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焼香ではなく、色とりどりの花を、二人の写真の前に置かれた台に置くというものだった。
大きなパネルに入れられた二人の写真は、満面の笑顔だった。
マカとミナは二本ずつ花を取り、一本ずつ置いていく。
マカはアキの写真の前で立ち止まった。
…アレから調べてみたのだが、アキのことで少々引っ掛かっていた。
アキはあの儀式を行う数日前に、一人の少年と知り合っていたらしい。
その人物はいつも黒い服装で、深くフードを被っている。
そしてその口元にはいつも笑みが浮かんでいたそうだ。
アキはその少年と仲が良かった。




