんなバッセルに、アッフェル・フォルトは気がつかないように話し続ける。


「それに、あれがあんな純な光の柱でなかったら、やはり確認しに行った方が良い。光の効果が融けた途端、光を使っての詐欺が始まるかもしれない。誰も、あんな無垢なことになっているだなんて思わないからな。捻た奴ならあの光は、奇跡の前兆だとかなんとか言って、使いだすかもしれない。あの街のあの光景を見てないければ、なかなか信じられないだろう。なあ、シェルフォード、子供の創造力って言うのは、時に、何かを超越しているよな」

とアッフェル・フォルトは、シェルフォードの肩に手を置きながら言った。シェルフォードは、その手を片手で外しながら、

「純な光、か。あれを光で通すのか」

「当然だ。あれを神だと老師に言うなら、私が本物の神のイメージを街に落とす」

「脅しか?」

「あれは神ではないと言っているだけだ。純な光。子供の夢だ」

「本物の神、ねぇ。おまえにそれが分かるのか?」

「それならおまえに分かるのか? あれが神で、あっちは別でって?」

「分からないから、神の顕現は犯罪なんだ」

とシェルフォードは言って息を吐いた。シェルフォードは、傍で自分達を見上げている、大きな緑色の目を無言で見下ろす。その脇で、アッフェル・フォルトが、

「言うなよ」

と小突きながら言うと、

「言えば、宣誓を破る、と言いたいのか?」

「いいや。宣誓の文言に触れずに、神を出すくらい造作もない。そのくらいの事はやってみせると言っているのさ」

と言って、二人はじっと互いの目を見つめあった。探りあっているようにも、睨みあっているようにも見えた。


軽い言い方をしていた。バッセルは二人を見上げていた。シェルフォードは正しい。神の顕現のイメージは重罪で、だからこそ、報告しなければならない。監察者ならなおさらだ。


でも、もし、自分が神のイメージを造ったとなれば、ドボークの親族は全員、沈黙の塔に送られ生涯出てこれなくなってしまう。姉も妹も、兄も、その兄の子供達も。結婚はできず、血族が増えることを禁止され、子ができれば即間引かれる。殺されてしまうんだ。


それは、兄弟はもちろん従弟にまで及ぶ。叔父叔母達は、年を取っているお陰で、屋敷にとどまることができるかもしれない。それでも、屋敷から一歩も外へ出ることはできなくなる。父と母は、上手くすれば塔の最上部へ幽閉。逆に、自分を育てた責任があるせいで、もしかしたら、地下牢から出られず、鎖につながれて生きることになるかもしれない。


両親の罪は自分よりも重い。でも、もしかしたら、国外追放ですむかもしれない。異能の子を監察者の館に送り出すところまでは頑張ったのだから。でも、あれほど、ドボークの大地を愛し、誇りに思っている親族が全員、二度と国には戻れなくなったら、誰が生き伸びたいと思うだろう。自分がうっかり、神と言う言葉に反応してしまったせいで。そんなことにならないように、都に出て来て、監察者の館で鍛えたはずなのに。


バッセルは二人を見上げたまま、ぼんやりと考え続けた。あまり真剣に考えなかったのはアッフェル・フォルトが適当な事を言ってくれていたからだった。あれは神じゃない、と思えたのも、アッフェル・フォルトのお陰だった。


まるで、アッフェル・フォルトにイメージを上書きされたみたいに、何でもない事のように上書きされた。自分はどれだけ、子供だったのだろうと思った。バッセルは、ぼんやりした頭で考え続ける。


シェルフォードの言うように、報告するのが正しい、と。もし同じことを、もっと巧妙に自分がするようになってしまったら、誰がイメージの害悪から人々を護ってくれるのだろうと考えた。


自分は、人々を護るために来たのだから、自分は自分を捕らえなければならない。たとえ、親族が苦しむことになっても。でなければ、国を護る人はいなくなってしまうのだから、と思ったところで、バッセルの思考は止まってしまった。心ができない、と叫んでいた。その脇でアッフェル・フォルトが陽気にシェルフォードの腕をつつきながら話し続けていた。


「シェルフォード。私が神を顕現させれば、おまえは私の監督責任を取らされることになるぞ」

「それが何だ? 私はおまえを監督する為に、国王陛下に青銀のベルトを頂いて、おまえの隣に立っているんだ。責任を取るのは当然だ。それに、陛下への忠誠は、おまえの脅し以上に尊い」

