第4話 (2)
美森と海咲はまだ震えている海月のことを、彼女の家らしきところまで運んできた。
木製の扉を開けて、中へと入る。茶の間を通り過ぎて、奥の部屋へと足を進めた。
その部屋は寝室らしく、部屋の中央辺りには、可愛らしいデザインのベッドが二つ並べて置かれてある。
美森と海咲は、そのベッドに海月のことをゆっくりと寝かせた。
海月の震えはもう止まっていて、彼女からは微かな寝息が聞こえている。顔は穏やかだったが、そこについている傷は痛々しかった。
「ありがとう・・・えっと・・」
「あっ・・・日菜野 美森です」
困ったように微笑んでいる海咲に、美森も微笑みを返した。
「あ・・・美森ちゃん、ありがとう。海月をここまで運んでくれて。凄く助かったよ」
「あっ・・・大丈夫だよ・・・」
・・・・それにしても何だか気持ち悪い。視界がだんだん黒く染まっていく。
「・・・大丈夫?美森ちゃん。すごく顔色悪いよ?」
海咲の心配そうな顔が、黒く染まった世界の中で見えた。
「・・・・だ・・・」
美森はその言葉を言い終える前に、意識を手放してしまった。
美森が目を覚ましたのは、ベッドの上だった。
美森はゆっくりと体を起こす。
どうやら、海月の部屋にあるベッドで寝ていたようだ。
周りは静寂に包まれていた。時計の時を刻む音がやけに大きく聞こえる。
いったいどのくらい時間がたったのだろう・・・。
美森は壁に掛けてある時計に目をやった。
その時計には可愛らしい桜の花のデザインがほどこされている。しかし、実際には何時なのか分らない。
チク、タクとういう音は聞こえたが、その時計には針が一本しかついていなかった。数字も書いてなく、代わりに○や△や□が書いてある。
(・・・もしかしたら時計じゃないかも・・)
美森はそんなことを思いながら、隣にある窓に目を移した。
もう外は夕方だった。太陽が眩しいオレンジ色の光を発して、沈もうとしている。
そしてその景色の真ん中には、あの桜の木が見えた。この街に入って、目にとまったあの大きな桜の木だ。
その桜は、まるで散る時が来ないかのように雄大にそびえ立っている。
実際にあの桜の木は、本当に散る時が来ないような気もした。というか散ってほしくなかった。あんなに綺麗なのに。
散ってしまったら、きっと寂しくなる。
存在が大きければ大きいほど、散ってしまったときは寂しい、そう感じた。
とその時、ドアの開く音がした。
ドキリとして振り向くと、ドアの前には海咲の姿があった。
「あっ、美森ちゃん起きたんだ」
海咲は何故かさびしげにそう言うと、美森のところまで歩みよる。
美森は隣まできた海咲のことを見上げて、控え目に言った。
「ありがとう・・・。寝かせてくれて・・えっと・・名前は・・・」
「山本 海咲だよ。それでもう一人は山本 海月」
「え・・・もう一人?」
その時、部屋のドアがゆっくりと開いた。
そこから顔を覗かせたのは・・・海咲だった。
「・・・は!?・・えっっ?」
いや、違う。海咲と同じ顔の女の子だ。
彼女─海月は部屋に一歩入ると、照れくさそうに笑う。
「こんにちは・・・」
「あっ・・・こんにちは」
美森は何が何だか分らないまま、返事をする。
すると、美森の隣にいる海咲が面白そうに言った。
「うちら双子なんだ!」
「え!?双子・・・」
『うん!』
海咲の声が、隣にきた海月の声と見事に重なった。
「あっ!またハモっちゃったね~」
海咲が、半分呆れたような声で言う。
「はっはっ」
海月は笑いを返した。
美森はそんな二人の姿を呆然と眺めていた。
近くで見ると、益々同じだ。違うところと言えば、髪の長さと、瞳の色ぐらいだ。
