ステラの記憶
ある晴れた日、私は本を読みながらウトウトとしていた。
そしてソファに横になる。
最近疲れることが多いな…。
それもそのはずだ。母が病気で寝込んでしまい、家事はすべて私がしているのだから。まだ7歳の子供には大変な事だった。近所に住んでる人はたまに見に来てくれるのだが、その人達にもその人達の生活というものがある。それで頼りすぎることはしないようにしていた。ただ、人付き合いが苦手だっただけかもしれないが…。
少し眠ろうと目を閉じたとき…
「ステラー遊ぼー!」
外から声が聞こえてきた。隣の家の子か…。人付き合いは苦手だけど嫌われたくはないので、重たい体を無理やり起こして外に出た。隣の家の子は私が家事をすべてやっているのを知っている。それでたまにこうして私を外に連れ出してくれるのだ。彼女なりの気遣いだったのかと思う。
私達はすぐ近くにある森に行った。そして、花を摘んだり小動物達と遊んだりしていた。そうして私は気分転換する。
夕方になり、家に戻ってくると私は母の様子を見に行った。すると母はベッドから降りようとしていたところだった。私は慌てて近寄って言った。
「お母さん!寝てなきゃダメだよ」
「今日は気分がいいのよ。だから少しなら大丈夫よ」
母はニコニコしながら言った。それでも私は心配だったから、今日は寝てるように説得した。…こんなに強い7歳の子供はそうそういないと自分でも思う。でも母と二人暮らしだから、おかしくはない。母は渋々ベッドに戻った。私は夕飯を作るために部屋を出た。
30分後、二人分の夕飯を持って母の部屋に行った。母は私が戻ってくると私に微笑んだ。そして言った。
「ねぇステラ。もし明日もお母さんの気分がよかったら、森に散歩に行こうか」
私は驚いた。ちょっと嬉しかったけど、でも母の体を心配して言った。
「ダメだよ、お母さん。そんなことしたら病気がもっと酷くなっちゃうよ」
母は私の言葉を聞くと、悲しそうな顔をして私を抱き寄せた。
「ごめんね、ステラ。いつもお母さんの心配ばかりさせて。でも大丈夫よ。少し散歩に行くだけだから、ね?」
そう言って私に微笑んだ。私は…頷いてしまった。それから私は慌てて言った。
「でも、辛くなったらすぐ言ってね?無理はしないで。約束だよ?」
母は笑って頷いた。