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記憶  作者: 安音
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幼馴染みとの再開

え、え?何、さっきの唸り声。

もうわかんないこと多すぎて頭がついていかない…。


アルとアイは家に入るなり、すぐドアを閉めてリビングらしい所に歩いて行く。そして窓に近づくと外の様子を確認し始めた。双子は顔が真っ青になっている…。私は状況がわからないので立ち往生していた。すると外からさっきの唸り声が聞こえてきた。


「グアアァァァ…妖精…妖精はどこだぁぁあ?…おぉ?」


一瞬動きを止めた唸り声の主は、ドスドスと音をたてながら隣の家の前に来た…姿はまるで悪魔のようだった。視線の先には逃げ遅れた女性がいた。その女性は悪魔に気づき、悲鳴をあげながら逃げようとしたが時は遅く、大きくトゲトゲした悪魔の手に捕まり、悪魔の首にかかっている大きなビンの中に落とされた。あの手のトゲトゲには毒がついていたのだろう。さっきまで悲鳴をあげていた女性は、ビンの中でグッタリと横たわっていた。そして悪魔は背中にある黒い翼をひろげてどこかに飛び去っていった。また空が明るくなると、双子はホッとしていた。私はちょっと間をあけてから口を開いた。


「ねぇ、二人とも。さっきのって何」

「やあ!二人とも無事か?」


誰かの声とかぶった…。振り向くとドアの所に紺色のマントをつけた青年(?)がたっていた。…ん?見覚えがあるような…。チラっと双子をみると、二人は目を輝かせている。そして青年に抱きついた。


「ロウ兄!」

「ロウお兄ちゃん!」


…え、ロウ?…露!?私は驚いて目を見開いた。驚いた理由は二つ。一つは幼馴染みと同じ名前だったから。もう一つは…幼馴染みとそっくり、というか全く同じ姿をしていたから。少しの間じっと青年をみていると、視線に気づいたのか青年はこっちを向いた。そして笑いながら言った。


「久しぶりだね、ステラ。元気だった?」

「あ、えっと…あなたは青城露なの?」


いきなり話しかけられて、戸惑いながら聞いた。青年は頷いてから、


「星海ステラ、大丈夫。俺だよ」


と再び笑った。私は少し安心してから次の質問をした。


「ここは…一体どこなの?」

「ここは妖精の国さ。俺もここの住人…ステラは、ここの住人だった」


それから露は少し悲しそうな顔をして黙りこんだ。

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