海咲の髪は短めで、一方、海月はセミロング位の長さだった。そして、海月の瞳の色は、鮮やかなピンク色だ。桜の花びらより鮮やかだ。
(そう言えば、勇君がパーツって呼んでだっけ・・・)
海月の瞳の色を見れば瞬時にそのことが分かった。
「名前・・・何ていうんだっけ?」
海月がドギマギした様子で聞いてきた。
「あっ・・・日菜・・・」
「日菜野 美森ちゃんだよ!教えたじゃん。もう忘れたのー?」
美森の言葉が言い終わる前に、海咲が質問に答えた。
「・・・あ!そうだった。忘れちゃった!・・ごめんね。美森ちゃん?」
海月は苦笑いを浮かべながら言う。
「だっ大丈夫だよ!」
美森は手を左右に振りながら、笑顔で答えた。
「うちら、今、学校から帰ってきたばかりなんだ。・・・だからこれから一緒に夕食どう?」
「あ!いいね!海咲、いい考えじゃん!」
海月が、海咲の提案に笑顔で賛成した。
「・・・・ありがとう」
美森は少し悪いと思ったが、丁度お腹も減っていたので遠慮しないでそう答えた。
海咲に呼ばれて茶の間に行くと、そこのテーブルには夕食が用意されていた。
「そこに座ってていいよ」
「あっ・・・うん」
美森は海咲に促されて、テーブルの前にゆっくりと腰を下ろした。
美森は、海咲が箸とコップを並べ終えるまで待っていたが、その時になっても海月が姿を現さない。
「あ~~もぉ、何で海月はこういう時にいないの?」
海咲は苛立ちの混じった声でそう呟くと、「ごめん、美森ちゃん。ちょっと待ってて~」と言い放ち、茶の間から出て行った。
しばらくたつと、海咲が海月をつれて戻ってきた。
海月は顔色を曇らせている。そして、美森のことを見ると、申し訳なさそうに言った。
「ごめんね、美森ちゃん。星がすごく綺麗だったから、眺めてたら遅くなっちゃった」
「あっ、大丈夫、大丈夫」
美森は少しだけ苦笑した。
「ほんと海月って、星とか眺めるの好きだよね」
海咲がテーブルの前に腰を下ろしながら言う。
「だってすごく綺麗じゃん。夜空。宇宙の神秘っていうかそんな感じするし。あと何か、不思議な気分になれるし」
海咲の隣に腰をおろした海月は、とても楽しそうだ。
「あっ、そうだよね!」
美森も夜空を見上げて、そう感じたことがあったので、とっさにそう言った。
「・・・美森ちゃんもそう思う!?やったー!」
海月は、その綺麗なピンク色の瞳を歪ませて笑った。
「それじゃーご飯食べよ!今日は私が作りましたぁ!」
「やった!海咲、料理上手だ!おいしそう!!」
「おいしそう・・・」
三人の目の前には、淡いピンク色のご飯や、ポテトサラダやハンバーグなどどれも美味しそうな食事が並んでいる。
「美森ちゃんも早く食べたら?じゃないと、海月に全部、食べられちゃうよ?」
海咲がご飯を口に運びながら、海月を横目で見ると、面白がって言った。
「は!?私こんなに食べられないし。食べられたら、大食い選手権でれるじゃん!」
しかし、海月はそう言いながらもすごい速さで色々なおかずを口に運んでいる。
「・・・あ・・それじゃ・・いただきます」
『はーい!・・・・・あっ、またハモッちゃった!』
一瞬の沈黙。そして・・・
「・・・・っはははははははっ!!」
美森は自分でも信じられないぐらい、大声で笑った。
こんな大声で笑ったのは久しぶりだ。
ここの世界に来て、不安な気持ちで一杯だったはずなのに、笑えている自分が、今ここにいる。
自分で自分が変だと思った。でも、笑ってる。
『・・・・』
海咲と海月は、美森の姿を一瞬驚いた顔で見る。そして、二人も一緒になって笑い出した。
「美森ちゃんって何処に住んでるの?」
