プロローグ
これはどこまでも神に愛され、また嫌われた三人の男達と平凡な一人の女のお話。
太古の昔、それはまだ人々が自給自足の生活を送る頃、美しい愛の女神が地上に降りて来ました。女神は不思議な力で人に擬態し小さな村へと足を運びましたが女神の神々しさは隠しきれるものではなく、まことしやかに不義の子であり逃げてきたのではないかと噂されました。ですが小さな村は温かく、笑顔で女神を迎えてくれたのです。
女神が現世に降りて来てから一年、そろそろ帰らねばならぬとお達しがきました。しかし女神には大切な人ができてしまったのです。男は女神が人ではないことを唯一知る人物でもありました。それでいて二人は固く結ばれているのです。女神は一晩中泣きました。
翌朝になり女神は男に別れを告げました。男は苦い顔をしながらも無理矢理笑顔を作り「幸せになって下さい」と言ったのです。最後まで自身を大切にしてくれた男を女神が忘れられるはずもありませんでした。女神は後に男神と結ばれるのですが心は男に残ったまま。そしてある日天界から覗く男の生活をみていて閃きました。それが全ての始まりです。
太古の昔、人々がまだ戦争を繰り返していた頃、戦略を司る男神が愛の女神に恋をしました。男神は自分の気持ちを伝え続けましたが女神は現世を覗いてばかりでよい返事をくれません。しかしある日女神は言いました。「よいでしょう、あなたに従います」男神は大層喜びましたがそれには続きがあったのです。「しかし覚えておいて欲しいのです。私があなたを見ることはないと」男神はそれでもいいと頷きました。
男神と女神は仲良く暮らしましたが年が経つにつれ女神の力が弱まっていることに気づいたのです。男神が問うた所想い人である男の子孫に永遠に続く加護をかけたと。それは神々にとって寿命を縮めるものでした。
それから数十年経った頃、ぱたりと女神が動かなくなったのです。男神は泣き続け、また恨みました。そして男神は誓ったのです。命に代えても仇をとると。こうして子孫には悲しい呪いがかけられました。
ある所に一人の少女がいました。私達もよく知る街並みを楽し気に歩く姿は今にもスキップしそうです。
「ケーキ、ケーキっ!」
手に白い箱を大事そうに抱える姿は無邪気で汚れを知らなさそうだ。けれど彼女はまたこれから起こる未来を知らない。
…終わらせられるかなぁ?(笑)