14/39
3
四人はくたびれていた。
プレハブ小屋から出た後も何も言わなかった。
でもアキは、ユマとフーカから少し離れたミナの元へとやってきた。
「ねぇ、ミナ」
「何よ」
「前みたいに、一緒につるまない?」
「はあ?」
何を言われたのか、理解できなかった。
もう二人の進むべき道は違っている。
ミナはマカと一緒にいられるところまで進むと決めた。
それがどんな道であれ、マカの存在無しではいられないからだ。
「…悪いけど、あたしにはマカがいるから」
だからハッキリと断った。
「そっか。分かった」
アキはアッサリと引き下がった。
中学時代、このアキのサバサバしたところに惹かれていた。
何にでも行動的で、自信家。
周りがどう言おうと、自分の意思を正しいと思って進んできたアキ。
けれど…人を傷付けることにすら、罪悪感を感じないアキに、ミナは少し恐怖を抱いていた。
高校に入って、マカに出会ってからはそんな恐怖は抱かなかった。
…まあアキとマカの仲が良くなかったというのもあるが。