海咲が食べ終わった食器を、ガチャガチャと洗いながら、隣でお皿を拭いている美森に尋ねた。
美森はその手をピタリと止め、海咲のほうを見ると俯く。
「・・・えっと・・・何処にも住んでない。・・・っていうか、住めないっていうか・・・」
「あっ・・・そっか。」
海咲はそれ以上、美森に問い詰めることはなかった。そしてまた、手を動かし始める。しかし、またその手を止めると、美森のことを見てどこか悲しげな口調で言った。
「困っているようだったら、好きなだけ家にいていいよ」
「・・・あっ、分かった。ありがとう・・・」
美森は、なぜ海咲がこんなに悲しそうな、そして孤独な表情をしているか分からなかった。
そんな海咲を見てると、自分まで胸が締め付けられる思いがした。
海咲はいったい何を思っているのだろう。なにを考えているのだろう。
きっと分かったとしても、美森には何もできない。だから、海咲のことは気づかないふりをしている方がいい、そう思った。
「海咲、美森ちゃん!こっち来てー!」
「!」
洗い物も終わったころ、茶の間の方から海月の声が聞こえてきた。
「?・・・」
美森と海咲が茶の間のほうに行ってみると、海月が待ってましたと言わんばかりの表情で立っていた。
「えへへっ。いいもの見せてあげる。・・・ちょっと恥ずかしいけど」
海月は可愛く笑ってそう言うと、その場でダンスをするようにくるっと回った。と同時に、彼女の周りからふきだすように沢山の花びらが現れた。
それらの花びらは、海月が手をゆっくりと上に挙げると、風に吹かれたように空中を漂って、美森と海咲の周りを一周し、そしてゆっくりと床に落ちた。
「きれいでしょ?」
まだ周りに数枚の花びらが舞い落ちる中、海月は満面の笑みで言った。
「うんっ!・・・すごい」
美森の心の中は、感動と興奮の気持ちで一杯だった。
・・・そのせいで美森は気づくことができなかった。
隣にいる海咲が綺麗に笑っていることに。
その綺麗な笑みは、どこか切なく、悲しい感じがしたことに。
「あ・・・。雨」
海月が窓の外を見て、呟いた。
窓の外は雨が降っていた。静かに、雪のように降っていた。
きっと海月が言わなかったら、雨だということに気付かなかっただろう。
その雨は・・・・桜の花びらだった。
だからこんなに、静かで優しい感じがするんだ。
その雨はひらりひらりと空中を漂うと、ゆっくりと地面に落ち、広がりそして消えた。
残ったものは、花びらでなく水滴だった。
花びらが、何枚も何枚も地面に積もる姿を見たかったのに。・・・気がつたときには水滴になっていた。
『いってきまーす』
「いってらっしゃい」
次の日、美森は二人が学校に行くのを見送った。
雨は上がっており、空は眩しすぎる青空だった。
美森は茶の間に戻ると、部屋のはじにあったソファに、ひとまず腰をおろす。
(これから・・・何しよう・・)
海月と海咲は、二人でいつもの通学路を歩いていた。
穏やかな風が二人の頬を優しくなでる。
「ねっ。海咲!美森ちゃんがいるとなんだか楽しいね。友だちとお泊まり会してる気分!」
「そうだね」
海月はピンク色の瞳を歪ませ、笑った。その表情は、他に何も望んでない、そんな表情だった。
と、その時、次の十字路でこちらに向かって手を振っている女の子がいた。
同じクラスの友だちだ。
「あ!私、ゆかちゃんと待ち合わせしてたんだ。海咲、ゆかちゃんのところ速く行こう!」
海月は歩みを速めようとする。
「え?私は待ち合わせしてないよ?」
海月は海月の言葉にその足を止め、こちらに振り返った。
「だって海咲もゆかちゃんと友だちじゃん!