「シェルフォード。たかが光の柱じゃないか!」

「あれがただの光じゃないのは街を見ればわかる」

苦い声だった。膝まづき、祈り続ける人々がいた。あれが神でなくてなんだと言うのだ、とバッセルは自分で自分に言って聞かせる。

「だから何だ。あれは、私のため息一つで崩れる程度のものだったんだ」

「しかし、あれが許されるなら、今後、誰が神を顕現させても許される事になってしまうぞ」

「なら、許してやればいいじゃないか」

「アッフェル・フォルト!」

「たかが神じゃないか。悪意が湧きでてくるわけじゃないんだ。ハローって手を振って、陽気に挨拶しときゃいい」

「本気で言っているのか?」

「私は本気だ」


「神を語る詐欺は、王国を傾けることになる。神が上で、王が下。そう言って、偽の神を掲げ、反旗の旗印にし、反乱を呼ぶ。他国へ隙を作り、攻め入らせる好機を与える。そう歴史が証明している」


「そんなのは、神じゃなくても、詐欺師なら誰だってできる。巧妙な詐欺師ならな。これが神の意思なんだって、自然災害を神のせいすればいいんだ。災いは重なるって言うしな。そんなことは、神のイメージがなくったって、いくらだってできる。だいたい、そんな程度で傾く王国なら、王国の意味が無い。王をとっとと変えればいいんだ」


シェルフォードの表情が変わった。雰囲気が変わると、雑さが消え、近寄りがたい気品のみの硬質な男に変貌する。バッセルは、これが、本当の生まれながらの姿なんだ、と感じた。


「不敬は止めろ。王陛下が国を平らげておられる。だからこそ、人々は街で笑って暮らしていられる。王陛下は国を護るために、危険な詐欺師を一人でも出さないようにするために、我らのような監察者を置いておられる」


「なら、私を捕らえるか? いつ、神を顕現させるるか分からない危険人物なんだからな」

「そうだな。その通りだ、捕らえるべきだな」

と言って、シェルフォードはアッフェル・フォルトを見た。バッセルはそんな二人を見上げて、暗くぽつんとつぶやいた。

「確か、本人が自ら命を絶てば、全ての親族は許される、と何かに載っていたはずです」

はっと、シェルフォード振り向いた。ただ、厳しい顔のまま、バッセルへ視線を落とす。アッフェル・フォルトは逆に嫌悪をむき出しにした。そして一言。


「シェルフォード。もし、このチビが自害をするなら、おまえの姉のマーシャ殿の前に神を顕現させ誘惑させるぞ」

と言った。シェルフォードの目が大きく見開かれた。

「いいや、神なんかじゃ飽き足らない。妖精王を顕現させる。イメージだけだと侮るな。私の造る妖精王だ! 妖精王に誘惑されて傾かない人間はいない。マーシャ殿だとて例外じゃないぞ。それをおまえの目の前で立証してやる」

「アッフェル・フォルト」

とシェルフォードの声が揺れた。


「私はやる言ったらやるぞ」

「おまえが出すのは、神だろう!?」

と、まるで、神の方がましだ、と言うような言い方をした。そして、

「できるものか。おまえは宣誓しているはずだ」

「本気で人の掛けた宣誓を私が破れないと思っているのか? 人ごときが、私に枷を掛けれると?」

「おまえは人だ。力があるだけの、ただの人だ」

「そうなのか? なのに、おまえが見張っているのか? 力が怖いからだろう? そうなんだろう! それなら、私の気分が良いようにすることだな。あれは単なる光の滝だ。子供の下手なお絵かきだった。じゃなきゃ、マーシャ殿は妖精王に夢中になって、二度とおまえをかまってくれなくなるぞ。立った一人の、心を許せる大事な姉に、邪険に無視される毎日になるんだ!」

と言い放った。


なんとなく、バッセルは、深刻な状況から、ちょっと次元が下がったような気がした。しかし、シェルフォードの顔色は青ざめたようだった。アッフェル・フォルトは元気よく続ける。


