私の知らない、双子の弟と妹【2】
……え?
何、誰?この子達…お姉ちゃんって言った?
「……お姉ちゃん?私が?」
思わず声が裏返る。だけどそんなことはどうでもいい。この子達一体誰なのか知りたい。
「私双子の弟と妹なんていないけど……」
男の子は笑った。女の子はおどおどしながら口を開く。木々がささやくように優しい、小さな声で。
「私たち、嘘ついてない…よ」
それからちょっと笑った。男の子が話し始める。
「おかえりなさい、お姉ちゃん。ここの記憶ないみたいだら、自己紹介します。僕はアル」
女の子も自己紹介してくれた。
「私は、アイ…です」
男の子はアル、女の子はアイ…ね。うん、知らない。
そしてアルが変な事言った。
「ステラお姉ちゃんはこの国の王女なんだよ」
…??
「私が?じゃあ私の弟と妹だっていうあなた達は、どうしてそんなにボロボロの服なの?」
私の言葉に双子は俯く。なんかまずいこと言った?それからアルが
「お姉ちゃん…それは、僕達には言えない」
と言う。アイは泣き出してしまった。
「え、ちょっと…大丈夫?」
私は慌てて慰める。(…!?今、双子達の体光った…?)
ちょっと気になったが、今は考えないことにした。
それから数分、双子が落ち着いてきたと思うと、さっきまで青く澄んでいた空を黒い雲が隠し始めた。
「…?」
私は首をかしげた。アルがハッと顔をあげる。
「!!お姉ちゃん、ついてきて!ここは危険だから」
そう言うと私の手を掴んで走り出した。アイもアルの隣を走っている。それから近くの家に駆け込んだ。それと同時に凄く嫌な唸り声が後ろから聞こえてきた。