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優しさの代償と悪魔の契約  作者: まりちゃんとだんな


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第10話 もう一人の私

遺跡を出た所で、これからどうするか決める事になった。


おばあちゃん「さて、どうするかね?アーク・フラグメントは手に入れたけど肝心のニスロクが何処に居るか分からないからね」


その時、サーシャが首に下げているアーク・フラグメントが発光して女性の声がした。


「ニスロクならもうすぐ此処に現れるみたいよ」


メニ「えっ!」


オリバー「そうなの!?」


二人は驚いてサーシャの事を見た。


慌てたサーシャは自分のネックレスを見てメニ達に言った。


サーシャ「今の私じゃないわ、このネックレスから聞こえたのよ」


メニ「え、そのネックレス喋るの?」


オリバー「本当に?」


すると、またネックレスの声が喋り出した。


「私の名前はシャード、アーク・フラグメントを通して貴方達に話しかけているのよ」


メニ「シャードって誰?」


オリバー「さあ?」


サーシャ「私にも分からないわ」


おばあちゃん「サーシャの意識の半分だよ」


みんなは驚いておばあちゃんに聞いた。


サーシャ「私の、半分!?」


オリバー「サーシャの半分!?」


メニ「え、ホントなの?」


おばあちゃん「サーシャが小さい時に付けてたネックレスの悪魔が、夜中に寝ていたサーシャから意識の半分を連れ去ったんだよ、その意識がシャードだよ」


メニ「じゃあそのシャードの意識は今何処に居るの?」


おばあちゃん「サーシャの母親の中だよ」


サーシャ「お母さんの中!?どういう事なの?」


真面目な顔でおばあちゃんは続けた。


おばあちゃん「サーシャから半分の意識を取り出した悪魔ニスロクは、その意識を別の部屋で寝ていたサーシャの母親シェルシーの体に無理矢理、押し込めたんだよ、だからシェルシーの意識とシャードの意識はどちらも一つの体の中に共存しているんだよ」


サーシャ「じゃあ、お母さんとシャードは同一人物って事なの!?」


おばあちゃん「そうじゃないよ、二人の意識は融合した訳じゃないから、別々の意識のままだよ」


みんな訳が分からずに考えてはいるが考えが纏まらないでいる。


おばあちゃん「シェルシーの体に二人の意識が入ってるんだけど、初めの頃はシャードの意識は眠ったままだったからシェルシーは普通に暮らせていたけど、2、3年前にシェルシーは急に眠ったままになってね、起きた時の意識はシャードになってたんだよ」


サーシャ「それでお母さんが部屋で起きた時、様子がおかしかったのね?」


メニ「じゃあ王様と結婚したのってサーシャのお母さんじゃなくてシャードだったって事なの?」


みんなの話を聞いていたシャードがアーク・フラグメントを通して話しかけてきた。


シャード「陛下との婚姻は偽装よ、私もお母さんも実際には王様と結婚なんかしていないのよ」


オリバー「じゃあ何の為にお城にいるの?それに偽装結婚する必要ってあったの?」


シャード「おばあちゃんが私とサーシャを元に戻す方法と、お母さんの意識も元に戻す方法を探して来るまで、私とお母さんを王様に預かってもらえるように、おばあちゃんが頼んでいったのよ、それと偽装結婚の必要性は、私が城に預けられた頃は、私は眠りから覚めたばかりで何も解らなかったから特別な教育が必要だったの、それで王様とお母さんは歳が近いから結婚した事にすれば、お城の中で教育を受けられるでしょ?」


それを聞いてたサーシャが驚きながらおばあちゃんに聞いた。


サーシャ「おばあちゃん全部知ってたんでしょ?どうして教えてくれなかったの?私、毎日お母さんの事怒りながらお菓子作ってたのよ!私だけ何も知らないでお店で留守番なんて!」


サーシャは珍しく怒っていた。


それも涙を浮かべて。


サーシャの気持ちは解ってる。


おばあちゃんはそうは言えなかった。


おばあちゃん「ごめんよサーシャ、あんたにはまだ早いと思ったんだよ、意識を半分取られた事もそうだけど、その夢を見た事も覚えてないって言ってただろ?でも悪かったよ、これからはあんたにも何でも言うからさ」


サーシャ「絶対よ、約束して!」


おばあちゃん「もちろんだよ、約束するよ」


サーシャは頷いて涙を拭いた。


そのタイミングでメニが口を開いた。


メニ「じゃあ、とりあえずニスロクはお城に向かってるんでしょ?あたし達も行かないとマズいでしょ」


オリバー「早く馬車に乗ろうよ」




一行はこれからペガサスの馬車でニスロクが向かっている、シャードとシェルシーの居る城へとむかうのであった。

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