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宵の手

 ケータイの表示を見ると、夜の6時50分。

 門の前で、ミナは深く息を吐いた。

 あの後、マカは必要以上に気を使ってくれて、家まで送ってくれた。

 いつもならマカ特製の問題集を出してきて、明日までの宿題にするのに、今日はいいからと言われた。

 マカの優しさが嬉しい反面、黙っていることへの罪悪感で胸が痛い。

「…今夜で終わらせないと」

 今夜の肝試しを終えれば、きっと二人の気も済む。

 きっと受験ムードに耐え切れず、言い出したことだろう。

 でももし、続くようであるようなら…。

 マカと一緒にいられないようにされるのであれば…。


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