それにうちら一緒に住んでるんだし、ゆかちゃんは、うちら二人と待ち合わせするつもりで言ったんだよ!そんなのいつものことじゃん!」
海月はそう言うと走り出した。
「─・・・」
海咲も海月のあとに続いた。
「海月おはよー!」
「おはよー」
ゆかは次に、海咲のほうにも視線を移す。
「あ!海咲おはよう!」
「おはよー」
海咲は微笑んでそう言った。
・・・・・そして、三人は歩きだした。
三人の背景には、あの大きな桜の木が見える。
それはたった一人で雄大にそびえ立ち、街をより一層美しく染め上げていた。
美森はソファの背もたれに寄り掛かると、一息ついた。
好きなことしてていいよ、と言われても何をしていいのか分らない。
「・・・・」
何もしないでいると、いろいろなことを考えてしまう。考えたくないことまで考えてしまう。
本当に自分は地球に帰ることができるのか。
このまま何もしないでいると、何となく時間は過ぎていき、そして取り返しのつかないところまで来てしまうかもしれない。
だからと言って"この世界で一番大切なもの"が何所にあるかもさっぱり分らない。
・・・これじゃ手の打ちようがない。
美森は恐る恐る呪いの印を見た。
呪いの印はまだ美森の首元にしっかりとついていた。
そう言えば雫が、印が薄くなってきたと言っていた気がするが、今、美森はあまりそう感じなかった。
実際に美森は"この世界で一番大切なもの"の"こ"の字も見つけた覚えはない。
とその時、テレビの横の本棚から何かが落ちた。
「!!!・・・」
声には出さなかったが、必要以上に驚いてしまった。
(何だろ・・)
美森はソファから立ち上がると、その何かのところまで足を運んだ。
それは・・・アルバムだった。
美森はそのアルバムを手に取る。
(・・・見ちゃうか)
海咲と海月には悪いと思ったが、それ以上に見たいという気持ちが強かった。
(ごめん・・・海咲ちゃん、海月ちゃん・・・)
美森は心の中で二人に謝ると、アルバムの最初のページをめくった。
そこには二人の赤ちゃんと、その赤ちゃんを抱いている男性と女性が写っていた。
おそらく二人の赤ちゃんは、海咲と海月で、その男性と女性は二人の父親と母親だろう。
「かわいいっ・・・」
美森は思わず、にこにこしながらその写真を眺めていた。そして次のページを捲る。
「・・・・!」
が、そこには写真が入っていなかった。いや、写真は入っているが、多くの写真が抜け落ちている状態だ。次のページをめくっても写真はまばらに入っているだけ。
明らかに古そうなアルバムなのに、こんなに多くの写真が抜け落ちているなんておかしすぎる。
「何してるの?美森さん?」
「!!キャーーーー!!」
美森は、突然掛けられた声に驚きすぎて、思わず叫び声をあげる。
弾かれたように振り返ると、そこにはトワがいた。いつもの笑顔で。しかも当たり前のように、ソファに腰をおろしている。
「あはは!こんなに驚くなんて美森さんって面白いね!」
「・・・・」
美森は何も言い返すことが出来ず、ただトワのことを凝視していた。
トワはそんな美森の姿を見て、クスリと笑うと、美森が手に持っているアルバムを指差した。
「それ・・・アルバムだよね?他の人のものなのに、勝手に見ることはよくないと思うよ」
「!・・・」
美森は、素早くそのアルバムを閉じると、もとあった場所に戻した。
図星のことを指摘され、顔が赤くなっていくのを感じる。
「・・・!」
とその時、美森はあることに気づいた。
トワがいつもと違う。いや、違うわけではないが、明らかに今のトワにはおかしな所があった。口で説明するには難しいが、確かにトワには違和感がある。