「おまえは、やりたくもない監察者になった。王の機嫌を取る為にな。それもこれも、姉の為、姉のマーシャ殿の為だ。人質が変わりに外国へ嫁ぐのを阻止するために、王に縋って頼んだんだ。監察者へなるから、姉の結婚は止めてくれって。監察者へなってほしいと言う誘いを、断り続けていたおまえが、結局、マーシャ殿を救うために、私の横に来る事になったんだろう! 私の枷になる為にな。なのに、おまえの不手際で、マーシャ殿は、妖精王へ嫁ぎたいと洗脳されてしまうのさ。マーシャ殿は、おまえの前で身も世もなく騒ぎ始めるわけだ」

「アッフェル・フォルト」

と今度の声は弱弱しかった。


「おまえの実家の公爵家がどう動こうが、妖精王は比じゃないぞ」

「本物じゃない妖精王に、そんな事ができるものか」

とよわい声で否定したのだが、

「そうか、本物ならどうだ? 私はたった一人の娘だそうだ。ねだればなんだってしてくれるかもしれないぞ」

「おまえは、人だ。だいたい、会ったこともないくせに」

「試してみるか?」

と言って二人は視線を合わせて動かなくなった。睨む、と言うよりはもっと別次元の何かがあった。しかし、シェルフォードは力なく視線を落とし、そして、一言、

「姉上には、マーシャには何もしないでくれ」

「しないさ。おまえは、自分の見習いを大事にする。だろう? 私もマーシャ殿を慕っているんだ。幾つなのか、年の分からない爺に夢中になる姿なんか見たくないさ」

妖精王は、建国の始祖の時代からいる。齢は数千年を超える、はずだ。もしも、現実にいるならば、とバッセルは無言で思った。


陽気に頷くアッフェル・フォルトを、シェルフォードがじっと見ていると、アッフェル・フォルトは、

「宣誓しようか?」

と真面目な顔で言った。するとシェルフォードは苦い顔で、

「無駄だと言ったその口で何を言うか」

と口の中で呟いて、その後すぐに、

「あれは光の柱だ。子供の夢想に付き合って多くの人間を不幸に追いやることは無い」

とはっきりと言った。まるで、始めっからそう言うつもりだったかのような、はっきりとした断言だった。アッフェル・フォルトはにやにやしながら、シェルフォードの肩を抱いて、

「だから、おまえが好きなんだ」

と言って肩に顔をうずめると、シェルフォードは強引に自分の肩からアッフェル・フォルトを引きはがし、

「老師がお待ちだ。館へ戻らなければならない」

と生真面目な顔で言った。


アッフェル・フォルトはうんうんと頷いて、片手で自分の髪を後ろへ払った。そして、自分達を見上げていたバッセルを見て、

「と言う風に、大人は駆け引きをするんだ。一人前の監察者になりたいのなら、覚えておくんだぞ? ポイントは弱みだ。ここが大事なんだからな?」

と諭すように言うのだった。


しかし、バッセルは青ざめた顔のまま、声も無かった。ただ、神の顕現は重罪で軽くて幽閉。でも、隠匿までしたら極刑を免れない。と言う、見習いの宣誓をした時に聞いた、長老達の言葉を思い出していた。


罪の隠匿は死罪だと思え、と言う言葉が、どこからともなく耳に響く。死を持って贖わなければならないほど、私達の仕事は重いのだ、とも言っていた。バッセルが、喉がからからになりながら声を出そうとすると、シェルフォードが、

「おまえがどこかに訴えて出た瞬間に、今の私達の会話が露呈する。老師を前に、隠すすべはないからな。出来事を覗かれるんだ。隠匿の相談をし、密約をしている、この姿が暴かれる事になる。分かるか? これは、おまえの罪以上に重い」

と言った。アッフェル・フォルトが笑って、

「今、おまえは、脅されているんだぞ。おまえが、もしも口を滑らすような事があれば、その前に、息の音を止めてやる、とシェルフォードは言っているのさ。なんと言っても、極刑にされたら、マーシャ殿を護れなくなるからな」

と横から覗きこむように口を挟む。シェルフォードは穏やかな顔で、頷いている。本当に、そこだけが大事だと言うように、

「姉が嫁に行くまでは、私の死を呼ぶものは許さない」

と言ったのだった。


 バッセルは、口を開けて、動かして、そこで閉じた。

「懸命だ」

とシェルフォードが言った。アッフェル・フォルトが、頷きながら、

「街の為になる事を倍しよう。償いはそんなところでチャラだ」

と言ったのだった。


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