「・・・トワ。何か違う気がする」
美森は思っていたことを、いつの間のか口にしていた。
トワは美森の言葉に、顔色一つ変えず答えた。
「多分、それは僕が消えかかってるからじゃないかな。消えかかってるってことは、この世界が僕のことを必要としなくなりつつあるってことなんだよね。悲しいなぁ」
「え!?・・・消えかかってるって?」
美森は、全く悲しそうには見えないトワのことは気にすこともなく、呟いた。
トワは相変わらずの笑顔で言葉を続ける。
「あれ?美森さん、知ってるんじゃなかったっけ?それぞれの民のパーツがすべて集まっちゃえば僕たちは消えるって。で、そのうちの二つはもう集まって、時の裂け目に入れられちゃったんだよ。
あの人は気がはやいからね。全部集まってから入れればいいのに。あっ、でも僕たちの嫌がらせっていうのもあるかもね」
「・・・時の裂け目?」
「え?・・・美森さん、そのことも知らないんだ。時の裂け目っていうのは・・・僕たちの力が極端に弱くなっている空間のことだよ。・・・あっ、でも弱くなっているんじゃなくて、弱くさせられちゃうんだよね」
「・・・・」
美森は、まだにこにこ笑っているトワに、かける言葉が見つからなかった。
いろいろな考えが、頭の中で渦をまいている。
「!!」
とその時、ソファに座っていたトワが、突然消えたかと思うと、美森の前に音もなく現れた。
今度はいろいろ考えていたお陰で、大声を出さずに済んだ。
「そんなことより美森さん?"この世界で一番大切なもの"は見つかったの?」
「・・・」
美森は俯く。
トワが、美森の答えを知っていて、わざと聞いているのは分っていた。しかし、それに何も言い返せないことが、とても嫌で悔しかった。
「僕が消える前に速く見つけないと、一生地球に帰れなくなっちゃうよ?
"この世界で一番大切なもの"はこの世界でしか見つからないからね。僕が消えて、変わってしまった世界では見つからないよ。絶対にね。ノワの方の子も、自分なりに頑張っているみたいだし」
「・・・だって、そう言われても、どこをどうやって探せばいいか分らない!」
美森は俯いたまま、しかし力強い口調で言った。
「顔あげてよ。美森さん。
焦らなくてもいいと思うよ。・・・僕は焦らせちゃうことを言っちゃったけどね。・・・美森さんも自分なりに頑張ればいいんだよ。焦りすぎても真実の答えは見えてこないしね。
・・・それに美森さんにならできるよ。・・・だってこの世界であんなに楽しそうに笑うことができたんだから」
「・・・」
美森が顔を上げた時には、そこにトワの姿はなかった。
美森にはトワが分らなかった。優しい人なのか、悪い人なのか、励ましてくてるのか、それとも焦らせているだけなのか。
ただ、美森の不安な気持ちを和らげてくれたのはトワだった。
前、美森が泣いている時、傍にいたのはトワだった。
だから美森は、トワの言葉は信じてみようと思った。
(焦らず・・・自分なりに頑張る・・・か・・)
「ただいまー!」
夕方になると海咲と海月が帰ってきた。
「美森ちゃんー!会いたかった~!」
海月は部屋に入るや否や、勢いよく美森に抱きついてくる。
「・・・もう何やってんの?海月は。美森ちゃんが困ってるじゃん」
海月の後ろにいる海咲が、あきれ気味の声でそう言った。
海月は海咲の言葉を聞くと、慌てて美森から離れる。
「あ・・大丈夫だよ!」
美森は海月に笑顔を見せる。
「美森ちゃんが、ちゃんと家に居てくれるか心配だったの!」
海咲は海月の言葉に苦笑した。
「美森ちゃんはペットじゃないんだから・・・。ね?美森ちゃん?」
「あはは!」
海咲と海月も笑っていた。